日本国内の乗用車が全部EVになったら、CO2はどの位減る?

菅首相が2050年までにCO2ネット排出量0にすると宣言されました。また、小池東京都知事は2030年までに純ガソリン車の東京での販売を禁止することで調整に入ったとの報道もあります。これって「CO2削減」にどれくらい効果があるのか?ということでちょっと試算してみようかと。

日本国内で販売されている「ガソリン」の量ですが、令和元年度「自動車燃料消費量統計」によると、年間のガソリン消費量が49,499千Kl、ガソリン車の走行距離が619,145百万kmだそうです。ここから単純に燃費を計算すると12.5km/Lということになります(あくまで平均)

年間ガソリン消費量49,499千kLが排出するCO2の量は、原単位2.322 kg-CO2/L(「特定排出者の事業活動に伴う温室効果ガスの排出量の算定に関する省令」)から計算すると、114,936,678 t-CO2/年 ≒1.15億t-CO2ですね。

では、これらのガソリン車が全てEVになった場合。前の記事から4km/kWhとしてみましょう。ガソリン車の走行距離が上述のとおり619,145百万kmなので、EVに置き換わった場合の消費電力量は154,786 百万kWhと推定されます。

この154,786 百万kWhはどのくらいのCO2を放出するのか。ここで東京電力の2019年CO2排出量原単位(0.441kg-CO2/kWh)を使って計算してみます。東京電力の原単位を使う理由は、原発が全く動いていないので、ほぼ火力発電と一部水力発電、更にFIT等の再エネ電源が前提なので、わかりやすいと思ったからです。
計算の結果、ここから排出されるCO2の量は68,260,736 t-CO2/年 ≒ 6,800万t-CO2/年

上述のとおり、ガソリン車が全てEVになったら(いつなるのかは置いておきますが)、今の発電原単位であっても4,667万t-CO2削減されることになりそうです。全てEVになるのが仮に2035年(まだ無理かなぁ~)として、そのときのCO2排出量原単位が今より上がっていることは無いでしょうから。CO2の削減効果は更に上がることになりますね。

ちなみに日本のCO2排出量は年間11億3800万t。家庭部門の排出量はその4.6%(5,235万t-CO2)。家庭から排出している量に近いCO2が削減されると試算できます。

あくまで個人の意見です。EV製造時のCO2排出量がどうとか、色々議論があるので。

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