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葛利毛織で働くと決めたワケ。2/2

○前回のあらすじ

4大に通う服好き大学生が『繊維業界』に絞り、就活をスタートさせる。名古屋の繊維商社を中心にインターンや説明会に参加するがしっくりこない。
そんなとき見つけたのが『尾州織物でみる "ハイブランドの裏側" にふれる旅』という大ナゴヤ大学さんが主催するツアー。
このツアーを終えた僕は、本当にやりたいことを見つけ、就活のベクトルを大きく変えることとなった。。。

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ツアーの翌日、興奮冷めやらぬ僕は『HPがないけど良質で高級なもの』を織っている機屋を探し尽くしました。HPがない理由は前回もかきましたが、シンプルにお金がないからです。
作ったところで意味ないと思うよっていう意見もあると思いますが、作ったことないのにそんなことわかるんですか?って僕は思います。

バブルが弾けた後、価格競争に巻き込まれて潰れる機屋は五万とあるなかで、現在残っている機屋はその時代を切り抜ける耐久力を備えているということになります。
もうこのあたりから「1世紀も受け継がれるものって、どんなものなんだろう」とヨダレが止まりませんでした。


次に、探し出した20社程度の中から『事業内容』と『従業員数(ここ大事)』を確認し、興味のあるところに1社ずつ電話を入れていきました。

なぜ僕の中で従業員数が大事だったかと言うと、『目先のお給料』を捨てて、『経験』を取ろうと決めていたからです。

やりたいことをやりながら多くのお金が貰えれば、それは確かに理想かもしれないですが、初めから実現できるほど甘い世界ではないことは分かっていました。

仕事として目指すべきは『他人にはできないことで利益を出せる』なのかなあとボンヤリ思っていたので、10年20年先を見た時、おそらくこっちだろうなと。

とはいえ決断に正解なんてなくて、選んだ道をどう正解にしていくかの作業なので、その決断に良いも悪いもありません。
要するに、

『やりたかったからやった』

です。

僕は『死ぬときに後悔しない生き方』を軸にしています。その具体例の1つが『チャレンジすること』です。ここについてはまた違う記事で書こうかなと思うので、今回はサラッと。

ちなみに、メンタリスト DAIGOさんのYouTubeの内容で「やるべきタスク(義務)への後悔と、理想(夢)を追い求めなかった後悔のどちらの後悔が将来重くなるのか」という研究結果が取り上げられていました。
結果は『やるべきタスクをやらなかった後悔は3割弱の人が持っていた。それに対し、理想を追い求めなかった後悔を持っているという人は7割を超えていた。』ということでした。
是非みなさんも胸に手を当てて考えてみてください。(余計なおせっかいです、すいません)


話を戻して、就活の電話内容ですが、大抵は「中京大学の上むるぁ」ぐらいで

「ウチは募集してないので」

と言われます。半分ぐらいは言われました。
ちなみに、葛利毛織も。笑

ただ、そんなことで引き下がっていては、就職はおろか、自分のことを知ってもらうことさえできません。なので、「募集してないので」に被せるように「工場見学だけでも!」とか「どうしてもお話を聞いていただきたいんです!」と言って食らいつきます。そうこうしていると、しょーがねえなという感じで相手側がが折れて「1度お話しましょう」となってくれます。

そんな感じで10社程度を訪問・見学させていただきました。(お忙しい中、お時間いただきありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。)


その10社のなかで、僕は最終的に葛利毛織工業株式会社を選びました。

それはなぜか。

これは僕が大学時代にハマっていた『古着』の話を深掘りする必要が出てくるのですが、要するに

良いものってなんだろう

というところです。

その答えを、僕は就活に求めていたんだと思います。そして、それがある機屋に入ろうと。

そんな想いを持ちながら訪問させていただいた機屋さんの多くは「売れるものを」「トレンドに遅れをとらないように」ということをおっしゃっていました。
別にこれが悪いことだとは思わないです。ビジネスの世界なので。

ただ、僕が求めていたのは、ものづくりの現場に携わることですので、何か違うなという感覚はありました。

そんな中、葛利毛織の専務だけが言った一言があります。

『自分たちを必要としてくださる1%の人に向けて、熱量を持って企画・製造していきたい。』

という言葉です。

ものづくりの現場に携わるなら絶対にここだと確信した瞬間でした。


こうして僕は就職先を『葛利毛織工業株式会社』に決め、何度も専務から「零細企業だから他の会社に行ったほうがいい」と脅されながらも決断は揺るぎませんでした。

そして、もうすぐ入社から2年が経とうとしていますが、やっぱりこの会社で良かったなと強く思っています。

長くて拙い文章を最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。
これからもどうぞよろしくお願い致します。

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