南予を旅したらとても好きになった記録2 〜下灘駅編〜
【前回までのあらすじ】「憧れの南予旅行をひとり楽しむ鳴崎。だな、逆の電車に乗るというトラップにかかってしまう。近づく夕暮れ。本当に夕暮れの下灘を見ることが出来るのかーー!?」
■伊予大洲
本当は内子→伊予大洲→下灘も考えていた。
だが乗り間違いにより、下灘に行くには大洲観光はできない時間になってしまった。
(大洲観光は明日にしよう)
次の下灘に行く電車は一時間後です、と書かれていた。
一時間後……。お昼もちゃんと食べてないしお腹がすいたな! と駅の周りを見たのだけど、今日は(この日に限って)開いているお店が少ない。
少し歩くと、スーパーやブックオフがあったのでブックオフに入る。よく考えるとスーパーでパンとかお弁当を買えば良かったのだけれど、まだ「どこかのお店に入れるのでは……?」という希望を捨てきれていなかった。そういう甘いとこだぞ。
ブックオフ。
わざわざ、愛媛で入るブックオフ……?
持ってきた本も殆ど読んでいないのに?
と思いながら、こちらがブックオフのガチャガチャで出会った「エジプト神(愛媛産))」です。
はい、うさぎかわいいー。よかった。
その後、駅前に戻って少しまわりを見るも、「多分ちょっと違う方向に行けば食べれるところはあった。もう間に合わない」というちょっと悲しい現実がわかったくらいで、駅前の観光案内所でお菓子やサイダーを買って時間を過ごす。
柑橘系の飲み物とかが多い。一日パスは、行くところによりますが、特急乗る人はもっとお得かもしれない。
■予讃線(海)と下灘駅
17:09 伊予大洲発 - 17:50 下灘着
憧れの予讃線(海)。
基本的に、予讃線(特に普通)は地元の方の通勤通学等のための電車です。
夕方なこともあって、多くは学校帰りの高校生。ただし、そんなに混んではいない。
単線。片側は山。
反対側は川から海へ、車窓の景色が劇的に開ける。
(同時に地元の高校生にとっては当たり前の景色でもあるので、寝てたりスマホしてたりもする。当たり前なのってすごい、と思う)
この日の愛媛の日没時間は18:04。
電車に乗っている間は、小さな波の先が光って見えた。
日が沈んでいく。
いいなあいいなあ! と下灘駅に対する期待があがる。
勿論、そこでひとりだとは思わないのだけど。
17:50 下灘着。
はーーーーー。ここがいちばんびっくりした。
いや、内子とか大洲とかは、観光地の気持ちでいた(まっぷるに載っていたし、町ので)。
でもそちらには人が少なかった。
けど、下灘駅はそうではなかった。
基本的には下灘駅は、ごく小さな無人駅だ。異常に景色がよく、海が見えて素敵な無人駅。
その下灘駅が、まさか、ここまでで「いちばん混んでる観光地っぽい」感じだとは。
電車は少ないので、車で来る人もいる。
天気が良くて夕陽がとても美しい日だったので、より人が多かったのだと思う。
入れ替わり立ち替わり、小さな無人駅に数十人。
カップルは(カップル同士で)交代で写真を取り合っている。
静かに、景色を楽しむ余裕はそこにはない。
えーーーー!!
という気持ちと、そういう私もただの観光客なので「みんな見に来たんだから、周りにとっては私も邪魔なひとりだよな」という現実がある。笑
そもそも誰のものでもなく、あえて誰のものかというなら地元のひとだろう。
でも、えーーーーー!!!! という気持ちはあったので、この時点では「今回の旅のメインを『下灘駅限定』にしなくて本当に良かった」と思っていた。
次の松山行きの電車は19:35。
伊予大洲に戻る逆の電車はその前にも来るけれど、そちらを回っても松山着は20:30近くになる。
どちらもわかっていたこととはいえ状況的に迷った。けれど、私は最初の予定通り、そのまま駅にいることにした。
夕陽が沈んでいく。車で来た人は、帰っていく人も多い。
少し夕陽が変わるだけで印象が変わる。
物が影絵になったり、蛍光灯がつくと別の駅のようだったり。
暗くなるころには、さっきまで見えていた海はぽっかりと暗い。
あれは星。
あれは伊予灘の島とかの光。
あれは飛行機。
みたいなのを見る。
真っ暗になる頃には、私も含めて三人くらいしか人はいなかった。
ああうん、たくさん見れて良かったなあと思った。すぐ戻らなくて。
そのときには、このずっと座っていた時間が、とても静かで得がたいものだったなあと思った。
来てよかった。本当に。
なお、この頃いろいろと考えることがあって、「こういうところで一時間ほど考え事をすると何か違うのでは」みたいに思ってここに来たのだけど別にそうでもなく、ただ「来たい場所に来れて、結局はとても好きな場所で本当に良かったな」という気持ちだった。
・・・・・・後半、めちゃくちゃ寒くておなかすいてましたけども。
19:35 下灘発 - 20:21 JR松山行き
暗い中を電車が来たときの、ヘッドライトの灯りの安心感がすごい。
わーいと思って夜の電車に乗り、夜の海を見て、夜の松山に帰った。
■**夜の松山 **
20時半前に松山駅に帰り着く。
め、めちゃくちゃ身体が冷えてるじゃん!!
ということで、そのまま路面電車で道後温泉を目指す。
道後温泉はとにかく本館が工事中。
本館の外観はすごいし神の湯は入らせてもらえるんだけど、二階の休憩室とか、霊の湯とか、展示室的ななにかとかは工事中で入れない。
けど勿論お客さんは多いよね!
……ということは前日ライブ前に行って知っていたので「別館 飛鳥乃湯温泉」に。
こちらも本当は休憩室とかある。けど、「21時に道後温泉駅着、22時にはホテルまでの路面電車がなくなるぞォ!」ということをチェックしたのでとりあえずお風呂のみ。
別館の方が広い(道後温泉本館に関しては「広いかどうか」とかいう問題ではないかとは思うけど……)
あと、観光とかじゃなくて単に芯からすごくあったまったので、まっすぐホテル帰らなくて本当によかった!!
そしてホテルのあたりに帰りました。
「松山のあたりは飲み屋さんが多い」というお話は聞いていて、多分ホテルの周りがその地域だったのだけど、割と「値段が書いていない」お店が多かった気がする。
書いていなくてもいいんだけど最初に入ったお店であまりうまくいかなかったので、結局そのあと「一風堂」でラーメンを食べた。
それ、東京にもある博多ラーメンのお店じゃないですか-! 愛媛にきたのにーー!
でもやっぱりあたたかいものを安心して食べるのは良かった。次回は食べ物をちゃんと調べていきたい。
ホテルに帰って歩数を見て驚く。腰痛になって以来、こんなに歩いたことはなかった。
私は回復している。普通の人と同じまではいかないけれど。そういうのを確認できるのも嬉しい。
翌日は夜に東京へ帰るけれど、わくわくして、すぐ寝た。
長いけど続きます。
次回は大洲編です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?