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「鹿のゲームのクラウドファンディング」で行った全てのこと

初めまして。「ごく普通の鹿のゲーム : DEEEER Simulator」開発者です。

個人でゲーム制作をしています。

あと数日で終了ですが、こんなクラウドファンディングをCAMPFIREで実施中です

今回は宣伝もかねて、このクラウドファンディングで行ったことを書いてみようと思います。

本当に全部書いたので、長いです。

【こんな人向け】
・クラウドファンディングに興味がある方
・何かを宣伝したい方
・何か売ってるクリエイターさん
などなど

クリエイター目線よりかはマネタイズの話なので、もし合わなそうであれば引き返していただけたら幸いです。
同じ境遇の方に参考にして貰いたいという気持ちが強く、かなり正直に書きました。なので印象が悪い部分もあるかもしれません。

文章を書くのが不慣れで、noteも初めて触るので、
荒いところは許してください🙇‍♂️‍♀

話したいことは沢山あるのですが、簡潔にまとめたいと思います。

始めます!

【クラウドファンディング事前準備編】

1. リターン設定

おそらく成功を左右する最も重要なところです。

【注意した点】
・1人当たりの平均単価
・価格設定 & コスト計算
・需要の漏れを無くす

◇ 1人当たりの平均単価

1人当たりの平均単価を上げる努力をしました。
そもそも想定される購入者の母数が少ないです。

・支援 / 買いたいと思ってくれる
・CAMPFIREにすでに登録している / 新たに登録してくれる
・PCを持っている
 (リターンがPC寄りなので。)
クレジットが使える年齢
 (決済はクレカとpaypalで8割を占める。)

これら全て満たしてる人を対象にしなくてはいけません。

なので薄利多売は厳しいです。単純に商品単価が低いクラウドファンディングの達成額は低く、高ければ高くなりがちな印象です。

実際に大きく成功しているクラウドファンディングは大体、1人当たり1〜2万円以上の支援がされています。本プロジェクトもそれらを参考にして1人当たり1万円前後にすることが出来ました。

◇ 価格設定 & コスト計算

価格設定は本当に悩みました。ファンディングとは言っても、
「純粋な支援よりも、商品に価値を感じて買う」感覚の人が多いようです。なので、コストを考えつつ付加価値を与える方法を探りました。

そこで出てきた案が、スピンオフゲームやクローズドβ版などのデジタルコンテンツを追加することです。購入者数が増えてもコストが増えることがないので良いです。(作る労力も考えなくてはなりませんが...)

値段についてはベタですが端数価格効果も使いました。2000円よりも1800円の方がかなり安く感じるというアレです。商品を”買う”感覚のコースで適応し、エンドクレジット出演コースや価格が高いコースなど”支援”感覚のコースには適応しませんでした。(宝石など高級路線の商品には端数価格が逆効果な結果もあるようです) 5980円とかでもよかったんですが、狙ってる感が強かったので控えました(正直)。

あとは類似プロジェクトのデータをひたすら集めて、Googleスプレッドシートを使ってひたすらシミュレーションを行い、納得いくバランスに調整しました。

◇ 需要の漏れを無くす
「100万円を出したい人がいても5万円までのコースしかないと損する。」
という単純な話です。

実際「25万円のコースなんて誰も買わないだろうけどあったら面白そう」と作ったコースに支援者が3人も現れ、支援総額の15%近くを占める結果となったので仰天しました。

100万円のコース作っとけばよかったんじゃない?とも度々言われますが、1人からそこまで貰った時のプレッシャーに耐えられる自身がなかったので作りませんでした。個人的には25万円でもかなり重いですが..

★ 売り切り商品のススメ
これ、ものすごく重要です!!
やはり売り切り(個数限定)のリターンは人気があります。

今回は少しだけ安い早割コースを設けましたが、早割があるだけで明らかに売れ易いです。なるべく得したい・買う前に売り切れたら勿体ないという気持ちは人を動かします。

特に高額なリターンは購入者数も少ないので、とりあえず限定にしておくと良いかと思います。今回は、個数限定のコースを1つしか設けませんでしたが後悔しています。クラウドファンディングの仕様上、既に購入者がいるリターンは編集は出来ないので後悔することが多いです。

※限定個数を絞りすぎても損をするので要検討

2. いくら手元に入るか

気になっている方が多いと思います。

(CAMPFIREの)手数料は決済手数料含め17%
物品のリターンのコストなどを含めると手元に残る金額は6〜7割、
そして(物を販売しているのと同様に)税金もかかります。

なので、半分は消えると思って取り組まないと死が待っています。

費用以外にも連絡、リターン製作、配送 もあります。
「宣伝になるからいっか〜」くらいのノリでやるとヤバイです。

All-or-nothing (目標額を達成しないとお金が入らない)方式にして、十分な資金が集まらなければそのまま辞めれるようにするのがリスクヘッジになると思います。

リターン品は発注数によって費用も変わるのでそこも注意です。
私は最小ロット500個のサウンドストラップを注文したので、めちゃくちゃ余ることになりました。どうしよう。画像1

3. ページ作成 

ページ作成はプロジェクト毎に大切なことが分かれると思うので、ざっくり汎用的なものを書いておきます。

気をつけた点
・トップの動画・・・必須
・画像比率・・・文:画像 = 1:1 くらいの画面比率だと読みやすい

それとメールアドレスなどの連絡先を載せておけば良かったです。「連絡先が分からなかったのでTwitterアカウントを特定して連絡しました」とよく言われました。CAMPFIREのページ自体にもメッセージを送る機能があるのですが、なぜかあまり使われません。

4. 運営の方にめちゃくちゃ聞いた

ページが大体完成したあと、CAMPFIRE運営に直接問い合わせました
「全体的な印象はどうか、重大なミスをしてないか、価格はどうか、
いつ始めたらいいのか、etc...」
など、普通なら「そんなんこっちが知るか!」と返されかねないだろう質問をダメ元でしたところ、

全部返ってきました。

ざっくりした回答をもらえたら良かったんですが、全てにしっかりした回答が貰えてめちゃくちゃ助かりました。
不安なところがあったら一度聞いてみることをオススメします。

以下、汎用的に使えそうなアドバイスをざっくりメモしておきます。

・トップ画像は画だけでなくテキストを入れるべき。
  (画像だけ出回ることが非常に多いです。)
・検索を意識したタイトルにする
  (CAMPFIRE自体のSEOが強い)
・開始時間は20〜22時がベスト 
・初めと最後の日は平日の夜が良い 
  (休日はPCを見ない)
・給料日で財布緩みがちだから月末推奨
・事前準備が超重要

5. 期間設定

成功するプロジェクトの期間は1ヶ月〜1ヶ月半というデータがあるらしいです。ですが私はクラウドファンディング中に色々試したかったので2ヶ月にしました。

2ヶ月で良かった点
・やることが無限に出てくるので余裕が出来た
・月末は伝えやすい
・月末to月末なので給料日をカバー
・取材などが1ヶ月後あたりに増えてきたので、ファンディング中に掲載して貰えた
・Twitterへの投稿など色々試せた

2ヶ月で悪かった点
・疲れました

また、すでに一定数のファンがいるなら、鳩羽つぐのクラウドファンディングみたいに10日間で短期決戦するのも良いのかもしれません。

ゆるゆりのファンディングも1日で5000万、最終的に9000万を達成していたので1日で半分以上集まるほどの人気があれば、短い方がより効果的だと思います。

自分の場合、知名度がないのでクラウドファンディング中に告知を続けてじわじわ支援金を上げていく作戦にしました。

6. プレスリリース

プレスリリースの有料サービスなどを使わず、全て手入力で送りました。
(メールや、問い合わせフォームを探し回りました)

ゲーム系、エンタメ系問わずひたすらに送りましたが、かなり効果がありました。(取り上げていただけたサイトはこちらです)

クラウドファンディング開始に合わせて公開するようにお願いしました。一番最初が盛り上がらないと成功しにくいので必須です。
有料サービスを使えばもっと簡単にできそうなので、それも良いかもしれません。

7. 鹿の公式LINE

鹿の公式LINEを作り、開始一週間前に友達を募りました。


なんやかんや当日までに友達が500人を越え、開始と同時にメッセージが飛ばせたので、そこそこ役に立ちました。

手軽にできるのでオススメです。

8. Twitter事前告知

告知しました。画像2

開始直後でどれだけ集まるかが人気の指標になります。人気であればメディアも取り上げやすくなるので重要です。

【クラウドファンディング開始後編】

《「どれくらい効果があったか」を5点満点で評価していきます 》
 ※あくまで当プロジェクトでの効果です。

9. 1日で目標金額を達成(5点)

最初の目標金額は300万円でしたが、実を言うと「目標金額が低い方が達成%が高く見えて良い」ということで100万円に設定していました。これがとても丁度良い金額で丁度24時間後に100万円を超えることが出来ました。

「初日で目標金額を達成」
これは結構良いイメージがあったようです。各ネットニュースでもそのことが触れられ人気ある感じが出ました。
例えば、目標金額が200万円で2日で達成の方が数字的には凄いですが、「初日で達成」の方がインパクトがあって取り上げやすいイメージがあります。

そもそも大多数の人にとってクラウドファンディングの相場は分かりにくいです。なので何%達成というのは理解しやすい指標になると思います。
(実際、リプやニコニコ動画のコメントでも%で話題になってました)

※勿論目標金額が低いリスクもあるかもしれません。達成後に伸びにくい、注目度が落ちる、など。

ちなみにアクセス数は、
初日(20〜24時)が7387、翌日が18025
といった具合でした。

10. クローズドβ版表記の追加(4点)

リターンの画像を少し変更しました。

(変更前)画像3

(変更後)画像4

クローズドβ版が付くことはテキストで表記していたのですが、当初は画像で表していませんでした。ただ丸βを加えただけですが結構違うと思っています。

リターンは画像で判断されています。
実際にページを見てもらうと分かると思うのですが、10種類くらいリターンが用意されていると毎回文字なんて見てられないんです。

なので、ちゃんとβもあるよっていうのをアピールしました。
できる限り貰えるものは画像に詰めた方が良いと思います。

そしてこれが一番重要な点ですが、スマートフォンでページを見ると「↓もっと見る」ボタンというものがあります。このボタン、存在感が薄いみたいで友人や知人に見せると結構な確率で気づかずにスルーされてしまいます

↓スマホ画面
画像5

そしてスルーされると何が起きるかというと、本文が表示されず、リターンしか表示されません。なので、リターンに関する画像は力を入れておくのが吉です。(CAMPFIREでの場合ですが)

11. Twitter広告(5点)

Twitter広告を試しました。

クラウドファンディングのグラフは、
 1. 最初ガーンと上がる
 2. そのあと緩やかになっていく
 3. 停滞期
 4. ラストスパートかけ上がる

がデフォルトな気がするのですが、当プロジェクトのデータを見ると、画像6停滞させずにずっと右肩上がりに来ています。

というのも丁度300万円に来た辺りでTwitter広告を始めたのが大きな理由だったりします。

◇ Twitter広告はコスパが悪い?
個人が単純に告知ツイートを広告すると、採算が合わずに直ぐ資金が溶けてしまいます。ですが割と良い使い方が分かりました。

それは、バズの潤滑油として使用することです。

つまり、RTされやすいツイートでプロモーションを行えば
それだけ獲得単価が安くなるんですね。
(それを仕事にしている人には当たり前の話かもしれませんが。)

実際に↓のツイートは有難いことに伸びてくれたので、Twitter広告を打った効果が感じられました。(というかこれ以外広告を打ってませんが...)
  画像7

バズの潤滑油なんですが、これって例えばフォロワーが少ないクリエイターさんでも気軽に「自分が作っている物のポテンシャルを測る」ことができるので、かなり便利だと思います。

RTいいねが決して全てではありませんが「1万インプレッションくらい出ても全然RTされない」とかならフォロワー数以外の問題であることが分かります。

※ただしプロモには変なリプが湧きます。黒塗りの高級車に当たって砕ける覚悟で臨みましょう。

あと料金ですが、日本だと1クリック2〜3円でも結構消費してくれるのでそこまで高くつきません。

◇ 赤字に注意
広告で赤字になっては本末転倒なのでしっかり計算した上で行いました。よく物品のコストでミスって最終的に赤字だったという話も聞くので、失敗すると怖いです。

★ 動画カードのススメ
twitter広告には「カード」と呼ばれる機能があります。このカードという機能は、画像や動画などをクリックすると設定したURLに飛ばしたり、動画を観ながらURL先を表示してくれたりします。(あとはアプリに飛ばしたり)

↓先ほどのツイートもこのカードを使っています。画像8

プロモツイートでよく使われていているので、一度は目にしたことがあると思います。ですがこれは個人でも、広告を出さなくても、簡単に作ることが出来ます。

動画を見ると同時にページが開かれるのでPV数が上がります。
2/19あたりから動画カードを使ったツイートをしたので、その効果がよくわかります。
画像9

ただ動画を見るためにクリックした人が大半なので、通常のPVとは重みが違いますが、URLを貼っただけよりも効果的です。

※その分プロモツイートだと思われるので拡散されにくくなる印象です。

◇TLに流さなくても出来る
これも良いところの1つですが、プロモツイートはタイムラインに流すことなく呟けます。ツイッターでずっと広告のような呟きをしていてもフォローを外されたりミュートされたり流入が減ると思われるので便利です。

逆にプロモツイートをRTしてTLにあえて流すことも可能です。同様に固定ツイートにも出来ます。プロモで反応をみてからTLに流すのも手です。

12. ニコニ広告 (4点)

今回初めて使いましたが、ニコニ広告って結構面白いです。

1000円からでも上手く使えばマイナーなランキングのトップに行けるかもしれません。ですがいくら広告しても伸びない動画は伸びずポテンシャルに大きく左右されます。先ほど話したバズの潤滑油と同じ感じです。

13. YouTube広告 (0点)

視聴単価などコスパが悪く、最低入札価格も高かった気がします。
上手く使いこなせませんでした。

14. Facebook広告 (2点)

Twitterほど拡散されることも無く、使いこなせませんでした。

15. Google Analytics (3点)

トラッキングURLでどのウェブサイトから来たかわかります。
プレスリリースの効果等も測れるので最初から入れれば良かったです...

実際これで流入を見ると「〇〇がどれくらい効果あるから〇〇に力を入れよう」みたいな指針がわかるので大事です。

16. 実況キャンペーン (4点)

当たり前ですが、ゲームがないとゲームは実況して貰えません。
ゲームは実況者さんの影響で流行ることが多いですが、本作はまだ遊べるようなデモ版がありませんでした。

そこで考えたのがPVを実況してもらう企画です。

デモ版がなくてもゲームキーをプレゼントする企画ならPVを実況してもらえる!と。思いついたときはかなりテンションが上がりました。

実際に50人近くの応募があり、チャンネル登録者数の多い方にも実況して貰えたので良い宣伝になったと思います。

そして何よりもUPされた動画が面白かったです。PVに実況なんて難しいだろうと思っていましたが、流石YouTuberは格が違いました...

おすすめです。

また、こういった企画には期限を設けることが大切です。締め切り直前で全体の半分以上の応募がありました。締め切りがない場合では、じわじわと応募者が減るだけなので宣伝が難しい印象です。

17. ストレッチゴール (5点)

ストレッチゴールが無いと「もう達成してるし支援しなくていいか」となってしまう気がしたので頑張って設けました。が、ストレッチゴールそのものには効果を実感出来ませんでした。

しかし1つだけ、効果を実感出来た企画があります。

それがこれです。画像10

総額9800円以上お買い上げでラバーストラップをプレゼントするストレッチゴールを作りました。これを設けてから1人当たりの購入額が上がったの実感しました。おすすめです。

※勿論ラバスト代の費用もかかるので計算しないといけません。

18. LINEスタンプ (1点)

ゲームに登場するキャラのLineスタンプを発売しました。
実は2ヶ月前にゲームとは別に作ってアップロードしたものでしたが、せっかくなので登場させました。

2000RTくらい行きましたが利益は総額1万円以下です。
LINEスタンプのレッドオーシャンさに引きました。

19. サードウェーブさんからのご支援 (5点)

あのドスパラやGALLERIAのサードウェーブさんからお話が舞い込んで来ました。これも心底びっくりしました。そして誰も買わないと思っていた特大クレジットコースで支援して頂きました。今後もご報告があると思うのでお楽しみにしてください!

20. 「I AM BREAD」 コラボ (5点)

めちぇくちゃ驚きました。ゲーキャスさんのインタビューを受けたので詳しくはそちらで。

21.このnote (?点)

本当はクラウドファンディング終了後にnoteで振り返り記事を書くつもりでしたが、終了前の方が宣伝になるんじゃないか?と思いこの記事を書きました。果たして効果は一体あるのでしょうか。

良かったらページ↓だけでも見て欲しいです!


あとがき

いかがd.. どうでしょうか、、
正直に全部書いてみました。感想を貰えたら嬉しいです。(Twitterなどでシェアして貰えればと...)

自分がクラウドファンディング始める前に知ってたら良かったなぁ、というものを全て書けたと思うので、誰かの参考になれば幸いです。

最後に

支援してくださった皆さま、フォロワー皆さま
いつも適切なアドバイスをして頂けるCAMPFIREの河野さま
Twitterで引用リプして頂いた奈良市長さま
本当にありがとうございます。

今後とも「DEEEER Simulator」をよろしくお願いします!

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