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多摩ニュータウンの団地3DKで暮らして、もうじき2ヶ月。思ったこと、見えてきたこと。

那須と多摩の二拠点生活始まる。


東京は多摩ニュータウンで暮らし始め、那須と多摩の二拠点生活が始まったと、前回お伝えしました。

ご存知ですか? 多摩ニュータウン。

高度経済成長期に、都市に集中しだした勤労者とその家族は、超住宅難に陥りました。戦後のにわか仕立ての住まいは、とにかく狭かった。もちろん、貧相だったりもしたのですが、狂気の沙汰くらい狭かった。実際に、事件や事故も現在の比ではないくらい多く、家族間の暴力も日常茶飯。人間親しき仲にも距離や空間は大事ということを思い知らせるのでした。

ですから、団地という住まいが誕生したときの人気たるや、居住権は宝くじに当たるようなもので、庶民の悲願でもありました。くみ取りボットン便所が当たり前だったころ、団地は水洗トイレ。ちゃぶ台でごはんが日常だったころ、団地ではテーブルと椅子でお食事、であったわけです。

団地は「ウサギ小屋」などと諸外国から揶揄されましたが、なんのなんの。一時代子ども達の声が響き、希望に溢れ活き活きとした人々の暮らしの場でした。

団地に転居して、これって、なんなん?

さて、2023年1月4日。私は松が谷団地の3階にある3DKの部屋に、最低限の荷物を運びこみました。近山、腰が痛い73歳。エレベーターのない3階はきつい。しかし、団地問題の一つに5階建てなのに、エレベーターがない問題があります。これって、なんなん? 

部屋の窓からは、かつて300坪のスーパーのあった建物が見えます。ここを私たちコミュニティネットワーク協会が一昨年から再生し、交流拠点「コミュニティプレイス〈まつまる〉」がオープンしています。部屋は高台にあるので、スーパーからその先が見えるのですが、コンクリートの団地群が続く。冬のせいだけではなく寒い。これって、なんなん?

のきさきマルシェで、にぎわう団地の中庭

住まいは現在2人暮らしなので、3DKは広さは十分のはず。でも、ここで一日過ごせるか? といわれたら、なんとも言えない閉塞感。そこで、散歩に出てみると、たしかに広々とした中庭、公園、手入れのきいた植栽。もっと、足を伸ばし多摩センターの駅まで行くと、スーパーや日用品もあり、映画館やカフェや近山大好き・居酒屋もある。那須から来ると、なんでも揃っている。でも、安全、安心、便利と感じない。そして、楽しくもない。これって、なんなん? 

私がここで暮らせるか、人生楽しめるか

私たちの仕事は、「自分が暮らし、一生をここで終えることができたら幸せ」という住まい中心の生活環境を作ること。住まう、というのは建物だけでは成立せず、近隣、地域といった広がりのなかで成り立つこと。そこで、「コミュニティ」といった話になる。

那須はその最終形で、いまのところ考え得る「100年コミュニティ」で、私が生きたい場。一緒に創成した人達も「自分がこう暮らしたい」と願った場です。
那須の田舎の環境はどうも……という人や、大都会でコンクリートに囲まれていないと落ちつかない人も、田舎と都市の間が好みという人も、それは人生いろいろ。
万人に田舎暮らしがおすすめとは言えません。

しかし、近山は田舎がたまらなく好き(那須の夕景)

また、地域の歴史や環境によって、できることできないことはあることも承知。けれど、とにかく「私はここで暮らせるか、人生楽しめるか」はプロジェクトを創成するときの私の基本。そうでないと、プロジェクトに血が通わない感じがするんです。

プロの目でみた地域再生の資源

「暮らせるか、楽しめるか」と思ったとき、私にとっては田舎暮らしが性に合っていました。一方、事業として考えたとき、過疎化、田舎、何もない、という印象を持つ方の多い那須町。ところが、本来人間が生きていく上で必須の社会資源は、むしろ豊富にあると私たちは、すぐに見てとりました……まちづくりのプロですから(笑)

過疎といわれる那須町だからこそできた、多世代多様な人にとって暮らしやすい場。ここ、大事な点ですが、まずは一度といわず何度も、ご自身の目で耳で確かめに行かれてください。「那須まちづくり広場」を実際に体感いただくと、近山の拙文の意味をおわかりいただけると期待します。

いつでもウエルカム! 那須まちづくり広場(コミュニティカフェ「ここ」)

それで、です。
では、過疎地にメリットが多いなら、多摩ニュータウンにはデメリットばかりではないか? ということになります。都心でもなく、田舎でもないし……。ですが、あるんです。大きなメリット、資源が。なんでわかる? プロですから。

多摩ニュータウン地域には、那須にはない大きな資源がありました。それはなんだ? それは、次回に続きます。

コミュニティネットワーク協会では、多摩ニュータウン再生を目指す「多摩プロジェクト」の一環としての松が谷・愛宕地域の再生プロジェクトを進めてきました。コミュニティ、まちづくりにご興味のある方那須だけではなく今、多摩をご見学されると、ここからの私たちのプロジェクトの展開を歴史を進行形で体験できますよ。

近日、「コミュニティプレイス〈まつまる〉」では居酒屋をオープンします。日替わりママもいます。近山もママになる夜があります。怖い体験したい人は来て下さい。

では、また。

高齢期を生きる前に読んでいただきたい↓

https://japama.stores.jp/items/610b85100f9a2226de47122a


(20230226−19)


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