「シャドースクランブル」企画書

キャッチコピー

これは、いのちがある限り消えることのないと護影師達の戦いの物語


あらすじ

「死者には影がない」

その言葉通り、死んだ生き物の影が、その肉体を離れ地上を跋扈する世界。
それらの影は総じて2種類に分けられる。
人畜無害な「善性の影」。
人や動物など生き物の血を求めて殺戮兵器となる「悪性の影」。
その「悪性の影」から地球上の生命を守るため、苦難の末、人類は「世界護影師団」を設立した。
世界各国で日夜、護影師たちが命を懸けて生命を守っているのである。

國崎志真助は「影を引き寄せる」体質の貧乏高校生である。その日、いつものようにファミレスでアルバイトに勤しんでいると、突如として「影」の襲撃を受ける。
その日から、志真助の日常は大きく変わることとなる。


第1話のストーリー

貧乏高校生、國崎志真助は、今日も都内のファミレスでバイト。
午後9時、女子大生バイトの山田が話しかけてきた。
話題は、とある客の話。ここ数日開店から閉店までずっと同じ角のボックス席に居座っている。今は、不機嫌そうに電話をしながら、ポテトをつまんでいる。静かな店内で時折「ふざけんな」やらやら「任務」やら不思議なワードが聞こえる。

午後10時。
カウンターの奥でこそこそ携帯をいじっていた山田が驚愕の声を上げた。
ファミレス周辺の交差点で交通事故が遭ったらしい。何人も死人が出ているとか。ふとあの女性客を見ると、また誰かと通話していた。「あたしも戦う!」やらなんやら叫んでいる。

午後10時半。店内には、バイトの志真助と山田、キッチン担当の林それからいつものあの女性客だけ。
その時だった。突如として窓が割れ、黒く蠢く「人のようななにか」が店内に入ってきたのだ。それはまさしく人類の敵「悪性の影」だった。山田が悲鳴を上げ、キッチンにいた林は叫びながら逃げていった。
志真助は、山田を守ろうと背に隠すが、目の前の怪物に足がすくむ。
その時、女性客が叫んだ。
「伏せなさい!」
間一髪で頭を下げるとつむじすれすれを彼女の「蹴り」が掠った。その女は「護影師」だったのだ。蹴られて吹っ飛んだ影に女が殴り掛かる。心臓部を拳で貫くと、影は消滅した。女が何か言いかけたが、次の瞬間女は吹っ飛び、壁に激突した。そこには蠢く影が数体。
志真助は「自分のせいだ」と思った。志真助には秘密があった。それは自分が「影を引き寄せる」特異体質であること。自分でどうにかしなければと思った。
泣きじゃくる山田をカウンターの奥に隠して、影が蠢くホールに戻った。こちらににじり寄る影に向き合う。
「逃げろ!」と叫ぶ女を横目に、志真助は胸から下げていた「黒い石」を取り出した。すがる思いでそれを握りしめて目を閉じた。

雑音が遠のき志真助が目を開けると、そこはファミレスではなく真っ白な空間で、目の前には長い髪の人型の影がいた。その影は「私が助けてあげる」とささやいた後、すーっと志真助の胸に入り込んできた。次に志真助が目を開けたとき、そこはファミレスに戻っていたが、体に違和感があった。体が異常に軽く、力が湧いてくる。その力で、志真助は目の前の影をすべて始末した。戦闘後、ふっと体から違和感が消えると同時に、志真助はその場で意識を失った。


第二話以降のストーリー

志真助が目を覚ますと、そこには見知らぬ男「呉鳥羽英治」がいた。呉鳥羽から「志真助のこれから」を提示される。「一般人にして御影石を使用した罪で一生監獄行き」もしくは「護影師となって影と戦うこと」どちらか選べ、とのことだった。
あの日、志真助が握りしめた石は「御影石」といった。護影師は、強靭な「悪性の影」と戦うために「善性の影」と共闘の契約を行う。その契約のキーアイテムとなるのが「御影石」だった。一般人は使用どころか御影石の所持自体重罪となることを志真助は知らなかったし、そもそもこの石が「御影石」であること自体知らなかった。そして志真助が契約した影は前代未聞の「人型」であった。人間の影と契約した護影師は史上初らしい。
結局、志真助は護影師となることを半ば強制的に決められた。

3か月の研修を終え、新人護影師となった志真助は、呉鳥羽からバディを紹介される。そのバディは、ファミレスで影に襲われた際に助けてくれた女性客だった。名を「一宮・オルタリア・リリー」という。
「こんなど素人とバディを組むなんて絶対嫌!」と悪態をつくリリーを横目に、呉鳥羽は志真助に「初任務」を言い渡した。
それは、とある小学校で飼育されていたウサギが死んだため、その影を討伐してほしいとのこと。しかしウサギ小屋に向かうが、そこに影の姿はなかった。小屋に取り付けられた監視カメラを確認すると、ウサギの影をランドセルに入れて連れ去る女子児童の姿が…。
ほかの児童に話を聞くと、ウサギは複数の男子児童に日常的に虐待されており、かなり弱っていた。さらに、影を連れ去った女子児童はウサギを一番かわいがっていた。ということが判明した。
志真助たちは、すぐに女の子の後を追うが…。

2話以降

・銀行強盗編
護影師として任務に就いてから一か月がたった。
志真助は都内の銀行のATM前で、通帳に記された数字を見つめて笑った。通帳を隠すようにしまい、銀行を出ようとすると、武装した男たちが出口をふさいだ。総勢十数名にも及ぶ銀行強盗である。さらにその強盗は、通常ではありえないものを持っていて…。

・ロシア出張編
毎年、決まった時期に、ロシアへの出張が行われる。ロシアは世界最大の国土を誇るが、護影師の数はそこまで多くなく、ロシア所属の団員たちで賄うことはできなかった。そこで、各国から数名ずつ団員を派遣して、ロシア師団を援助している。そのメンバーに志真助とリリーが選ばれたが…。

・アカデミー編
護影師になる正規ルートとしてアカデミーと呼ばれる養成所がある。その3年生向けに毎年、実際に現場で戦っている護影師たちが特別講師として赴く。各国持ち回りで、今年が日本の番だった。誰も行きたがらない中、呉鳥羽を筆頭に、志真助、リリー、そして同じく護影師の虎徹谷ハル、彼女のバディの鳴京真、呉鳥羽の後輩中島雪路の6名が向かうことになった。生徒たちと対面した際、「日本かよ、最悪」と悪態をつかれ、生徒の多くになめられている様子の志真助達。「だから行きたくなかったんだ」と虎徹谷が呟く。その意味とは…。

・護影師オリンピック編
毎年「護影師序列戦」という護影師のオリンピックが開催される。護影師には個人と所属する国単位で序列というランクが存在しており、護影師同士が戦い、順位を争う大会である。日本はもう何年も不参加で、国、個人ともに序列は圏外。優勝賞品ほしさで、大会に出場した志真助達だったが、準決勝の最中、会場に悲鳴が走る。

・バチカン奪還
序列戦団体で見事優勝した志真助達。報酬の南の島バカンスを楽しむ一行の裏で、「バチカン市国奪還作戦」が決行することとなった。バチカン市国は数年前から数多の影たちに占拠され、魔窟となっていた。過去3度奪還作戦が実行されたが、生きて帰った者は誰もいなかった。その4度目のメンバーに「影を引き寄せる体質」の志真助の強制参加が決定し…。


護影師として実践経験を踏み強くなるほどに、立ちはだかる強敵たち。彼らは過酷な運命にどう立ち向かっていくのか、そして志真助はなぜ「影を引き寄せる」体質なのか。
過去が暴かれるとき、すべてが変わる。


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