シティリーグ準優勝!! 「超越スイクン」
お久しぶりです。ナップと申します。10/9(土)に八王子で行われたシティリーグで準優勝することができました。今回はサイドを先取されても逆転する力に長けた超越スイクン というデッキを使いました。少し昔からポケモンカードをされている方ならわかると思うのですが、豊富なドローで中盤以降相手の動きを止めて逆転する「ゾロアークGX」を彷彿とさせ、回していて非常に楽しいデッキとなっています。今回はシティのレポートと共に、このデッキの紹介をさせていただきたいと思います。是非、これからシティリーグやCLに参加される方は参考にしていただければ幸いです。
簡単に戦績を書かせていただきます。記事購入の参考にしていただければと思います。
シティ2020 シティ2021
S1 優勝 S4 準優勝
S2 ベスト8
S3 中止
CLには抽選が絡んであまり参加できていませんが、シティリーグでは、まずまずの成績を残せていると思います。以下に昨年のシティリーグで優勝した際の記事を載せておきます。こちらは全文無料です。
1. 環境考察とデッキ選択
環境考察については、多くの方々がされているものと大差ないため、簡潔に済ませたいと思います。CL京都では、ミュウVMAXが23%、ゲンガーVMAXが12%、スイクン系統(白馬含む)が12%、三神(アルセウス&ディアルガ&パルキアGX)系統が10%、以下ムゲンダイナVMAXやカラマネロなどといったデッキ分布であり、そこから1週間も経たずに開催される今回のシティリーグでは、環境も大きく変化しないと判断しました。強いて環境が変化する点を挙げるとするならば、うねりの扇というグッズの強さが認知された点、クワガノンといった新しいデッキタイプが登場した点があると思います。
デッキ選択にあたって、やはり現在の環境で最優先に考慮すべきはミュウVMAXのデッキパワーの高さです。GXやV、VMAXを主軸としたデッキに対して、ミュウVMAXは先攻2ターン目にサイドを2枚先取することができます。また、これを無色2エネルギーで達成することができ、豊富なサポートカードも相まって非常に再現性が高いです。
このデッキパワーの塊に抗う手段として、1.非GXやV(以下、「非エク」)を主体としたデッキで戦う方法、2.悪弱点をついて倒す方法、3.頂への雪道から逆転を狙う方法、4.エネルギーを狙ってテンポを奪っていく方法などが考えられますが、今回は3を選択することにしました。その理由はミュウVMAX以外への勝率を安定させるためです。現在の環境では頂への雪道が刺さるデッキが多く、ミュウVMAX以外の対戦でも効果的に働くことが期待できます。また、非エクを主体としたデッキは、カード単体での性能が低く、要求されるカードの枚数が多いことが特徴として挙げられます。これは悪系統のデッキにも言えることですが、頂への雪道が多く採用される現環境では終盤にリセットスタンプから止まってしまうことも多く、デッキの安定という観点からも避けることにしました。
そこで、今回使用した超越スイクンというデッキに辿り着きました。このデッキは上述した3のアプローチからミュウVMAXに対抗することができ、このプランを用いて環境のデッキを幅広く見ることもできます。また、先攻を取れば、スイクン特有の速攻によりサイドを先取してペースを掴んでいくことも可能です。まさに、攻守に優れたデッキであり、プランを2つ使い分けられる点が強みです。
以上が無料部分となります。有料部分では、デッキレシピ、60枚それぞれの採用理由、不採用カード解説、このデッキの基本的な立ち回り、各対面との相性と立ち回りについて書いています。このデッキは環境の上位デッキに幅広く戦っていける性能があり、今後のシティのデッキ選択に迷っている人に是非オススメしたい内容です。また、いわゆる宇宙ムーブができるようにデッキを作成しており、それが決まると非常に気持ち良くなれます。
2. デッキレシピ
ご購入ありがとうございます。このデッキは、往来のインテスイクンと呼ばれるデッキをベースにしたものとなっています。クイックシューターのインテレオンは最小限に抑え、裏工作のインテレオンをベースにした構築となっています。オドリドリGXのたむけの舞やスイクンの毎ターンの俊足、裏工作を駆使して必要パーツをかき集め、逆転を狙っていくデッキです。以下、採用カードの解説に移ります。(常態)
3. 採用カード解説
・スイクンV 4枚
1試合で使う枚数は2〜3枚だが、スタートしたいポケモンなので4枚。このデッキのメインアタッカーであり、ちょっとしたドローソースになる。毎ターン1枚のドローは1試合の合計で5枚程度になるため、馬鹿にはならない。
・メッソン 4枚
場にできるだけ多く置きたいポケモンなので、4枚。常に1枚は場に置いておくことで、次のターンにジメレオンやレベルボールなどから動けるため、手札干渉に強くなる。
・ジメレオン 3枚
当初は4枚で調整していたが、4枚目を使わないことに気づき、レベルボールを増やした方が汎用性が高いと思い、3枚で採用。このデッキは博士の研究を採用しておらず、リソースを大切にするため、この枚数で十分足りた。
・インテレオン(裏工作) 2枚
1枚でも回収ネットで使い回すことで足りなくはないが、デッキのコンセプトとなるカードなので2枚採用。フーパが挟めそうにない時はサイド1枚のアタッカーにもなる。
・インテレオン(クイックシューター)1枚
当初は採用せずにデッキを組んでいたが、どうしても火力不足が気になることがあり、仕方なく採用。このカードをジメレオンに重ねる時は、どうしても20点を載せたい時だけであり、それ以外は進化させてはならない。このカードを場に置くことは、裏工作のインテレオンに比べてトレーナーズ2枚分損すること、手札干渉に弱くなるということを理解した上でするべきである。
・フーパ 1枚
このデッキの弱点である2-2-2とサイドを取られて負けることを防ぐカード。このデッキにおいて、サイド1枚、エネルギー1枚で挟めるアタッカーは強い。1ターン稼いでくれることに加えて、終盤のリセットスタンプも強くしてくれる。しかし、全試合使うわけではなく、雪道との相性も悪いため1枚。
・ミュウツー 1枚
「なぜ誰も使わない?」と言いたくなるほどスイクン(裏工作軸)と相性がいいカード。トラッシュのサポートをデッキトップに載せ、俊足やたむけの舞で引くことができる。回収ネットを裏工作ラインと共有することができ、このデッキに最高の1枚だった。デッキの枠的に多くを採用できないピン刺しのサポートを複数回使いまわせるため、枠の節約にも貢献している。ちなみに、雪道が置かれていても裏工作と併せてトラッシュのサポートを手札に加えることができる。
・マーシャドー 1枚
頂への雪道を通したいデッキなら1枚は必ず入れるべきカード。また、相手の雪道を剥がす手段が他にないので、その役割も担っている。ベンチに置いておくことでスイクンの火力も上がり、安心感も与えてくれる優れた1枚。
・オドリドリGX 1枚
逆転の際に必要なパーツをかき集めるために必要なカード。特性を発動することができる機会は割と多く、1試合で2〜3回は見込むことができる。また、バトル場のスイクンを倒されることがこちら側にとって一番辛く、相手もそれをわかってスイクンを倒しに来るため、このカードが狙われることが少ない。キャプチャーエネルギーから呼ぶことができる点もグッド。
・デデンネGX 1枚
本来は採用したくないカードではあるが、採用してからは大活躍をしてくれた。採用の理由は事故回避が1番の目的ではあるが、中盤以降に手札干渉から復帰する手段にもなり得る。よく白馬スイクンはクロバットVを1枚採用していることが多いが、事故回避が一番の目的であるのにも関わらず、そこに妥協があってはならないと思い、デデンネGXを採用。一応デデンネGXが他に優れている点とすれば、相手のガラルサンダーVのエネルギーを1つ多く要求できることや水エネルギーを能動的にトラッシュに送れることである(後にメロンで回収する)。
・クイックボール 4枚
キャプチャーエネルギーを採用しており、レベルボールも採用しているため、4枚必要ないのではと考えたこともあった。しかし、1ターン目だけでなく、中盤以降もミュウツーやオドリドリ、2体目以降のスイクン等に触る際に使うこのカードはいつ手札に来ても嬉しく、最悪デデンネから事故を回避することもできるため、4枚になった。ちなみに、メロンでのエネ加速に必要となる水エネルギーがトラッシュにあるという条件を能動的に満たす数少ない選択肢の一つである。
・レベルボール 3枚
当初は2枚で調整していたが、4枚目のジメレオンが上述した理由で3枚目のレベルボールになった。いつ手札に来ても嬉しいカードではあるが、枠の関係で3枚。
・進化のおこう 2枚
このカードとポケモン通信でしかグッズからはインテレオンに触ることができない。ジメレオンにも触れるためもっと枚数を増やすことも検討したが、1ターン目に使えるレベルボールの方が安定に繋がると考え、2枚。
・ポケモン通信 1枚
ポケモンを19枚採用しているため、このカードを強く使える場面は多いが、どんどんポケモンを場に置いていきたいデッキであり、コストが重いという欠点がある。それでも、デデンネGXの巻き込み事故からポケモンを守る選択肢が欲しかったので1枚採用。
・回収ネット 3枚
裏工作のインテレオンを使いまわしたり、ミュウツーを使いまわしたり、バトル場のポケモンを回収してポケモン入れ替えのように使ったりなど、使用用途は多岐にわたり、非常に重宝したカード。このデッキの強さの原動力となったカードではあるが、ある程度盤面が形成された後に真価を発揮するため、初手に来ても嬉しい場面は少なく、3枚に留めた。
・たっぷりバケツ 2枚
スイクンが攻撃に2エネルギーを要する以上、2枚エネルギーを持ってこれるこのカードはやはり強く、サイド落ちケアで2枚。
・タフネスマント 2枚
1試合で使うスイクンは2〜3体であり、必要に応じて確定サーチができるこのデッキでは2枚で十分だった。
・リセットスタンプ 2枚
雪道スタンプはこのデッキの主要なプランであり、これをしっかり遂行するために2枚。VMAXが採用されていないため、基本的には相手のサイドが3〜4枚になるタイミングと1〜2枚になるタイミングがあり、2回リセットスタンプを撃つ機会がある。
・やまびこホーン 1枚
スイクンの火力不足を補う役割と相手の計算を狂わせる役割がある。必要に応じてサーチできる点、相手はこのカードをケアすることも可能である点から、1枚の採用。
・マリィ 2枚
単純に雪道との組み合わせが凶悪。また、リソース管理が大切なこのデッキにおいて、手札のカードを大切にする役割もある。このデッキには、必要な時は強いが、今は必要ないというカードも多く採用されているため、それらを守ってくれる。シティ当日は、こちらのマリィから相手の動きが遅れることが何度かあったので、よく活躍してくれた。
・メロン2枚
スイクンが攻撃に2エネルギーを必要とする以上、エネルギー加速がないと攻撃できないという状況になることが多く、その点を補ってくれる。ドローする能力は3枚と控えめであり、あまり期待できないが、このカードがどうしても必要という状況は多くあるため、サイド落ちケアで2枚。
・とりつかい 1枚
このデッキ唯一の入れ替え札。1枚で多くの役割を担ってくれており、枠の節約になっている。このカードの利点としては、ブラッキーVの「黒い眼差し」やゲンガーVの「黒いまどろみ」を撃たれてもベンチと入れ替えることができる点、ミュウツーで使いまわせる点、心許ないがドローソースになってくれる点である。攻撃したいスイクンがバトル場にいる状況でも、回収ネットを多投しているため純粋な3ドローとしても使うことができる。
・マチスの作戦 1枚
このデッキが1ターンにできることの上限を伸ばしてくれるカード。このカードがあることにより、キバナでエネ加速しつつボスの指令を使ったり、キバナを撃ちながらムサシとコジロウを使うことなどが可能になる。特に、キバナは必要なパーツを1枚持ってくることができるため、よくマチスの作戦と一緒に使うことが多い。
・キバナ 1枚
イメージとしては序盤、中盤に使うのがメロン、中盤以降に使うのがキバナ。上述したようにマチスの作戦と併せて使うことが多い。ちなみに、裏工作インテレオンをアタッカーとして起動する際には唯一のエネ加速手段となる。
・ムサシとコジロウ 1枚
最後のターンに使うことが多い。雪道スタンプと併せて逆転をより確実にするために必要なカード。相手の可能性をデッキトップの1枚に限定することができ、勝利を近づけてくれる。マチスの作戦があるからこそ採用できる1枚であり、これが決まると非常に気持ち良くなれる。また、初見の相手が不用意に手札を2枚以下にして番を返してきた際に初見殺しをすることもできる。
・ボスの指令 2枚
先攻を取った時に2ターン目からこのカードを使ってサイドを先取する動きは純粋に強く、できることなら毎試合したい動きであるためサイド落ちケアで2枚。現物2枚では足りないこともあるが、その場合は必要に応じてミュウツーで使いまわす。
・頂への雪道 2枚
主要なプランである雪道スタンプに必要なカードであり、サイド落ちケアで2枚。サイド落ちしていなければ、1枚目は雑にマリィと同時に使ってしまうこともある。1枚目を相手に剥がされても、そこで相手はリソースを切っているので2枚目が通りやすくなる。
・キャプチャーエネルギー 3枚
本来は4枚投入してデッキの安定感を図りたかったが、うねりの扇がCLで大流行したことを踏まえ、3枚に減らした。
・水エネルギー 6枚
1ターン目に手張りすることはこのデッキの基本中の基本であるため、できるだけ多く採用したかったが、枠の関係もあり6枚に留めた。たっぷりバケツも含めると初ターンに水エネルギーに触れる枚数は6+3+2=11枚となっており、俊足で1枚ドローできることも考えると、自分が納得できるギリギリの枚数となった。
4. 不採用カード解説
・白馬バドレックスV、VMAX
なぜ白馬スイクンではないのかについて少し詳しく説明したいと思います。まず、白馬ラインを削ることでカウンター系のカードを多く採用できているというのは前提ですが、白馬を入れない方が強いという点が明確にあります。それは、サイドを綺麗に取り切られてしまう点と自分の要求が上がってしまうという点の2点です。まず、サイドについてですが、1-2-3と綺麗に取り切られてしまいます。特に、1-2や2-1とサイドが進んでしまった場合には、リセットスタンプを強く使える場面が1回しかなく、その際にはムサシとコジロウを使ってハンデスをすることもできません。つまり、先攻2ターン目にサイドを先取された試合では、相手を止めることができないまま負けてしまう可能性が高いです。次に、要求が上がる点について、白馬はスイクンに比べて攻撃するハードルが高いです。白馬バドレックスVを進化させなければならない点に加えて、ダイランスを使えばエネルギーがトラッシュされてしまいます。そのため、自分の動きにリソースを割かなければなりません。スイクンであれば、相手をハンデスしながらバトル場のポケモンを倒し、倒されなかった返しにボスの指令を撃って勝てますが、白馬であればもう1度メロンを使わなければならず、1ターン余計にかかってしまうことになりかねません。故に、このデッキでは白馬バドレックスを採用していません。
しかし、白馬スイクンがこのデッキより優れている点もあります。特に、雷デッキに対しては弱点分散を行うことができる白馬スイクンに軍配が上がります。今後の環境次第ではありますが、クワガノンや雷軸レックウザ等が増えるならば、白馬スイクンを検討すべきだと思います。
・ミュウ(ベンチバリア)
クワガノンや連撃ウーラオスとの対戦を考えて、このカードを採用する選択肢がありました。しかし、クワガノンについては、バトル場のスイクンを弱点込みで倒すことが相手側の一番強い行動であるため、ベンチバリアが有効に働きません。また、連撃ウーラオスについては、ミュウがあれば勝率が上がりますがなくてもベンチ管理をすれば勝てます。現に準決勝で対戦した際にはベンチ管理を意識して勝つことができました。それでも、連撃ウーラオスに対して有効に働くカードであることは間違いないため、今後の環境次第では採用を検討してもいいカードだとは思います。
・マタドガス(ホワイトホール)
リセットスタンプ、ムサシとコジロウと併せて相手がサイド3枚の時にもハンデスをすることができるカードです。三神ザシアン(ガラルファイヤー)、連撃ウーラオスがサイドを3-3でとることを目指してくるため、それらのデッキに対してハンデスを狙うことができます。しかし、このカードに割く進化のおこうやポケモン通信の余裕がない点、使う場面が限定的すぎる点から不採用にしました。一時期採用していた時期もありましたが、相手のサイド3枚でのハンデスは成功率が低く、不採用にして正解だったと思います。
・穴抜けの紐、ポケモン入れ替え、風船
純粋な入れ替え札に割ける枠はどんなに多くても2枚と考えており、序盤に使ってしまった後、終盤に裏を呼ばれて縛られるという展開を避けるために何度も使いまわせるとりつかいを選択しました。それにより、穴抜けの紐やポケモン入れ替え、風船は自然と抜けました。バトル場に非エクがいる時は、回収ネットを入れ替え札として使えるため、他にも用途がある回収ネットを増やす方が良いと判断しました。
・ツールスクラッパー
スイクン同士の対戦で相手のタフネスマントを剥がすために必要なカードです。ミュウVMAXのツールジャマーは剥がさなくても何とかなるため、スイクンミラーのためだけに採用をかなり検討しましたが、汎用性が低すぎる点、スイクンミラーはお互いにベンチを並べ合うためクイックシューターで足りない打点は補えば良い点により不採用になりました。
・うねりの扇
不採用カードの中では一番採用に近かったカードです。CL京都でうねりの扇の強さが認知されたとは言え、まだまだ特殊エネルギー環境は健在であり、採用する価値は十分あります。一番このカードが欲しい対面はミュウVMAXで、具体的にはウィークガードエネルギーを剥がしてフーパで弱点を突くために使いたいと感じていましたが、ミュウVMAX側からすれば、スイクンにフーパが採用されることが珍しい現環境でウィークガードエネルギーの優先順位は一番低く、うねりの扇ケアで基本エネルギーかクイックシューターケアでフュージョンエネルギーを優先して貼ってくると判断しました。また、2体のミュウVMAXの内どちらかの弱点を突ければ十分なため、このカードは必須ではないと判断しました。一番欲しい対面で必須でない以上、今回は枠の都合で不採用としましたが、雑に使っても強いカードであり、今後の環境次第では採用を検討する余地は大いにあると思います。
・博士の研究
事故回避のためにデデンネGXを採用しており、リソースが大切なこのデッキにおいて、これ以上手札を捨てるわけにはいかないと思い不採用にしました。
・エリカのおもてなし
スイクンの打点が相手のベンチの数に依存する以上、ベンチの数を絞られる立ち回りをされることも多く、その際にドローソースとしての役割を果たせないため不採用となりました。
5. このデッキの基本的な立ち回り
リストを見て察した方も多くいると思いますが、このデッキは回すのが難しいです。何でもできるデッキであるからこそ、選択肢が非常に多いですが、その分回していて楽しいところでもあります。以下、このデッキの取り扱いを説明します。
まず、先攻後攻に関わらず、常にメッソンとジメレオンの両方を場に置いておくことを意識します。進化したインテレオンは早めに回収します。そうすることで常に場の受けが広くなり、相手の手札干渉に強くなります。毎ターンの最初には、このターン中のゴールとそのために必要なカードを考えることで、やるべきことが明確になります。
先攻を取り、2ターン目から殴って行けそうならどんどん先殴りをしていきます。サイドを1-2-3といった形で取る場合、最初に相手の重要そうな非GX、Vを倒すとスイクンが倒されたターンにサイドが5-4で負けていることになるのでマチスが使えます。先攻の場合はどんどん攻めていけばいいので、この程度に留めておきます。
後攻を取らされた場合は、先攻の時よりプレイングが必要になります。まず、先攻2ターン目にバトル場のポケモンを倒された状況を想定します。ヒエクが倒された場合、その後非エクのアタッカーを押し付ける利点が少ないのでスイクンを3体押し付けます。相手からすれば、1-2-2-2というサイドプランになります。一方で、先攻2ターン目にVやGXを倒された場合、可能であればフーパの攻撃を挟みます。フーパを挟めない場合はキバナやメロンを用いてスイクンを起動することになります。しかし、どこかで非エクを挟みたいので、次のターンあたりでインテレオン(裏工作)をアタッカーとして起動させることを狙います。自分の手札が少しでも苦しいと感じた場合はオドリドリGXを積極的に使って必要パーツを集めますが、手札に何もないような状況では、デデンネGXから入ることもあります。
終盤以降はリセットスタンプと雪道、ムサシとコジロウなどを集めてハンデスを狙います。ハンデスのタイミングは、相手のサイドが1枚か2枚になったタイミングです。逆転の確率を少しでも上げるため、ハンデスを狙いたいところです。
6. 各対面相性と立ち回り
・ミュウVMAX 先攻有利 後攻五分
フーパを一度挟み弱点を突くことを意識します。もしこの構築がミュウ側にバレており、ウィークガードエネルギーが優先して貼られるようになれば、うねりの扇を採用しないと同じ勝率は保てないと思います。中盤以降は2回雪道を押し付けることを意識し、特に2回目はリセットスタンプやムサシとコジロウも併せてハンデスも狙っていきます。もし、相手のベンチにリセットホールのマーシャドーがいるなら、早めに処理しましょう。マーシャドーも悪弱点なのでフーパで倒しやすいです。また、ミュウ側はタフネスマントが付いたスイクンを倒すのにパワータブレットが2枚必要なため、対戦中マントスイクンを2回押し付けることを意識します。ツールジャマーが付いたミュウにフーパで削りを入れ、次のターンにマントスイクンで倒せるとツールジャマーを発動させずに倒せます。フーパは雪道下で火力が出ないため、なるべく早いターンにフーパを押し付けることで終盤雪道が貼りやすくなります。
・白馬スイクン 先攻有利 後攻五分
基本的には1-2-3でサイドをとります。雪道が効きにくいため逆転の手段が限られる対面です。なるべくクイックシューターを立てることを意識し、相手のマントスイクンを1回の攻撃+クイックシューターで倒すよう立ち回ります。この試合もフーパでメッソンなどを倒せるなら一度挟みたいですが、無理なら裏工作インテレオンを挟みます。白馬はダイランスの反動としてエネルギーを失うため、その隙に手札を流したり、ハンデスをすることで攻撃されないターンを作ることを意識します。
・ゲンガーVMAX 先攻有利 後攻有利
環境デッキの中では勝ちやすいデッキの一つです。雪道耐性があるわけではなく、唯一マントスイクンを一撃で倒せる巨大丸呑みは反動で隙が出来やすいため、そこを狙って手札を流したり、ハンデスを狙います。割とフーパが通りやすいデッキなので、1度フーパを挟めると良いです。勿論、パニックフィアーを警戒してGX、Vを4体以上場におくことはありません。
・三神ザシアン(ファイヤー) 先攻有利 後攻微不利
基本的にマントスイクンを一撃で倒せるのはザシアンだけであるため、ザシアンの処理が最重要となります。現在のザシアンとファイヤーが入った三神はザシアンを2体育成することは難しい(ザシアンが1体しか入っていないか鋼エネルギーが少ない)ため、アルティメットレイで育成されたザシアンを先に倒してしまうことを心がけます。
・連撃ウーラオス 先攻微有利 後攻不利
インテレオンラインを優先的に潰し、1-1-1-3と取るプランと普通に1-2-3と取るプランがあります。どちらのプランを取るにしても、オドリドリGXとデデンネGXは最後のターン以外盤面に置かないことが望ましいです。理由は、スイクンに疾風突き150+巨大連撃でサイドを3枚取得された後にもう一回巨大連撃を撃たれると、再びサイドを3枚取られて負けるためです。こちらのベンチ管理が非常に重要な対面であり、今後連撃ウーラオスが流行るならミュウの採用を検討すべきだと思います。
・ムゲンダイナ 先攻有利 後攻微有利
比較的勝ちやすいデッキの一つです。フーパが刺さるためこのマッチではできるだけフーパを早めに動かします。デッキ構築上リセットホールのマーシャドーが入らないため、唯一の相手の雪道対策である混沌のうねりをこちらのマーシャドーで割り、雪道を確実に通すことができます。雪道下では相手の火力が180しか出ないため、スイクンが一発耐えるようになり、対戦が有利に進みます。
・連撃テンタクル
インテレオン型 先攻有利 後攻有利 チラチーノ型 先攻五分 後攻五分
インテレオン型はオクタンさえ倒せば雪道ハンデスが非常に効きやすいのに対して、チラチーノ型は盤面にドローソースが残りやすいため、勝率が落ちます。どちらの対面でも共通で意識することはフーパを起動させること、オドリドリGXを2回倒すことです。特性持ちが並びやすいデッキであり、カラマネロとオドリドリGXは悪弱点なのでフーパの通りが非常に良いです。また、オドリドリGXを倒した後にやまびこホーンで呼び出して2回倒すとサイドが4枚進むのでサイドレースで優位に立てます。どちらの対面でも終盤にリセットスタンプを用いて逆転を狙いますが、試合を通して相手の引きに依存する点は否めません。
・クワガノン 先攻不利 後攻不利
現在このデッキが一番勝率が悪いです。スイクンが雷弱点であり、他に有効なアタッカーがいないことに加え、相手が非エクであるため、どうしてもサイドレースが不利に進むためです。一応終盤にリセットスタンプからハンデスを決めることは可能ではありますが、止めなければならないターンが複数あるため、相手に2~3回のトップドローを許してしまい、その間に解決されてしまう可能性が高いと考えています。個人的に、今後の環境では徐々に数を減らしていくデッキだと考えてはいますが、仮に大流行となった場合はこのデッキを使うことは現実的ではないと思います。(白馬スイクンにミュウを入れた形では勝率をある程度確保できると思うので、似たようなデッキを使うならそちらをオススメします。)
7. シティ当日のマッチアップ
1回戦 パンプジン(百鬼夜行) 後攻6-0 ○
序盤に使ったマリィによって相手の動きが遅かったため、その間に攻めて勝利しました。
2回戦 ヨクバリスVMAX 後攻0-6 ×
先攻2ターン目、先攻3ターン目にメッソンを2回倒されて試合が終わりました。
3回戦 連撃インテレオンVMAX 後攻6-5 ○
序盤こちらの動きが遅く、サイド5枚を先取されましたが、オクタンを倒してリセットスタンプを撃ったら、連撃エネルギーに触られないターンが複数あったので、その間にサイドを取り切って勝ちました。
4回戦 白馬バドレックスVMAX 後攻6-2 ○
先殴りできたので相手のジメレオンを潰しつつ、返しでスイクンが倒されるように誘ってマチスの作戦を使えるようにしました。既に相手は入れ替え札を使っており、トラッシュに水エネルギーもなかったので裏のエネがついていない白馬に一発入れながら手札を流したら案の定1ターン貰えたので、そのまま白馬を倒しつつテンポを保って勝ちました。
予選3-1 6位通過
決勝トナメ1回戦 リーフィアブラッキー 先攻6-2 ○
こちらのマリィで相手の動きが遅れ、そのままテンポを掴みました。中盤ハンデスが決まった返しにトップクロバットVで解決され、ヒヤッとしましたが逆転には至らず勝ちました。
準決勝 連撃ウーラオス 先攻6-3 ○
先攻を取りましたが、こちらの手札が芳しくなく、デデンネGXを使うか非常に悩みましたが我慢。中盤に巨大連撃を使われて盤面の唯一のメッソンとエネ付きのスイクンを飛ばされ、かなり追い込まれましたが、序盤に温存したデデンネGXとオドリドリGXを駆使して、何とかメロンとリセットスタンプを引き込み、そのまま逆転勝利しました。
決勝 ヨクバリスVMAX 後攻0-6 ×
予選で対戦した方とまさかの再戦。リベンジに息巻いていましたが、大事故により何の見せ場も作れず負けました。
8. おわりに
ここまで超越スイクンというデッキを紹介させていただきましたが、魅力的に感じていただけたでしょうか? 非常に難しいデッキですので、疑問点がある方もいらっしゃると思います。何か質問がある方はTwitter @nap_wspk までお願いします。使っていて非常に楽しく、強いデッキですので、是非一度使用していただければ幸いです。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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