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【EDH】敬愛されるレンジャー、ミンスク解説【統率者神決定戦を終えて】

 統率者神決定戦、お疲れさまでした。

 統率者神決定戦に向けて調整していたトラテヴェか使い慣れたティムクラ、どちらで出るか迷っていたのですが一瞬の気の迷いでミンスクを選択してしまいました。結果的にこんなことになってしまってびっくりです。

1.デッキリスト

 MoxFieldのリストを添付しておきます(パーツ選択を試行錯誤した痕跡が残っているので参考になりそう)。

2.コンボルート

 《アカデミーの学長》からリクルートした《再誕のパターン》や、《自然の秩序》で《変幻の大男》を踏み倒し、《敬愛されたレンジャー、ミンスク》の起動型能力を《変幻の大男》を対象にX=0で起動することで勝利へ繋げていきます。

【パターン1】ヒバリループ
《変幻の大男》死亡誘発解決

《ウェザーライトの英雄、ジェラード》サーチ
※ここで任意の2マナ以下のクリーチャーをサーチできます。おすすめは《堂々たる撤廃者》。採用している場合は《ファイレクシアの破棄者》でもいいですね。《危険なマイア》をフィニッシャーにしている場合、サーチ可能なタイミングはここしかありません。

《ウェザーライトの英雄、ジェラード》死亡誘発解決
リアニメイトした《変幻の大男》死亡誘発解決

《霊体の先達》サーチ
リアニメイトした《変幻の大男》死亡誘発解決
※ここで任意の1マナ以下のクリーチャーをサーチできます。上記リストだと《ゴブリンの付け火屋》です。

《目覚ましヒバリ》サーチ
※ここでも任意の1マナ以下のクリーチャーをサーチできます。

《霊体の先達》を死亡させた後、《目覚ましヒバリ》の死亡誘発解決。
以後、パワー2以下のクリーチャーのEtBとPIGを任意回誘発可能。

【メリット】
《呪われたトーテム像》を回避可能。
⇒《大いなるガルガドン》《ゴブリンの砲撃》からスタートする場面において重要なポイント。これが《ゴブリンの付け火屋》をフィニッシャーに据えている理由です(モグの狂信者だとこの条件を満たせない)。

ルート中に《堂々たる撤廃者》にアクセス可能。
⇒《変幻の大男》の誘発解決を許せば9割9分勝ちであるため、このルートを知らない対戦相手が「見てから対処しよう」と考えた瞬間ゲームに勝つことができます。もし《フェアリーの忌み者》《天上都市、大田原》などの"手札誘発"でわからせてくる対戦相手を察知したら《堂々たる撤廃者》を先出しした後《ファイレクシアの破棄者》リクルートで100割勝てるようにしましょう。

【デメリット】
《倦怠の宝珠》で妨害可能。

【パターン2】サッフィーループ
《変幻の大男》死亡誘発解決

《ウェザーライトの英雄、ジェラード》《サッフィー・エリクスドッター》サーチ。

《サッフィーエリクスドッター》を《ウェザーライトの英雄、ジェラード》を対象に起動。その後、《ウェザーライトの英雄、ジェラード》死亡誘発解決。

《ウェザーライトの英雄、ジェラード》《サッフィー・エリクスドッター》《変幻の大男》が戦場に戻る。以後、《変幻の大男》及びマナ総量6以下のクリーチャーのEtBとPIGを任意回誘発可能。

【メリット】
《倦怠の宝珠》を回避可能。
⇒上記ヒバリループでは突破困難な《倦怠の宝珠》をすり抜けて勝利することができます。それぞれのルートが相性補完になっているわけですね(どちらも置かれた?除去を引こう!)。
・《サッフィー・エリクスドッター》の採用のみで構築可能。
⇒枠を1枚割くだけで弱点が補われるのは大きなメリット。《サッフィー・エリクスドッター》1枚の採用だけで確実に勝率は上がると思っています。
任意回数6マナ以下の生物をサーチ可能。
⇒《ゴブリンの付け火屋》で勝てない場合も存在します。一度体験したのは《領事の権限》。《波止場の恐喝者》で出る宝物が4個以上であれば、《波止場の恐喝者》《ウェザーライトの英雄、ジェラード》《サッフィー・エリクスドッター》の反復横跳びで対戦相手のライフが増えるよりも、宝物トークンが増えるペースのほうが早いため、ブーを対戦相手のライフよりも高いP/Tにしてフィニッシュ。君だけの勝利ルートを見つけ出せ!

※訂正※
その後チームメイトに指摘していただき、波止場カウント関係なくゲームセットまで持ち込めることが判明いたしました。以下にその詳細を掲載します。不勉強で大変申し訳ございません。

前提:《変幻の大男》任意回数誘発後、《ボガーダンの龍心》リクルート。

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【デメリット】
・《堂々たる撤廃者》をルート中に噛ませることができない。
⇒見てから対処、が可能なのが弱み。ヒバリループも《イーオスのレインジャー長》や《沈黙》で対話拒否してから《堂々たる撤廃者》を噛ませることが多いですが、サッフィーループだと《堂々たる撤廃者》先置きが半必須なため、要求札が少し増えます。
・《ウェザーライトの英雄、ジェラード》追放後は使用不可能。
⇒何らかのアクシデントで《ウェザーライトの英雄、ジェラード》をリアニメイト札として使ったり、ヒバリループ後ではこのルートに入ることができません。

3.このリストに込められた思想

 一言で表現するなら「対話したくない」に尽きます。理由として、EDHにおいて対話する回数が増えれば増えるほど負け筋につながると考えているからです。各種カウンターを構えて《タッサの信託者》《死の国からの脱出》を恐る恐る唱えるよりも、《魂の洞窟》指定人間や《放浪の吟遊詩人、イーサーン》から《堂々たる撤廃者》を強打する方が勝ち筋として"太く"ありませんか?
 当然これらの動きは遅く、《ロフガフフの息子、ログラクフ》をはじめとするAdNausに勝ち目のあるアプローチではありません。しかし、容易な2Tキルをきちんと牽制できる《織り手のティムナ》《トリトンの英雄、トラシオス》《リスティックの研究》などが率いるミッドレンジも今環境には存在しています。対話拒否を最重要視したこのデッキはミッドレンジの傘の下で靴を舐めることを念頭に置いて作成されました。当然万が一の事態も踏まえ《耳の痛い静寂》や《エメリアのアルコン》などの《法の定め》カードを採用していますが、最終的に《変幻の大男》を死亡させるための準備を優先したいため、いわゆるスタックスパーツはあまり数をとっていません。置いてるだけでは簡単に負けてしまうためです。一度スタックスを握った方には覚えがあるかと思います。基本は負けない程度で自分勝手にふるまいましょう。

4.キープ基準

【土地×2+マナ加速+《変幻の大男》にアクセスできるカード】
※及び、《変幻の大男》後に必要になるクリーチャーが手札にない。

 2回目のマリガンまでは、この条件を満たさない初手はすぐにマリガンして構いません。感情を挟んだら負けます(経験則)。どのみち《変幻の大男》用のゴミはボトムに送られるため、実質フリーマリガン回数が増えています。グレンゾ理論。
 3回目のマリガン以降は正直かなり厳しいため、ある程度ゲームが可能で《変幻の大男》につながるのであればキープで構いません。
 また、マリガンを繰り返すという理由から《金属モックス》《モックス・ダイアモンド》《宝石の洞窟》は不採用となっています。

5.以上を基にした統率者神決定戦準決勝補足

 公開情報は概ね配信に写っているため、ここでは非公開情報・思考判断を記します。もっと濃密な内容が書ければ良かったんですけどね……

 おそらく統率者神決定戦で勝ち上がってくるとは予想されていなかった《敬愛されるレンジャー、ミンスク》が、土地を3枚置いて統率者を出しただけでゲームが終わってしまい「こいつ何やっているんだ?」と思った方も少なくないでしょう。結果として負けに終わってしまいましたが、なぜ僕があの打ち方をしたのかを解説させていただければと思います。

【マグダ〇⇒ティムクラ⇒ログティム⇒ミンスク】

・着席直後のプランニング
 4巡目に安定してインスタントキルを仕掛けられるマグダに1番手を取られ、この時点で敗色濃厚だと感じていました(さんざん練習した結果、明確不利がつくと分かっているため)。また上家にむかつき有するログティムが座っていたため「僕の勝敗はティムクラに大きく依存するな」と判断。1~2Tリス研プレイをしてくれ~と祈りながらマリガンチェック。

・マリガンチェック
 見てから2秒で戻したため、フリーマリガンまでの手札は覚えていません。2回目のマリガンでは極楽鳥とセラの高位僧があったものの、土地が《観客席》しかなく緑の出る土地が引けなければゲームに参加できないと判断しマリガン。
 3回目マリガンの手札内容は
《魂の洞窟》
《マナの合流点》
《尖塔の庭》
《帝国の徴募兵》
《ミジウムの迫撃砲》
《輪作》
《霊体の先達》

でした。
 そもそも卓相性・巡目の時点で負けの可能性が濃いこと、理想手をキープできる保証がなく最低限のゲームプランの保証されたこの手札を捨てるにはリスクが高すぎると判断しキープ。万が一ゲームが停滞した場合や、1Tに1マナのマナクリーチャーか《魔力の墓所》、もしくは《波止場の恐喝者》や《アカデミーの学長》を引いてきたときに一気に手札が引き締まると判断しました。ボトムに戻したのは《輪作》と《霊体の先達》。この時点で負けの覚悟をしていました。

・ゲームセット
 その後は《変幻の大男》や《弁論の幻霊》(マグダ相手に置いたら差し込み!)を順調に引いて負けです。すべてが終わっていました。
 2Tに《ミジウムの迫撃砲》を《厚顔の無法者、マグダ》に撃てばテンポ損がなかったのでは?と思われるかもしれませんが、1T山クリプトマグダという動きに除去を撃ったところで向聴数にはさして関与せず僕のリソースだけを減らしてしまうため、まず勝てないと判断しました。あの場面はほかの二人に処理を押し付ける場面だったと思います。
 3枚目のセットランドで《魂の洞窟》指定人間の前後、少し考えていた時間があったと思います。あの場面は《ミジウムの迫撃砲》か統率者かで迷っていたのですが、
・《堂々たる撤廃者》を除去したらマグダの勝利が確定
・《厚顔の無法者、マグダ》を除去すればターンは返ってくるかもしれないが結果的に展開ができないため勝てない
と判断し、もしも奇跡的にターンが返ってきたとして勝てる確率を最大限に上げるために統率者のプレイに踏み切りました。結果負けです!以上が現場に座った時に僕が行っていた判断です。

 結果的にミンスクらしい動きが見せられず、非常に恥ずかしい思いをしています。予選6回ではキープ基準を満たしたスタートができていたのもあり歯がゆいです。でもカードゲームなので!仕方がないですね!!!

 試合後ケラケラ笑っていましたが内心すごく悔しかったです。笑ってでもないとやりきれないよ……

6.最後に

 統率者神決定戦をこの結果で終えられたこと、何よりも本人が一番びっくりしています。統率者神決定戦に向けてじっくり練っていた共闘たちを前日に投げ捨てた甲斐もあったものです(もしミンスクで負けたら「共闘最高!」と言うつもりでした)。他、ミンスクについて何か疑問がございましたらお気軽にTwitterのリプライもしくはDMまでお願いいたします。

 最後になりますが優勝した台さん、本当におめでとうございます。僕も嬉しい限りです。
 またここに至るまでに構築や調整に付き合っていただいた唯一のチームメイトや、今まで対戦していただいた方々には感謝してもしきれません。お世話になりました。本当にありがとうございました。

 これからも精進して参ります。

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