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赤羽はパリと似ている?屋外空間の活用について

赤羽とパリの共通点

みなさんこんにちは!齋藤尚哉(さいとうなおや)です。先日十条にあるサケラボトーキョーで日本酒の「飲み比べコース」をいただきました。いろいろな種類の日本酒を堪能することができたのですが、飲みやすい日本酒ばかりで「悪酔いしたくないな…」「日本酒の風味が苦手かも…」という固定観念をすべて覆してくれました。リピートします!!

さて、今日は「赤羽はパリと似ている?屋外空間の活用について」というテーマについて議論したいともいます。

パリにおける屋外空間の活用

意外かもしれませんが、私はパリにある大学院に留学していました。ESCP Business Schoolという大学院で、卒業したマーケティングのプログラムはQSランキングで世界第4位にランクインしています!居酒屋で披露できるプチ自慢のひとつです(笑)

さて、そんなパリでの留学生活ですが、貧乏学生ということもあり散歩をよくしていました。とはいえそこはパリ。散歩しているだけでも風景や建物が綺麗で、黄昏時に橙色に輝きはじめるセーヌ川や深夜にライトアップされたルーブル美術館等は圧巻でした。

パリを散歩していて発見したことがあります。それは屋外空間を活用するのが上手ということです。歩道幅に余裕があるところで営業している飲食店には屋外席があることがほとんどで、自然を愛するフランス人には屋内席よりも屋外席のほうが人気です。屋内席はガラガラだけど屋外席は大繁盛ということもよくあります。

特に夏場は21時頃まで太陽があるので、「残業後に日光浴しながらロゼワイン」なんてライフスタイルも実現できます。もちろん日本と比較してフランスは乾燥した気候で、蚊等の害虫もほとんどいないという差異はありますが、それでも屋外空間を活用することへの情熱はフランスならではのものだとおもいます

フランスには「公道における露天およびテラスの設置に関する条例」という条例があり、商業利用できる歩道の面積や店舗設備の要件等についてルールが定められています。おもしろいのはシャンゼリゼやオペラ座等、都市経営の観点から重要な地域には一層厳しい規制があり、例えばパラソルの色等も指定されていたりします。

パリと似ている赤羽!?

一方、私達の赤羽。実はパリのように屋外空間を活用することへの情熱が半端ないんです!!!

「赤羽がパリ…?」と思われるかもしれませんが、一番街の飲食店には屋外席を設置しているところが多数あり、赤羽駅西口にあるビビオの1階にある飲食店にも屋外席があります。夏場であろうが冬場であろうが屋外席が繁盛していて、Conviviale(和気藹々としたという意味のフランス語)な雰囲気もあります。散歩しているとどことなく既視感があり、

あ、パリじゃね??

と気づきました。嘘かとおもわれるかもしれませんが、赤羽にはパリの繁華街であるカルチェ・ラタンやル・マレのようなバイブスを感じます

屋外空間の活用による街づくり

コロナで加速した屋外空間の活用

この屋外空間の活用ですが、日本では新型コロナウイルス感染症を契機に加速しました。新型コロナウイルス感染症の初期、いわゆる「3密」を回避する必要がありました。その結果、屋内でサービスを提供している飲食店は客数減少により経営危機に直面します。このような背景のなか、「3密」ではない屋外空間を飲食店に積極活用してもらおうということで、国土交通省により発表されたのが「道路占用許可基準の緩和措置」です。

屋外空間にもたくさん種類がありますが(ex. 空地、公園)、なかでも道路にフォーカスした規制緩和になります。従来であれば、道路に屋外席を設置するには「道路以外に屋外席を設置できる場所がない」ことを証明する必要があり、実施的に道路に屋外席を設置することはNGでした。一方、この規制緩和により「道路以外に屋外席を設置できる場所があってもOK」ということになりました。

この結果、国土交通省のホームページにまとめられているように、全国各地で屋外空間の活用が推進されました

尚、本緩和措置はあくまでも新型コロナウイルスに対応する暫定的なもので。現在は「歩行者利便増進道路制度」(通称ほこみち制度)への移行が推進されています。コロナを契機に加速した屋外空間の活用が制度面でも成熟しつつあります。

街づくりの武器としての屋外空間

街づくりを検討するにあたり、屋外空間の活用は武器になります道路占用許可基準の緩和措置の事例集ほこみち制度の事例集にあるとおり、全国各地の自治体が屋外空間を活用した街づくりを実現しています。

  • 残業後に同僚と屋外席でハイボールと刺身

  • 空気の綺麗な冬に屋外炬燵席で鍋デート

  • 秋晴れのなかテラスでアイスコーヒー

  • 夕暮れのなかロゼワイン

  • 賑わいのある道路で観光気分

とか最高だとおもいませんか?これらの制度とは直接関係ありませんが、渋谷にあるMIYASHITA PARKでは、あえてレストランに屋外席を設置してもらうことで賑わいを演出しています。屋外空間の活用は、最先端の不動産開発案件でも最重要事項のひとつなのです

おわりに

そんな屋外空間の活用ですが、赤羽からすれば「今更?」ですよね。前述の制度が適用されているどうかは要確認ですが、少なくとも店舗の敷地を活用してたくさんの飲食店が屋外席を設置しています。一方、屋外空間を活用できるポテンシャルはまだまだあります。前述の制度を活用した道路の活用や駅前広場の刷新等、屋外空間の活用推進は赤羽を一層発展させる可能性があかもしれません

「屋外空間」をキーワードに理想の赤羽を議論してみませんか?

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