南予を旅したらとても好きになったという記録3 〜大洲編〜
情報量の多すぎる、かといって時間は至極ゆっくりと穏やかに流れる旅行も二日目を終え、三日目(最終日)。晴れ。
体力のない私はばてていてもおかしくない日程だが、なんの脳内物質のおかげかばてていなかった。
この日は昨日見れなかった大洲に向かい、夜の飛行機で東京に帰る。
■萬翠荘
なぜか早く目が覚めたので、松山市を出る前に「萬翠荘」へ。
「これが絶海の孤島にある洋館なら……絶対に殺人事件が起こる!! じっちゃんの名にかけて!!」というような(すみません……)、絵に描いたような立派な洋館。
洋館に対する偏見がすごい。
↑正面階段。
一階だけ見学させてもらう。
大きな鏡が「暖炉のうえに」ある。
これは「(姿を映すためでなく)光を取り入れるのと部屋を広く見せるため」にある鏡だそうだ。すごい!
建物に描かれている絵の説明に「○○という画家の作品で・・・・・・」というのは私はよくわからなかったのだけど、「森永ミルクキャラメルのパッケージもデザインした人です」の説明で「し、知ってるーーーー!!」ってなった。残り続けるデザインのよさよ。
■伊予大洲へ
10:20 JR松山 - 11:30 伊予大洲(予讃線(山))
昨日と同じ時間の、同じ電車。
かといって楽しめないことなどあろうはずがない。ちょっと愛媛のガイドブックなど見ながら、今日は何があるだろうと思う。
そして途中で、ふと思いつく。
「あっ、この瑞龍寺っていうところに行きたいな?」
……そういう! ところだぞ!
そういうところですね。
なので「伊予大洲を観光したあとに伊予長浜にある瑞龍寺を見て、下灘を(伊予長浜と同じ路線なので)通過し、19時10分松山空港発の飛行機に間に合う電車で帰れるといいなあ、まあ予定は途中で変えてもいいし……」という計画を立てました。
いや、19時10分の飛行機は変わらないし、その前の電車の時刻表も変わらないから今回はあまりにダメだと死ぬ、死なないけど帰れない、みたいな気持ち。
11:30に伊予大洲着!
とりあえずレンタルサイクルがあったので借りる。
観光する施設があるあたりまでは無口な自転車屋さん曰く「少しある」(ぽつり)。
……少しじゃないですーー!! すごいありましたーー!!
最近は「レンタルサイクルのある観光地」が増えていて、ところにより電動自転車などもあり、晴れていればとても快適、とても楽しい。バスもあるけど、私は晴れてたら自転車がいい派です。時間も怖いし。
商店街を抜けていざ大洲観光。大きな橋を渡るところの景色がとても壮大。つい自転車を止めてしまう。
■まちの駅→おはなはん通り
「伊予の小京都」と呼ばれるという大洲。
まちの駅に自転車を止め、おはなはん通りという通りをいく。
おはなはん通りという名前は、昭和のテレビドラマの舞台だったことからついたそうです。
白い石畳。内子と同じ「歴史のある町」といっても全然印象が違う。
どっちが好きかは人によると思う。
歩いているだけで、こういう昔風の広告があって嬉しい。
■大洲神社
いまガイドブック見て思ったんだけど、大洲神社って「観光地」ではないんですね。
臥龍山荘に行く前に寄ったけど、とても好きな神社だった。
長い石段をのぼって、誰もいない境内へ。
そこにいらっしゃった狛犬が! ほにゃって笑ってるように見えるじゃろ!!
この、人柄のよさそうなことよ……。
本当にこの狛犬が好きなのでたくさんの人に見て欲しい……。
なんなんだこの「どうぞー!」みたいな感じ。
多分まゆげと目が垂れ気味だからそう見えるのではないかしら。
初対面ながらとても好きになる。
おみくじを引く。
「大開運を引くと大当たりです!!!!」
愛媛のおみくじはなんか面白いな・・・・・・と思っていると「大開運」だった! うれしい!!
ただし、おみくじ本体は吉だった。それはそれ、これはこれらしい。ど、どういうこと・・・・・・?
でもこのおみくじの好きなところは「大開運なのであなただけバリバリ運が良いです」じゃなくて「大開運なので、あなたの周りの人もみんな運が良くなっちゃいますー!」というところです。優しいな。
なお大開運のご加護は数日後にありました、ありがとうございました。
チケットとったらめちゃくちゃ番号良かったです。
とても立派な木もありました。
■臥龍山荘
神社を降りてすぐにある、「もうなんか景色がすごい山荘」。
ご、語彙・・・・・・!
山荘自体は「華美でない、侘びさび的な(?)すごいたたずまいの山荘」なのですが、まあもう景色がすごい。
見降ろす川。周りの緑。スマホで一応写真など撮るけど、(ここに限らずだが)それでは全然伝わらない。
ただ、南予の旅行中ずっと思っていたのは、光の取り入れ方の美しさだ。
庭に出る。
謎の「最近発見された氷室」。ちょっと怖い。
「海の闇、月の影」とかはじまりそう(考えすぎ)。
これはしゅっとしたタヌキ。
そういえば本物のタヌキって顔は割としゅっとしているよねと思う。
作った人は「本物のタヌキをみせてやるぜ」と思ったのだろうか。初めてみたしゅっとしたタヌキだった(とても気に入った)。
↑別アングルからも。しゅっとしているがおなかは丸い。
臥竜山荘には、別棟もある。
別棟からの景色もすごい。
きっと道路とか対岸の家とかがなかった頃はもっとすごかったのかもしれないが、けどそこにも人の生活がある。
それは悪いことではないし、それをもっと突き詰めているのが東京でもあるし、と少しぐるぐるする。
ただ、そんなこととは関係なく、「すごーい!!」と思える景色なのでおすすめです。
(危なくないけど、高所恐怖症の方だけ気をつけてください。)
敷地を出て、さっきまで見下ろしていた川へ降りる。
はーーー、川だ。当たり前かもしれないけど。
なんとなく近くで見たかったのだ。遠くからの景色じゃないこの川。
一度まちの駅に戻ろうとするが、微妙に迷う。
結局また大洲神社を登り(大変)、狛犬を見て(嬉しい)、まちの駅へ。
■赤煉瓦館
元は銀行だったという明治の赤煉瓦の建物。
明治のモダンさもまた、なんかいいなあ。
ただし時間が迫っていたので、ざっと見て次に。
■思ひ出倉庫
休日は「ポコペン横丁」という市が出ているらしいのだけど、この日はド平日。
ただ、それが出ているという敷地内からもう昭和感の塊! だいすき!!
中に入ると薄暗い中に山ほどの昭和のものがところせましと置かれている。
誰かのおうちみたいなところとか。
床屋さんゾーンとか。
これは駐在所。
ちょっと目力の強いペコちゃんとか……。
車やバイク、コカコーラ、レコードにあれにそれにそいやそいやみたいな空間で、時間が迫る中楽しみました。
いつかゆっくり来たい!!
沢山写真撮ってしまった。
時間に追われたくないとか言っても、見たいところと電車の時間があれば急がなければいけない。
大洲で私と風を切った自転車を返して、予讃線(海)で伊予長浜へ向かいます。
というところで次は伊予長浜編、多分ラストです!
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