ひろゆき氏と沖縄米軍基地と国家の安全保障と住民の平穏な生活安全保障と
少し前のアベマTVで話題になった沖縄米軍基地の「座り込み抗議」
ちょろっと聞くと、
「座り込みって聞いたら、バリケードを築いて団結小屋でも建てて交代でずっと人がいるって気がするよね。1日3回工事ダンプを止めに10分程度、座り込むってのは違う気がする」
「3000日以上、つまり8年以上、沖縄の強い日照りの日も雨の日も風の日も台風の日も反対表明をしてきた。大型軍用ヘリコプターが町中に墜落されると生活が脅かされるし、あいつら謝りもしやしねえ」
どちらも一定の説得力があるし、どちらかが間違いだと断ずるのもできないのでは無いでしょうか。
さて、ではこの齟齬は何なのでしょう。お互いに相手は話の通じない文明の何たるかを理解しない野蛮人だと思っているからってのはここでは言わないお約束にしてください。話が終わってしまいます。
配信中にもちょっと引っかかったのですが、ひろゆき氏と沖縄タイムス社の阿部氏との会話にその手がかりのようなものを見つけました。
動画を貼る訳にもいかないのですが、幸いにもツイッター上にて再戦が行われていたので引用します。
僕も保守派を自称している人間なので、ひろゆき氏の主張は分かります。
主張の根っこは「アメリカもロシアも中国も虎視眈々と勢力範囲(あわよくば領土)を広げようとする覇権主義国家。そこから日本をどう守るか」を出発点にしているんですね。
アメリカはWW2以降、今でもパクスアメリカーナの亡霊を引きずっているし、中国はウイグル・チベット・内モンゴルはいうに及ばず南シナ海での海底油田で日本の利益を侵害してるし、ロシアはああだし。
なので、「沖縄から米軍&自衛隊は出て行け」は、「中国に利する」に直結します。
発言の根っこが「日本の防衛」に関わる話で、まず抗議運動に反対だからあのような挑発的な態度の発言になったのでは無いでしょうか。
※IFとして、米軍基地が利尻島や礼文島にあったら「米軍基地は出て行け」は「ロシアに利する」になっていたと地理的に思われます。
他方、阿部氏は「沖縄への寄り添い」を徹頭徹尾主張していました。
革新勢力は良くも悪くも「連帯」がキーワードですし、「被害者や弱者に寄り添う」は近年の流行りですしね。おかげで弱者を強く主張した方が厚い手当を受けるので、本当は強い立場にいる奴が弱者を主張して利益を受けてる姿を見るとウンザリします。話題になっていると見るや、沖縄にわざわざ機動隊に排除されに行ったお前のk(以下自粛「アメリカの基地の負担を戦後ずっと負い続けている沖縄」は、極端なことを言えば敗戦のツケを払わされている状況です。
米兵が犯罪を起こしても、日本で裁判できずに本国に送還され真実どころか処罰も分からない。これでは主権国家とはいえないですね。
少なくても、東京の政治家が思う「良き隣人論」を実現するためには、日米地位協定の治外法権部分を完全に解消しないと実態と乖離し過ぎでしょう。
そりゃあ、裁判を日本でやらないとなると勝手するよ。本国に逃げれば罪が軽いか上手くいけば問われないんだもん。普通の対等な同盟国なら相手国への儀礼上、軍事法廷って一般には罪が重くなるものなんですがねえ。
日米修好通商条約の撤廃に闘志を燃やした明治の政治家に習ってもらいたいものです。
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翻って、今回の一件。
話が完全に噛み合ってませんでした。っていうか、ひろゆき氏は例によって相手を小馬鹿にしたような話し方をずっとしていて見て気持ちの良いものでは無かったし、阿部氏は相手の話を捉えようとせず自分のしたい話ばかりをしている印象でした。
正直、相手の揚げ足を取ることに関しては五十歩百歩だと思いますが、どちらにしても「座り込みかどうか」の国語的な問題は表層事項に過ぎません。国土防衛と住民生活の安寧の対立をどう消化するか、という観点のお話が聞きたいところでした。
ニュースがネット上の消費財とされて久しいですが、何らかの進展を望んでやみません。
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寡聞にして存じ上げなかったのですが、大空幸星氏の発言には頷けるところが多かったです。「今まで傍観者でいた第三者を巻き込んで仲間を増やす視点」が足りないのですよね。
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