大人の歯列矯正備忘録~16.歯ぐきはお元気ですか
なかなか整列をしてくれない1本のために、上下の歯に小さな輪ゴムをかける日々にも、ようやく光が見えてきた。
ブラケットにワイヤーを固定するゴムにもいろんな種類があるらしく、数本をまとめてかける強いゴムバンドがつけられたりしていて、その効果でみんながようやく整列してくれたようだ。
歯の裏側を舌先でなぞっても、並んだのがわかるようになった。
無駄にレロロロ……と歯をなぞってしまう。
なんならちょっと微笑んでしまったりする。マスクの後ろで、ニヤけている。
最初は気づいていなかったけれど、パワーバンドみたいな単語が聞こえたりして、ワイヤー交換のときに、なんとなくこんな→ ∞∞ お団子が連なるようなゴムを、びろびろ……と外しているのがわかったときがあった。
個々に留める小さな→○ ○ ○輪ゴムは、ワイヤーを固定する役割のイメージだったけれど、お団子のような∞ゴムバンドはそれぞれの引き合う力、ゴムの元に戻ろうとする力を使っているのだろう。
そこに加えて上下の突起に引っかける小さな輪ゴムの力と、動くすき間をつくるための歯間のこぎりでの微細な調整で、半年以上かけて並び終えた(と信じたい)。
まだ、ワイヤーを外す日が決まったわけではないけれど、確実に見えている次の戦い。
ブラケットを外す痛さが、矯正をする上で最も痛いという話もお見かけしていて、その怖さあるけれど、外さない選択肢などないのだから、あとは痛みを乗り越える覚悟だけだ。
ワイヤー外したその次は、マウスピースになるのかな。
しかし、問題はそこだけじゃない。
わかっていながら直視することを避けてきた、歯ぐきの衰退もしっかりと指摘された。
明らかに手抜きしていた自覚もあるし、もはや道を見失っていたところもある。
久しぶりに電源を入れて、さあこの旅を再開しましょう!と言われても、どこの町に行って誰に話を聞いて……私の敵はどなたでしたか?状態だった。
どこかの町にいる誰かに敵の居場所を聞くことしか覚えていない、概要だけの記憶。うろうろしてみていたけれど、進まない旅。
しかし、いよいよ次の戦いが見えてきたわけで、今この敵を倒さねば先へは進めぬと重い腰を持ち上げて行ってきました。
そしてしっかり指摘を受けて、なすべき事を教わり、戦い方も指導され、その成果チェックの日取りも決められた。待ったなし。
入れ歯の世話にはならないで、いつまでも自分の歯で美味しい暮らしをしていけるように。
入れ歯にするよりお金かかってない?って気もしないではないけれど、選んだ道に後悔はないと思うこと、そこはぶれちゃいけない。
がんばれ、がんばれ自分。