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書評 文系のための理系読書術 齋藤 孝

 こんにちは久しぶりの投稿です。

 今回は明治大学の教授を務める齋藤 孝さんの本『文系のための理系読書術』を紹介します。この本では、文系の人向けに齋藤さんのおすすめの理系の本をいくつか紹介しています。

 その中で僕が気になった本を紹介します。

『ミトコンドリアのちから』

 この本は著者の2人がミトコンドリアのすごさについてまとめているものです。ミトコンドリアの中にはALDH(アルデヒドデヒドロゲナーゼ)2という酵素があります。この酵素はアルコールを分解するために必要です。この酵素がアルコールによって変異するかどうかでアルコールに強いか弱いか決まります。

 ここで、著者は1つの問いを立てます。「なぜこの酵素がミトコンドリアのなかに存在するのか?」

 ミトコンドリアは他の生物の中にもいます。しかし、他の生物はアルコールを飲みません。そうなると、ALDH2にはアルコールを分解する以外に、本来の役割があるのではないかと思いいたります。この問いを解く鍵は、『ALDH2の本来の役割は何か?』と問いを変えていくことにあります。

 理系のおもしろみの1つは問いの立て方にあるのです。問いの立て方によって、得られる知識や情報は変わります。理系の問いは論理的に検証していけば答えが得られます。問いを立て、論理的に検証して答えを見つける。それは、とても面白いことなのです。

 科学研究の世界は、このように何がわからないかを明確にして、問いを立てその問いを解いていく。そして、また次の問いを立てていく。そのようにして真実にたどり着く、この世界を理解することはとても楽しくてスリリングなものなのです。


 この他にも興味深いテーマを扱った本がいくつも紹介されています。人体、数学、化学、物理など様々なテーマを取り扱っています。どれも入門編の本で文系の方でもとっつきやすいと思います。

 僕は、高校まで理系でしたが、大学から文系に変えました。それ以来、理系の内容にはあまり触れてこなかったのですが、久しぶりに理系の本を読んでみると面白いなと思うところがいくつもありました。理系科目に苦手意識がある人にもおすすめの本です。

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