クロービスさんのキャラスト並走企画の四方山話

2021年2月11日0時。
この日、満を持してクロービスさんのキャラクターストーリーが公開されたことは記憶に新しいことと思います。(これ読んでる方で、万一新しくない方は「マンガ5」で検索して「オトメ勇者~character story~」のクロービスさんの話を読んでください。トべます(ダイマ))
また、当時の全体的なTLの盛り上がりの様子は以下で読めます(私以外の発言もまとめています)
https://togetter.com/li/1667109

これからこの記事では、クロービスさんのキャラストと並走して毎日更新していた小説の裏話というか、「ここはこんなつもりでした」みたいな話をしていきます。当然のことながらあらゆる方向のクロービスさんのネタバレが満載です。公開当時、「何か…何かこのブチ上がるテンションを残したい…」と、無謀にもキャラストーリーの合間合間の話を創作しようとしていた自分の備忘録でもあるので、面白いかどうかはわかりませんが、お楽しみいただければ幸いです。

01.「物語未明」(2021/02/10(水)公開分)

(本文はコチラ→https://poipiku.com/691344/3749385.html )

キャラスト版で言うと第1話の前、ポケスト版で言うとメインストーリーで出会う前の時間軸くらいのつもりです。ポイピクにもある通り、アプリ版で言うなら、最初のキャラ選択時に見ることができた自己紹介の前夜くらいのつもりですね(因みにアプリ版では、ここで選択したキャラの☆2・☆4スピリットがもらえる、という展開でした。私はここで『ティータイム』と『偉大な黒魔道士』もらってたはずだけど、☆2はもう一種とランダムかもしれない)
物語序盤のクロービスさんとか私書けるのかな…(自分の二次創作全般が公式より塩が少ない自覚はある)とか思いつつ、つらつら書き始めたら、予想以上に筆が乗って楽しかったです。むしろ乙女ゲの根幹の設定にそんなシビアな価値観持ち込むなよ…ってくらいサクサク毒吐いてくから、ほんと可愛くないな!?(だがそこが可愛い)ってなってました。
この時点では他のスレイヤーのキャラストの傾向からして、「伝説の事故紹介の要素入るか怪しいな…」と思っていたので、いるかはわからないけれどキャラスト版しか読んだことのない人もあの塩を味わってほしい、という思いで勇者への当たりを強めにしてみています(結果杞憂でしたけどね大勝利!)ただ、「いやでも基本的に勇者を選び直すって選択肢はないのに、なんであんなに厳しいこと言うんだろうな…?」って気持ちもあったので、こういう理由ならわからないでもないかな…という(とはいえやっぱアレはどうかと思う)一応、メインストーリーで解決可能な問題を槍玉に挙げてぶちぶち言ってるから矛盾はしてない…はず…?
地味に個人的なツボである、一年目ブライダルイベ(?)のステラミーラ杯~黒衣のマリアージュ~のプレゼントアイテム「純白のブーケ」を渡した時に見ることができる台詞「君が普通の女性として過ごせるよう私も力を尽くすよ」の反映もあったり。この台詞、もしクロービスさんが幸せにするって話だとすると、公式サイトの説明文の「純粋な青年」成分が感じられてマジでいいので、度々引用してしまうんですよねえ。
まあ、色々書きましたがポイピクにもある通り、このアステルちゃんがほぼ出てこない文章にクロアスを付与することで「こんな塩があんなになる」って楽しんでいただければ。

02.いずれ貴方へと続く導(2021/02/11(木)公開分)

(本文はコチラ→ https://poipiku.com/691344/3751347.html

ポイピクのコメントにもありますが、他のスレイヤーの傾向から、プライベートエピソードの分岐前部分は「1~5」「6~10」「11~15」の区切りで来るんだろうなーという想定で全部準備してました(もちろん折角のライブ感のある試みなので、キャラストを受けて微修正して…みたいなことはやってますけども)(あと、公開してからも誤字とか演出を微妙に直してはいる)
そんなわけで、この話自体はアプリ版のプライベートエピソードの「クロービスと視察へ」と「怖くないから」の間の話のつもりです。
冒頭の子供の道案内は「怖くないから」の前振りみたいなイメージで書きました。この時点だとクロービスさんの子供に泣かれるエピソード出てないので、初見だとするとちょっとひっかかってほしいなーみたいな。あと、クロービスさんによる城下の解説が、後の影ルートでアステルちゃんがクロービスさんを追っかけるときの手助けになるといいなあという。クロービスさん絶対隠れるの上手そうなので、アステルちゃんなんで見つけられてるんだろうって思ってたので(まあ、キャラスト版ではしっかり理由補完されてて「流石公式ェ…!」ってなるんですけども)タイトルにもその辺を割とダイレクトに反映したつもり。後述の「クロービスさんのわかりにくい気づかいがルートのきっかけに」みたいな意味合いもないことはないんですが。
この時点のクロービスさんは、「私に物怖じせぬ娘とは珍しい」くらいの印象だと思うので、どうやってカフェに突っ込むか結構悩みつつ。本文で明示的に開示している部分の優しさ成分は「カフェを紹介した理由」とか「視察の道選びの基準」とかですね。因みに本文であんまり説明が入ってない部分のわかりにくい部分だと、「そもそも座ってメモれるようにカフェ入ってる」とことか「再説明時はゆっくり喋る」とことかですねえ…。いや文章中で語ってくれないかなそういうの(頭抱え)
公開当時は「影ルートの方が乙女要素的にオイシイからそっちに進むんだろうな」「でもあの顔見せない告白残して欲しいよう」というせめぎ合いの中、告白が残る可能性にワンチャン賭けてる話でもあったり(当時の予想では影寄りの場合は「嫉妬と忠告」からの「私だけの眠り姫」行くと思ってたので)なので、結構この話と最終話である「願いのその先で」はよく対応する話として準備してましたね、祈りを込めて。

03.琥珀色の魔法(2021/02/12(金)公開分)

(本文はコチラ→ https://poipiku.com/691344/3759320.html

アプリ版のプライベートエピソードの「厄介な案件」と「クロービスの失態」の間の話のつもりです。「今後パーティーあるよ」とか「外面の良さ」とか「ボーゲン殿の時の埋め合わせ」くらいしかあんま要素の反映ありませんがー。
個人的には推しCP本2で書いた解釈も反映しているので、この時点でクロービスさんはアステルちゃんに無自覚の好意があるみたいな前提があります。
現時点の私の解釈だと、クロービスさんのキャラの根幹は「誇り」じゃないかなーと思っているので(クロービスさんて、「いつも、私の傍らで➁」の指輪の選び方からもわかる通り、選ぶプレゼントは多かれ少なかれ自分の好みを反映しているんじゃないかなと思うので、おねだりのお返し3も「そう思われることが嬉しいから」みたいな要素かなと。この辺は推しCP本2でもぐだぐだと語っております)でもって、「果たすべき責任」で見せたクロービスさんの矜持からすると、ラクリモッサでのアステルちゃんの世界の希望として勇者の責任を果たす姿ってかなり好感度高いんだろうと。ここら辺を踏まえ、「厄介な案件」の時点は「顔を近づけるのに抵抗がないことから意識はしてないけどそこそこ好感度が高い」のでは、みたいな塩梅で書いてみました。ただ、まだ落ちてる自覚がないので「終わったら元の生活に戻るのだろうな」みたいな要素があります(作者的には「いやもう落ちてるから!?とっくに引き返せる地点過ぎてるからね!?!?!?」感は高いんですが)
その他の要素だと「気難しい男の信条を~」の辺りが「損な役回り」要素のつもりだったり、リーンハルトさんをさっさと追い返そうとしてる辺りの焦りは「持ち前の地獄耳でアステルちゃんが来るのを察知した」みたいな要素の反映だったりしますね。あとはアステルちゃんの金銭感覚でお高い紅茶買ってくるのちょっと可愛いなと思ってたりとかもします。疲れてそうだから奮発したんだなあ。
タイトルは「いや絶対これ前に付けてないかな…!?」って思ったんですけど、見つけられなかったのでいいことにしました。これに限らず、クロービスさん以外が魔法的な物を使う話書きがちだなあ私、という自覚はあります(でも自重するつもりはない)

04.言葉よりも雄弁な(2021/02/13(土)公開分①)

(本文はコチラ→ https://poipiku.com/691344/3766702.html

アプリ版のプライベートエピソードの「失うことへの恐れ」とルート分岐の間の話のつもりです。これが展開読めなくて一番辛かった、と言いたいところですが、実はクロービスさんのストーリーって魔物倒すとこはほぼ一緒なので、そっちに意識向けたらそんなには難しくなかったです。どっちかっていうと、今回の難産は没案なんだよなあ…(遠い目)
書庫の整理が終わらなかったというのは後の「不器用な男」へ繋げられるといいな、という狙いだったり。結局掠らなかった上にサシャさんのキャラストで詳細な整理の内容が出て泡食ったけどギリセーフと信じている(何)あとは、サシャさんの魔法は具体的には決めてないんですけど、表情観察のコツ的なもののつもりで、「ずっと私の傍で」で顔を見た時によりわかりやすくなってしまえばいいと思って書いています(全体的にアステルちゃんがルート進みやすいようにバフをかけているつもりのとこある)タイトルもこの要素の反映ですね。
この話はクロービスさんのルートの最大の難所である「魔物を倒す」ことへの補強の意味合いが強いです。前の話でも語ったんですが、クロービスさんの根幹が「誇り」だとすると、個人的には「魔物を倒す」=「勇者としての責任を果たす」で、クロービスさんの憂いを打ち破ってるのが最の高だと思っているので…!勇者要素マシマシであの辺りを読めるといいなと思って、こういう話にしています。あと、公開当時誤字ってて後から直したんであれなんですが、各国の振り返りを地味に階段にしてってるのも視覚的にお気に入りですね(文字幅的にPCから見ないと何のことやらではありますが)
最後の一文も改めてみると結構いいなこれと自画自賛してます。さらりと書いた割には10年前のあの日から時が止まったままって感じが出ててとてもよい。


05.1=0の証明(2021/02/13(土)公開分➁)

(本文はコチラ→ https://poipiku.com/691344/3766963.html )

こちらもアプリ版のプライベートエピソードの「失うことへの恐れ」とルート分岐の間の話のつもりです。順番的にはこっちの方が先に出来ていて、3日目はこれだけでもいいかな?と思っていたんですが、あまりに暗いので04ができました。この時点のクロービスさんの視点、暗くならないわけがないし、あんま長くてもなーと短めにサラッと書こうとしてこんな感じに。
「悪夢の先で言おうとしている言葉」=この先の魔物と対峙した時に思わず出る発言の「逃げろ」ですね。あれ、一時撤退という意味では戦略的に間違いではないんでしょうけど、多分あそこは「使命を捨ててでも生きてほしい」的な意味合いが濃いんじゃないかなって勝手に感じています。クロービスさんが人生の指針にしている父親から受け継いだ「誇り」に背いてでもそういうこと言っちゃいそうになってて、そんな自分が許せないから王宮の魔道士辞めるんじゃないかなー、という感じ(そういう意味ではここはある意味完全に影ルートの「心を惑わす魔物」を通る想定の話だったりしますが、「クロービスと視察へ」の酔っ払いの話からすると、うまいことリンクするしここはやるかなーとは思ってたところがあります)そういう無力感を出したかったので、「ただの男」になるんですよね。こう「果たすべき責任」で示した矜持を保てなくなったことで「誇り」を捨てかけてるみたいな。「アステルちゃんを愛したことで理想としていた黒魔道士ではもういられない」という感じが出ているといいなあ。
これはこの後の話になるんですが、ここからアステルちゃんが「魔物を一人で倒す」=「勇者として成長した姿の証明」でブチ抜いてくのマジで熱い展開なんですよねえ…。己の抱く願いを叶えようと何を言われてもずっと大切にしていた「誇り」を一人の少女を愛したことで失いかけた男が、その姿を見て成長した少女が勇者としての「誇り」を示すことで、過去の絶望すら未来への希望に染め上げられるの、尊くないわけがないんだよなあ(大の字)
最後の「ピリオドが打てない」ってのは完全には折れきることができなくて悪夢を繰り返し続けている雰囲気が出ているといいなと思っています。10年耐え続けてるので忍耐力が高いって事でもありますが、個人的には主人公との将来を諦めちゃった攻略対象ってハッピーエンドにはいけないって思っているので。

06.願いのその先で(2021/02/14(日)公開分)

(本文はコチラ→ https://poipiku.com/691344/3775046.html

想定では光ルートのエンディングから繋ぐ予定だったんですが、影をあれだけ通ったにも関わらず、なんかいい感じに可愛さだけ増してエンディングを迎えてたので、これもアリだろうと。あれすごいですよね、影通ったのにアプリ版のちょっと病んでるとこが微塵もなくなってるんだよな。強いて言うなら、やや「公人としての理想」よりは「個人としての意思」で動いている感じはあるんですけど、元々が「純粋な青年」で「伝説の英雄」じゃないので、これはどう見てもグランドエンディング。「グランロットの~」辺りからはそういう普通の青年と少女が幸福な日常へと進むといいなという文章なので、大義と言われると困るんですけど、私の今の解釈の最高点なので否定材料がないんですよね。いずれ「黒魔道士長」と「勇者」の幸福も書いてみたい気はするけども。でも「純白のブーケ」がなあ(まだ言う)
さて、前述した通り、この話は02から繋ぐつもりで書いていますね。地図のわからない少女が道を熟知し、頼りないという評価から史上最高の勇者になり、置いていかれていたのが歩みが揃う、みたいな。因みに、第二部どうなるかわからんねこれって思ったせいで、世界の状況については全力でぼかしが入ってます。これで大陸ごと消滅しない限りはなんとか…読める話のままでいてくれるはず…(いや別に仮にやらかしても消さないですけど)

07.かわいいひと(2021/02/14(日)公開 ※没案)

(本文はコチラ→ https://poipiku.com/691344/3775112.html

今回の問題作。「嫉妬と忠告」から「不器用な男」でリーンハルトさんに発破をかけられた結果「私だけの眠り姫」に行くという想定をしたが故に、ネタ出しが非常に難航しました。普通に素直に考えると、どう頑張っても25歳としては挙動が完全にアレ過ぎてどうしたもんかってなってしまってですね…(結果的には別に嫉妬の話が出なかったので完全にいらん心配だったわけですが)いやだって、嫉妬した上でその解決法が添い寝になるって、完全にアレな人じゃん…!?
どうにかギリギリ可愛い感じに落ち着くといいなあと知恵を絞った結果、アステルちゃんの視点からその嫉妬の挙動を観察させるとヤバそうだが、クロービスさんの視点からならまだ比較的マシでは?という結論に至り、こういう話になりました。書いてみると割ともだってる感じにまとまってこれはこれでってなったのはよかったです。

さて、長きに渡るあとがきもここでおしまいになります。なんか本文と同じくらいになりましたが、ここまで読んでくださりありがとうございました。

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