ヘブン

ヘブン　12月10日に行きそうになったよ
ヘブン　君は僕に会いたそうにしていたね
ヘブン　けれどなんか僕はどうもまだやりたいことがあるような気がして
ヘブン　本当は君なんかより僕の方が似合ってるかも知れないのにね
ヘブン

ヘブン　今日は鉄格子の畳の部屋で寝たよ
ヘブン　点滴を繋がれ何も持たせてもらえない
ヘブン　というよりは無人島に難破した船のようで
ヘブン　ガタガタ僕の身体は揺られていた
ヘブン

ヘブン　どうしてあの夜窓から月が見えなかったの？
ヘブン　よくある映画とかじゃ綺麗な月が見えるもんだろう
ヘブン　曇っていて部屋に時計もない僕には
ヘブン　どうして何時で何日かどうかもわからないところへ来てしまったのだろう
ヘブン

ヘブン　まだまだお酒も美味しいご飯も食べれていないよ
ヘブン　僕の大好きなタバコも吸えないままさ
ヘブン　けれど不思議だね心の音は聞こえるよ
ヘブン　僕と君の心の電波かな？
ヘブン

ヘブン　お前はこれからも時々顔を出しにくるんだろう？
ヘブン　連絡もなしに来るなんて僕と同じじゃないか
ヘブン　まあもうしばらくは遠いから来なくてもいいだろう？
ヘブン　ガソリン代も高くつくだろうしね
ヘブン

ヘブン　今度来るなら「あいつ」を連れて来てくれよ
ヘブン　19と25で逝ったあいつらのことさ
ヘブン　秋田とか大阪くらいすぐに行けるけどさ
ヘブン　お前らふたりとも、もうどこにいるかさえわからくなっちまったじゃねえか
ヘブン

ヘブン　いいか人には順番ってものがあるらしい
ヘブン　それは人間が勝手に決めたルールみたいなもんさ
ヘブン　僕にはなんだかよく分からないけれど
ヘブン　帰ったら伝えておいてくれ、僕はもう少しこっちで頑張るからって
ヘブン

ヘブン　お土産なんかどうせだから持たせておこうか
ヘブン　重たいビール瓶50ケースくらい
ヘブン　だってそうでもしないとお前誰かを、誰かを、誰かを…
ヘブン　もう少し　もう少し　もう少し
ヘブン

ヘブン　なんで俺を置いてあの子を連れて行ったんだ？
ヘブン　おかしいだろう？答えてくれ！お前は宇宙一狂っている
ヘブン　もしもお前の方が正しいのだとしたら
ヘブン　俺は、俺は、俺は…
ヘブン

ヘブン　グッバイ　ヘブン　グッバイ　ヘブン