中国の老後
中国の2014年末時点における60歳以上の人口は2.12億人を超え、全人口の15.5%を占め、35年後の2050年には60歳以上の老齢人口は4億人を超し、全人口に占める比率は30%を超えて、世界で最も高齢化が進んだ国となるだろう。
養老年金の原資不足は15年後の2030年には4.1兆元(約82兆円)に達し、35年後の2050年には6.1兆元(約122兆円)に達する。
2014年末時点における基本養老保険の比較
企業職員基本養老保険 | 都市・農村住民基本養老保険
累計残高 3兆1800億元 | 3845億元
加入者数 3億4124万人 | 5億107万人
平均支給月額 2061元(約4万1000円)| 90元(約1800円)
(出所)中国社会保険発展年度報告(2014年)
中国国内の就職戦線は熾烈な様相を呈し、失業者が増大し、就職できない新卒者も増大している。こうした状況下で、定年年齢の延長を行えば、本来ならば定年によって空席となるはずの職場が定年延長者によって占められることになり、失業者は就業機会を奪われ、新卒者は求人数の減少に泣くことになる。
だからと言って、定年年齢の延長を行わなければ、年々増える定年退職者により養老年金の累積残高は毎年減少し、最終的には年金制度そのものが破綻することは不可避となる。
それにしても、5億の老人が月1800円で暮らす未来とは、想像を絶する悲惨さである。
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