劇場版『SHIROBAKO』の感想(その①)~序盤の衝撃と、本田さんを見て気づいたこと~


劇場版『SHIROBAKO』2日目の今日、鑑賞してきました。Twitterでも感想を書きましたが、中々まとまらず。かつ、ネタバレになるといけないと思い、鑑賞後の方と語りたいので、書いてみました。(note初投稿)

拙い文章ですが、読んでいただけると幸いです。



『SHIROBAKO』とは

『SHIROBAKO』(シロバコ)は、P.A.WORKS制作、水島努監督による、日本のオリジナルテレビアニメ作品。2011年制作の『花咲くいろは』に続く「働く女の子シリーズ」第2弾[2][3][注 1]。2014年10月から2015年3月まで全24話が放送された。パッケージ版には劇中劇のOVA2話が追加されている。

制作進行・アニメーター・声優・3DCGクリエイター・脚本家志望としてそれぞれアニメーション業界に入って夢を追う5人の若い女性を中心に、作品の完成を目指して奮闘するアニメーション業界の日常を描く群像劇である。

(wikiより)                              参照:https://ja.wikipedia.org/wiki/SHIROBAKO


自分と『SHIROBAKO』

アニメシリーズが完結した2015年の4月に、社会人になりました。業界は違えども、『SHIROBAKO』の中で描かれる「いろんな仕事観がせめぎ合う社会」「うまくいかないことの連続」、葛藤、苦悩は、いい意味でリアリティショック(※)を軽減してくれました。

また、仕事がうまくいかないとき、自分にとって仕事とは何か?見失いそうになった時に、良く見返す作品でした。

※リアリティショック

理想と現実のギャップがあることによりショックを受けることを意味します。この言葉は企業に入社した後に利用されることがほとんどで、新入社員や昇進や転勤して職場環境が変わる人に多く起こります。

参照:https://job-q.me/articles/4962



劇場版の感想(ネタバレを含みます)

いずれ、TVシリーズの感想もまとめられたらと思いますが、今回はTVシリーズも見ていて、劇場版を既に見た人向けに書きます。

下記、ネタバレを含みます。

映画未視聴の方は要注意です。





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それでは、感想を。


辛い冒頭のシーン

まず、「してやられた…」と思いました。

誰もが、TVシリーズの最終話を見て、大団円で終わり、上山高校アニメーション同好会の5人のこれからの活躍に期待を胸を膨らませ、

多少の「万策尽きたー!!」はあれども、まあ、日々前に進んでいる5人を、ムサニに期待をしていたことでしょう。


少なくとも自分はそうでした。


ですが、大方の予想を裏切られ、4年経ったムサニはほぼ壊滅状態。

数年前(?)の「タイムヒポポタマス(通称:タイマス)」の制作中止が発端となり、丸川社長は辞任され、ラインPだった渡辺さんが社長(!?)に。監督の木下誠一、作監の遠藤さんは行方知れず。制作、作画、その他のメインキャラクターはほとんど残っておらず(あのタローも)。

「第三飛行少女隊(通称:三女)」の第2期がスタートするも、なぜか元請けはあの「タイタニック」。シナリオも、作画も男性受けのエロアニメ調に。1期の上映会にはかかわった数十人が、丸川社長手作りのカレーや、からあげなど、ご馳走を囲みながらワイワイと会議室で見ていたものの、今回は数人(演出の円さん、制作の佐藤さん、新人くん、動画検査の堂本さん、色指定の新川さんとみゃーもりのみ)。

乾杯もなく、飲み物は2Lのウーロン茶のみ。

もう「やめてくれー!!万策尽きてるー!!」の状態でした。


とてもじゃないけど、見てられない、見たくない…という想いから、涙がこぼれました。(1回目)

あの時の劇場内の沈んだ雰囲気は忘れません…。


こんなはずじゃ…と思った人が多いのではないでしょうか?

(自分だけ?)



いい話?悪い話?

と、人もお金も、業界からの信頼もなくなって、低空飛行のムサニに、新しいお仕事が。社長の渡辺さんから、プロデューサーの宮森に告げられます。

なんと、ムサニ元請けの劇場版映画のお話が!!


と、そんなうまい話が転がり込んでくるわけもなく…

実は、他社が元請けで制作していたはずの「SIVA」が全く制作されていないことが発覚。しかも、通常2年近くかかるオリジナル映画に残されている時間はわずか1年弱。出来上がっているのは、絵コンテ4枚。

これぞ「万策尽きたー」ですね。


このあたりのシーンまで、冒頭の「え、ええ…」と困惑した感情を抑えながら、心を落ち着けるのに精一杯で、あまり記憶ないのですが…

とりあえず、本田さんが昔のぽっちゃりの頃の体格に戻ってよかったです笑

(本田さんは、今楽しくて1日48時間あればいいのに~というくらいだったので、2クール目の頃に痩せていたのは、結構大変な時期だったからっていうのもあるのかな…?)


元の体型に戻った本田さん

と上に書いたので、気になって少し考えてみました。


TVシリーズの1クール目には、制作デスクとして「万策尽きたー」の名言を残し、2クール目には近所のケーキ屋「ウルリン」に転職を果たす本田さん。

元々は、監督とふとっちょキャラとして双璧をなしていましたが、転職後はスマートに痩せた姿になって、何度かムサニに差し入れを持ってきてくれるように。

その度に、みゃーもりや監督に的確なアドバイスや、𠮟咤激励を浴びせ物語の後押しをしてくれていました。


ただ、今思い返してみると、1クール目にあれだけ情熱を注ぎ、「えくそだすっ!」の最終回のシーンでも感情的に訴える本田さんと、2クール目のうるりんで働く本田さんに結構ギャップがあるんですよね。

もちろん、もう別の仕事をやっているので「ケーキにすっごい愛情注いでるんです!」ってムサニに言いに来ることはないとは思いますが…

でも、今回の劇場版で2度お店によるシーンがありますが、2回とも「新作のケーキを作りすぎちゃった」「1日が48時間あればいいのになぁ」と仕事に凄くのめりこんでいる言葉が聞けます。


ということは、実は2クール目の「やせ型本田さん」の頃は、実は結構しんどかったんじゃないかな?と思ってきました。

それは、多少お菓子作りがうまいとはいえ、未経験で職人の領域に踏み出したのですから辛いことやうまくいかないこともあるでしょう。

ですが、実は、悩みや葛藤を持ちながら、「誰かに相談したい」「話を聞いてもらいたい」「元気が欲しい」なんて気持ちを持ちながら、差し入れをムサニに持ってきていたのかも…といまさらながら思ってしまうのです。


あの時励まされていたのは、みゃーもりでも、監督でもなく、実は誰よりも本田さんが勇気づけられていたのかもしれません。

その期間を乗り越え、仕事に熱中できるゾーンに入った今だからこそ、「48時間」発言が出てきたのでは?と思うのです。

※ここまで制作側の意図があったかは分かりませんが…



とここまで一気に書いたので、続きはまた書いてみます。

もし、万が一劇場版を未鑑賞の方がいらっしゃれば、

是非!劇場に足を運んで見に行ってください!

ここに書ききれていない魅力がたっぷり詰まっています!!!!!

http://shirobako-movie.com/introstory/