手ぶら登園で手間軽減!保育環境を民間のサービスでアップデートしよう
北区基本構想中間まとめについての意見
最近寒くなりましたね…。体調管理気をつけていきましょう!理由はありませんが、私は風邪ひきそうなときはコーラを飲むようにしています笑
さて、「北区の課題分析」というテーマで記事を書いていることもあり、日常生活でも北区の課題について鋭意情報収集するようにしています。北区の友達や知人と直接会話するのが1番ですが、時間がないときは北区のホームページで委員会の議事録や各種統計を熟読しています。その一環で、2022年9月16日公表の北区基本構想中間まとめパブリックコメント実施結果を読んでいたら、気になるコメントに遭遇しました。
意見提出者は12名で意見総数も94件なので、必ずしもこのパブリックコメントが区民の総意というわけではないかもしれません。一方、高齢化著しい北区では、若者や子育て世代に定住してもらうことが最重要課題のひとつであり、こうして意見表明してくださる方がいることを大変嬉しくおもいます。
「手ぶら登園」とは?
さて、当該意見の冒頭にある「手ぶら登園」のことを御存知ですか?ここでいう「手ぶら登園」は一般名詞ではなく、BABY JOB株式会社という民間企業が提供するサブスクリプションサービスのことです。2021年にSMBCベンチャーキャピタルやみずほベンチャーキャピタルから総額約5億円の資金調達をしており、2021年7月時点で1,000以上の保育施設にサブスクリプションサービスが導入されています。
「手ぶら登園」が事業成長を遂げている背景には、保育の現場における「できるだけ手間を軽減したい」という切実かつ切迫したニーズがあります。保護者におむつを持参してもらう保育園の場合、保護者はおむつひとつひとつに記名しなければなりません。また、保育士も記名されたおむつを個別管理しなければなりません。
…どんだけ手間なんだ!!
ただでさえ保育の現場は激務です。私は高校卒業まで男5人(自分+兄弟1人+従兄弟3人)で過ごしていたので、たくさんの子供がいるという状態がいかにカオスかわかります。保護者も保護者で家事や仕事等、やることは無限にあります。激務な当事者同士が「手間だけどやるしかないか…」と我慢していたのが、このおむつ記名問題なんです。
そんな問題を解決するために「手ぶら登園」が登場しました。保育施設を対象にしたおむつのサブスクリプションサービスです。「手ぶら登園」が保育施設におむつのサブスクリプションサービスを提供し、保育施設もしくは保護者が利用料金を支払うというビジネスモデルを展開しています。
北区における「手ぶら登園」の導入状況
東京23区では、渋谷区が2022年1月から「手ぶら登園」をすべての公立保育施設に導入しています。導入前の実証実験は2カ月で完了しており、スピード感をもち区民の課題を解決しようとする姿勢に共感をおぼえます。
一方、北区では2022年6月10日の北区議会定例会で「手ぶら登園」についての発言がありました。
2022年6月の発言なので、今日まで約半年経過しています。しかし、現在にいたるまで公立保育施設で「手ぶら登園」が導入された実績はありません。関係各所に確認したところ、導入予定でもなさそうです(間違えていたら御指摘ください!)。もちろん時間をかけて費用対効果等を徹底検証することは大変重要ですが、渋谷区が実証実験を2カ月で完了させたことを考慮すると、北区ができることはたくさんあるのではと区民目線では感じてしまいます。
おわりに
費用対効果等、多種多様な観点でサービスを検証することは必要不可欠です。一方、行政が「検証」しているあいだにも、おむつの問題は発生しつづけています。若者や子育て世代に定住してもらうために、北区がおむつの問題にどのようにコミットするか、注視していきたいとおもいます。
ちなみに「名前書くだけなのに」とか「最近の保護者は面倒なことを避けたがる」とか絶対に言わないでほしいとおもいます。当事者が直面する問題を真摯に理解しようとする――これが私達の地域社会をより素晴らしいものにするからです。多数の人間が手間だとおもうことに商機を発見し、地域の課題解決に貢献しつつ事業成長も実現させていく。最高の公民連携の姿だとおもいます。
当事者のための政策立案、みんなでがんばっていきましょう。
尚、おむつについては記名以外の問題もあります——使用済のおむつを持ち帰えるという問題です。こちらについてはNHKの取材記事がよくまとまっているので是非御参照ください。(別途北区の課題分析でも特集するかもしれません。)
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