劇場版『SHIROBAKO』の感想(その②)~期待値の方向性~

様々な感想が飛び交う本作

※ネタバレも含みますので、劇場版鑑賞後に読むことをお勧めします。
















はい。

SHIROBAKO劇場版感想その②です。

その①でも語ったように、序盤からかっ飛ばしてます。本作。



ここで、作品を見た他の方の感想を見てみました。


概ね、「期待はずれ」「思っていたのと違う」という反応が大半でした。


たしかに序盤の展開を見ると「あれ、あの頃のムサニはどこへ?」「最終話で七福神を完成させよう!と意気込んでいた5人は?」となることでしょう。僕もそうでした。



あれ?なんか違うぞ?が起きた理由

ひとえに、事前予告の仕方にあるのでしょう。

この予告見たら、「あー、いつものムサニだなぁ」ってくらいの印象でしょう。


2クール目みたいな、キャラデ、絵コンテ没とか、業界のちょっとぶいぶい言わせてる人が、またやらかしてんなぁ。


でも!やっぱり最後はみゃーもりが、社長が、監督が、なんとかしてくれる。アリアは飛ぶ!づかちゃんはお仕事もらえる!ハッピーエンド!



だと思いますよね。


まさか、

社長交代

監督逃亡

山田さん大出世

残ってるのは円さん、佐藤さんだけ、

タローが演出デビュー

なんて、、、

誰も思いませんね。


描きたかったことは?

皆さんの感想もごもっともだと思います。僕も、最初のデフォルメアニメのあらすじ段階では、「ああ、またあの頃のSHIROBAKOに会える」と思ってました。


けど、描かれていたのは、挫折と苦悩と、厳しい現実。


ただ、やはりメインに据えてあるものは変わらずで、「上山高校アニメーション同好会の5人の成長」なんですよね。


ただ、たまたま5人が関わる「ムサニ」という環境がガラッと変わっただけで。

だって、辛いことをいうと、5人の中で前よりしんどい状況なのって、みゃーもりくらいで。


えまちゃん →作監をやるまでに成長

づかちゃん →声優として多少タレント路線ではあるものの、露出増えてる

みーちゃん →CGクリエイターとして成長、部下のサポートに入るまでに

りーちゃん →舞茸さんに実質弟子入り。新進気鋭の脚本家として売れ出す

しんどいはずのみゃーもりも、社員が少なくなったとはいえ、ラインプロデューサーに昇進してるし。


決してネガティブ要素だけではないのが分かります。


なんか違う、が起きたもう一つの理由

ムサニ というくくりで見ているか、主人公5人で焦点を当てて見ているか、それで変わるのかな?と思います。


そして、それは限りなく僕ら社会人にとって遠い話ではない、リアリティを持った話だったんじゃないかと思います。


テレビシリーズで、みーちゃんは転職してるし、づかちゃんは下積み他の人達より長いし、りーちゃんは社会人ですらなかった。

5人もいたら、すぐに活躍できる人、なかなか芽が出ない人、最良の場所と巡り会える人、出会えない人様々です。


今回の劇場版では、たまたまメインのみゃーもりの会社が傾いて、組織基盤が崩れて、自身の方向性も見失ったタイミングで。

それが、至近距離だったから全体的にネガティブ、ローテンションな雰囲気に感じたのかなーと思います。


テレビシリーズのづかちゃんの状況なんか、結構しんどかったけど、タローたちや、堂本さんたちの飲みのシーンと相まって、ちょっとコメディっぽく描かれてたし。そこのさじ加減かなと。


本筋は、自分のスキル、周りの環境、心情の変化などで前と違う悩みが出てきた。それを各々がどんなことに気づき、成長するのか。そこを描いてることには変わらないかと思います。



と、つらつら書きましたが、ぶっちゃけ僕も終わった直後は放心状態。とんでもないものを見せられた、、、と思ってました、



でも、よくよく考えると働く5人の物語は変わってない。むしろ、リアリティ増してて、心が締め付けられる、すごい!に感想が変わりました。



ということで、続きはまた今度。

今週末には2回目観に行こうかなー。