あの子が買った漫画に埋もれて
アリスのマッチ箱こすりあわせた君は
スポットライト越しに
寂しい顔をしないでと僕はここにいる

左手ににぎったギターケースからはつたわる
未来ってやつを今に感じゆくすえの
形をあの部屋の窓際にはなして飛んでった

鉛色の漫画の世界の中で
無表情の君は
ずっとつづく地平線を
みながら止まった場所

あのときあんなに世界を変えられると想っていた でも今はこんなに変えられないと
背中を丸めて
目と目を合わせて笑うのがこんなに難しい
いつかぼくが晴れるからと晴れるから
水色の髪の毛を編んで灰色のきもち
くらげのように自由になりたいと毒づいて
いつまでみつからない答えの列車
切符を買って あの場所にいつも探しにいくんだ

鉛色の漫画の世界の中で
無表情の君が毒づいて
ずっとつづく地平線をみながら
壊れた場所に歩いて
ページをちぎった