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2,短距離男道ミサイルさんの演劇の構成|【短距離男道ミサイルの魅力】

『仙台・東北に根差した作品性を大切に、各シーンの爆発力・瞬発力で勝負していく特異なスタイルにより生まれた作品群は、
「テンションとエモーションにおいて世界レベル」と評され、仙台のみならず全国的にも高い評価を得ています。
※若手演出家コンクール2013(主催:文化庁/一般社団法人日本演出者協会)最終審会にて総合演出・澤野正樹が東北在住の演出家として初となる優秀賞を受賞。
福岡国際コメディ演劇フェスティバルにて「コント部門特別賞」を受賞。』
(HP:http://srmissile.wixsite.com/missile/about より抜粋)

 劇団員の人数状況に応じて、12人構成や3人構成、舞台装置の大きさなども様々であるが、3人だからといって迫力が劣るわけでもなく毎回の舞台が圧倒的な迫力を有している。作品ストーリーは、「人間失格」や「走れメロス」「リア王」などの文学作品をもとにしたパロディのような内容だが、いくつかのシーンで構成された作品全体はただのパロディではない、全く新たな世界観と短距離さん独自のメッセージにより完成されている。
 各シーン毎に役回りが変わったり、世界観が変わるため、観客は飽きることなく、彼らのテンションとエモーションの展開に引き込まれていく。
 ほぼ全ての作品では非常時のシーンが盛り込まれており、そこでは暗く証明が落とされた中にビビッドカラーのネオンが飛び交い、怪しげな覆面達がカラーボールで悲嘆にくれる主人公を攻撃したり、顔が平常でないおじさん達がこどものおもちゃでガチャガチャと遊び狂う、馬の覆面の神々が盆踊りをしている、などのカオス状態が表出する。
 それ以外も含め様々なシーンが複雑に構成されているが、役者、照明、音響の効果で、シーンの意味について理解が促され、置いてけぼりになる観客はいない。むしろ目で追うことに必死に、かつ一瞬一瞬を見逃したくない、という気持ちにさせられる。

※↑カオスなシーンの一部。短距離男道ミサイル13発目『F/O』より。


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