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京丹後市における民間風力発電事業に関して

ご存知の方もそうでない方も、電気を使っている方みなさんに関係があるように思います。
テレビ等でいわれる「ゼロカーボン」や「再生可能エネルギー」を考えるとき、それが開発される地域のことはどのように捉えられているでしょうか。
昨年来、2つの民間企業が京丹後市で風力発電開発を計画しました。
この計画に関して、地球全体の環境影響のこと、地元での環境影響のことなど、論点は多様です。

京丹後市としては、民間の開発事業については「美しいふるさとづくり審議会」を立ち上げて意見を作成しています。
また、エネルギーに関する全体論としては、“ゼロカーボンに向けたロードマップ”の作成によってビジョンを描こうとしているところです。
今回はロードマップではなく、丹後町エリアでの前田建設による風力発電計画への意見についての話です。
(ここからが本題です。長くなりますが最後まで読んでいただけると嬉しいです。)


この風力発電事業は市の事業ではなく、前田建設という民間事業でのことで、「環境アセスメント」という法律の手続きがあります。
環境アセスメントは、開発までに複数の段階で自治体や国が事業に対して意見するものです。
目的は開発事業による重大な環境影響を未然に防ぐためです(環境省より引用)

京丹後市が示せる3回の意見書のうちの1回目が21日に京都府に出されます。
この1回目の京丹後市の意見を出すにあたって、地元の方や専門的な有識者の方を委員にした「美しいふるさとづくり審議会」から17日に京丹後市長宛に答申が出された、というのが現在地になります。
(1/20に書いてます)

この答申をもとに、市長が京都府に対して意見を出すというのが法律上の手続きになります。
それが民意を反映しているか、将来的な市民のためになるか、ということが市長の意見に対し問われるところです。
ただし、この意見書は市議会で事前に議決するモノではなく市長の権限で内容が定められます。
(議会としては「美しいふるさとづくり審議会」によって幅広く意見を求めることに賛同しました)

こういう複雑な状況だからこそ、オープンにして多角的な視点が必要だろうと思っていて、この投稿をしています。
投稿の最後に、前田建設による環境影響配慮書と、それに対する「美しいふるさとづくり審議会」からの答申のリンクを貼っておきます。
それぞれちょっと頑張らないと読みにくいですが、再エネ事業の実態や京丹後市での生活環境について記されています。

最後に改めて強調すると、この答申は環境影響への懸念を示すためのものです。
地元自治体によって懸念を開発前に事業者に伝えることで、開発による重大な環境影響を未然防止するのが目的の法律的な手続きです。
僕の解釈は「こういった懸念を払拭した上での事業にしてください」という条件を示すようなもので、これ自体が賛成反対を示すものではないと思っています。

むしろ賛否に関する条件を示すもので、実現可能であれば実施、不可能であれば撤退になるものだろうと考えていますし、この懸念が払拭されたかどうかによって最終的な市のスタンスが決まるものだと思っています。
つまり、具体的であればあるほど事業者にとっても住民にとっても望ましいものだと思います。

そして、僕のSNSは京丹後以外の方にも見ていただいています。
この開発計画は丹後エリアを上流にして大阪や京都への送電も予定されています。
僕たちが使っているエネルギーは、どこかのなにかを費やしています。
少なからず僕たちひとりひとりの暮らし方を見直すことが大事だと痛感します。


○「美しいふるさとづくり審議会」から京丹後市長に出された答申



○前田建設工業株式会社による計画段階環境配慮書

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