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母に同性の彼女を会わせてきました

9月20日は忘れられない日になりました。
その日のことを書きたいと思います。

同性の恋人Nくんを、母に会わせてきました。
母には8月上旬にカミングアウトして、難色を示され、そこから一切連絡が来なくなった母へ手紙を送り、その返事に「Nくんに会ってみようと思います」と書いてあったのだ。

まず、新幹線の駅に一人で母を迎えにいき、その後Nくんと某駅で合流。

Nくんは会う前から緊張していて、家を1時間早く出て、ご飯やさんまでの経路確認をしようとしていましたが、そこまでしなくていいよと言っておきました。(真面目か!)

ランチのお店はNくんが昔お母さんとよく行っていたという、お箸で食べるカジュアルフレンチのお店。

うちの母は隠れ家的な場所にある美味しいフレンチが大好きなので、絶対Nくんの店のチョイスはドンピシャだろうと思いました。

案の定そのお店は本当に隠れ家的で、都会のど真ん中をちょっと入った細い小道を歩いて行ったところに佇んでいました。

母もお店に入って、個室に通された時、「わぁ〜すごいね」と喜んでいました。

最初は普通にご飯が美味しいね、とかNくんの仕事内容などの世間話をしていました。ご飯も本当にびっくりするほど全部美味しかったです。ランチ代はNくんが出してくれました。(紳士!!)

デザートの最後の一口を食べ終わった後、母は本題を切り出そうとしたのですが、そこで店員さんが15:00の閉店を告げにやってきた為、話は中断。場所を変えて話すことに。さらに母は久しぶりに飲んだワインが回ってきたらしく、店のトイレでALLリバース。。(店員さんゴメンナサイ)
しかしそこの店員さんは全員とても対応が良く、嫌な顔一つせず白湯を用意してくださったり、対応が素晴らしかったです。本当に最高のお店でした。
あんなに迷惑をかけた客なのに、私達が見えなくなるまで手を振ってくれました。
やっぱりNくんのお店のチョイスは最高でした。

場所を変え、おしゃれなカフェで本題に入りました。

「うちの娘は今まで普通の恋愛をしてきました。
一度だけ一緒に地下アイドルをしていた相方さんが、背も高くて宝塚みたいな感じで、私も娘も憧れていて、同性に対する想いは、そういう感じで、恋愛はずっと男性としてきたのを私はずっと見てきたので、娘は普通だと思っていました。
だから今回も恋人が出来たと聞いて、すごく舞い上がっていたら、後々その相手は女性だとカミングアウトされて……。正直私からしたら晴天の霹靂で、最初は正直肩を落としてしまいました。
でも娘から手紙を貰ったんです。1週間読めなかった。1週間読むか悩んで、やっと読んだ手紙に『今が一番幸せです』って書いてあったの。想いが伝わってきた。娘の幸せは娘が決めるもので、私がとやかく言える立場ではないって気付いた。今更こうしなさいって言っても、30にもなった娘が自分で決めたことを辞めて私に従うわけないな〜って。
だけど、ちゃんとNさんに会ってどんな人なのか確かめたかった。どういう気持ちで娘と付き合っているのかを聞きたかったんです。こんなに美しい顔立ちをしておられるので、きっと男性にもおモテになるだろうし、娘に対しては恋愛としての好きなんでしょうか?」

母は目に涙を浮かべながら、一つ一つ言葉を選んでいました。

Nくんはしっかりと母の目を見て言いました。

「はい、ゆびきゅうさんのことはちゃんと恋愛として好きです。
私は今まで自分に自信がなくて、以前お付き合いしていた方にも本当の自分は出せていませんでした。
でも、ゆびきゅうさんと出会って前よりも笑顔が増えました。
本当の自分が出せている実感もあり、一緒にいてとても癒されるし、とても楽しい方なので、毎日笑っています。
ゆびきゅうさんとは一生一緒にいたいと思っていますし、ゆびきゅうさんとならずっと一緒に幸せになれる自信があります。
実の母はもう他界しており、もういないので、これからはゆびきゅうさんに言えないことでお母さんには言えることもあると思います。お母さんになってくださいじゃないですけど、うまく言えないですけど、これから仲良くしてくれたら嬉しいです。」

私は涙が止まりませんでした。
母も泣いていました。
Nくんは目の前の2人(親子)が泣いてオロオロしていました。(笑)

母は涙を拭きながら言いました。

「Nさんに会って、今までのモヤモヤがなくなりました。今日お会いしてみて、手紙にあった通りの、娘には勿体無いくらい素晴らしい人だと思いました。
Nさん自身の飾らない本当の言葉で想いを聞くことができて、この人なら安心して娘をお願いできると思います。これからは娘をよろしくお願いします」

よろしくお願いします。

3人でペコッと頭を下げ、みんなで笑顔になった。

その後は、NくんがLINEポップにというゲームばっかしている話をしたら、ウチの母もLINEポップ中毒なので、一緒にLINEポップネタで大盛り上がり。(ワイは完全に蚊帳の外)

その場でラインを交換(なんでもLINEポップヘビーユーザー仲間としてハートを送り合うとかなんとか)

すごい勢いで仲良くなっていた(笑)

これも不思議な運命だと思うのだが、話の中で、ウチの母の姉とNくんのお母さんの名前が同じ名前と言うことも発覚。

私がトイレに行っている間に、

「今度実家にも遊びにきてね」

と言われたらしい。

Nくんが女子ってだけで今まであんなに難色示してたのに、気に入り具合エグくないですか?

恐るべしイケメンパワーだと思います。
Nくんの見た目だけではない内面の美しさにも魅了されたのでしょう。

「もし2人が別れることがあったら、そのときはきっとゆびきゅうが原因だと思う。それくらいNくんは非のうちどころがない」

と冗談で言われました。(笑)

私の中にあったモヤモヤもなくなりました。

やはりカミングアウト直後に難色を示されてからは、お互いNくんの話題を一切出さない&交流ゼロだったので、母も寂しかったみたいです。

私は理解してもらえないなら距離取るしかないかな、と諦めていました。

でもやっぱり、ずっと仲の良かった母と疎遠になっていて、心のどこかにはスキマ風が吹いていたんだと思います。

今回Nくんを会わせたことで、本当の意味で和解出来て本当に良かったです。

孫を抱かせてあげることは出来ないかもしれないけれど、別の方法で絶対に親孝行するぞと心に誓いました。

Nくんと一緒に今日行ったような素敵なお店で美味しいご馳走をしたり、旅行に連れて行ったり、してあげたいなと思います。

そして母に介護が必要になったときは全力で支えようと思いました。

Nくんもきっと自分の母のように大切に思ってくれていると思うので、そこも心配ないなと思います。

LGBTの子供を持つ親が必ず立たされる壁を、ウチの母は乗り越えたように思いました。でもそれはきっと完全ではないだろうし、まだ母の中で心配なことや引っかかることは必ず出てくると思います。
その都度話し合って、腹を割って話していこうと思います。

でもまだ母の口からは男女の恋愛を「普通の恋愛」と表現していたことからも、私たちのような女性同士の恋愛は母の感覚では「普通ではない」という位置付けなんだなぁと思いました。

でも、言われて嬉しかったことがありました。

「娘はきっと、Nさんが男だとか女だとかそういう次元ではなく、一人の人間として好きになったんだと思った」

と言ってくれたのです。

でもそれは本当にそうだったから、そこを理解してくれただけでも大きな進歩だと思いました。

これからもNくんと2人で毎日笑って生きていこうと思いました。
それが母の一番の願いだと思うから。

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