見出し画像

2023年第2回定例会の個人質問

さいとう尚哉:日本維新の会北区議員団のさいとう尚哉です。「見せてやろうぜ、北区の本気」――私が愛用している言葉です。2014年、北区に隣接する豊島区は消滅可能性都市に認定されました。「このままでは豊島区はなくなる」――こうした危機感のもと、当時の高野区長は豊島区の抜本的改革に着手しました。あれから約9年、現在の豊島区は東京の成長をリードする最先端都市のひとつです。

こうした事例をみていると、いつも感じることがあります――政治の可能性です。「基礎自治体の政治ほど、社会を変革するものはない」ということです。「今、本気で北区を変えていく」――こうした決意のもと6つのテーマについて質問いたします。


空き店舗・空き家を活用した商業振興について

さいとう尚哉:第1のテーマは「空き店舗・空き家を活用した商業振興について」です。私は空き店舗・空き家をチャンスだと認識しています。空き店舗・空き家を有効活用することに成功すれば、これまでにない北区の魅力が創造されるとかんがえているからです。

北区には空き店舗・空き家の活用を支援する制度として「商店街空き店舗活用支援事業」および「コミュニティビジネスチャレンジショップ支援事業」があります。各事業について複数の民間事業者にヒアリングしたところ、制度にいくつか課題があることがわかりました。これらを念頭に質問いたします。

応募状況についての質問です。各事業について過去3年の年間採択予定件数および年間応募件数を御教授ください。

年間採択予定件数についての質問です。「商店街空き店舗活用支援事業」の年間採択予定件数は前期・後期あわせて4件、「コミュニティビジネスチャレンジショップ支援事業」の年間採択予定件数は前期・後期あわせて2件となります。増加傾向にある空き店舗・空き家数と比較して年間採択予定件数が少なすぎるという課題意識がありますが、見解を御教授ください。

区長:私からは、空き店舗・空き家を活用した商業振興について、順次お答えいたします。はじめに、空き店舗活用事業の年間採択予定件数と応募件数についてです。

「商店街空き店舗活用支援事業」の採択予定件数は、各年度4件とし、過去3年間の応募件数は、事業の見直しを行うため休止した令和3年度を除き、令和元年度は1件、令和2年度は4件、令和4年度は1件の応募がありました。また、「コミュニティビジネス チャレンジショップ支援事業」の採択予定件数は、各年度2件とし、同様に事業を休止した令和3年度を除き、令和元年度は2件、令和2年度は1件の応募があり、令和4年度の応募はありませんでした。

年間の採択予定件数につきましては、過去の応募件数を踏まえ、必要な予算を確保してまいりましたが、ここ数年は、採択予定件数に比べ、応募件数が少ないといった状況となっております。

補助対象についての質問です。空き店舗・空き家を活用した事業を開始するとき、民間事業者は多額の初期投資費用を用意する必要があります。特に本制度の想定利用者である個人事業主や小規模事業者が多額の初期投資費用を用意することは大変困難です。こうした課題を解決するために、例えば千葉県流山市では毎月の賃借料7万円にくわえて改装費100万円を補助しています。北区でも賃借料だけでなく改装費等の初期投資費用も補助対象にすべきだとおもいますが、見解を御教授ください。

応募要件についての質問です。本制度には、開業届出書・法人設立書を提出してから1年以上経過していたら応募できないという開業年数制限、他に事業等を営んでいたら応募できないという兼業制限があります。これらの制限があることで既存の民間事業者は本制度を活用できません。千葉県流山市には「市内で2店舗目以上開業の場合、市内既存店舗を閉店させない」という応募要件がありますが、既存の民間事業者でも応募できるというところが評価できます。北区で空き店舗・空き家の活用を一層推進していくにあたり、開業年数制限および兼業制限を撤廃すべきだとかんがえていますが、見解を御教授ください。

対象地域についての質問です。「商店街空き店舗活用支援事業」は商店街にある空き店舗のみを対象としています。一方、空き店舗は区内全域に散在しています。空き店舗の活用を一層推進していくにあたり、商店街以外にある空き店舗も対象とすべきだとおもいますが、見解を御教授ください。

制度の統合についての質問です。「商店街空き店舗活用支援事業」と「コミュニティビジネスチャレンジショップ支援事業」は空き店舗・空き家を活用した商業振興という共通のミッションがあります。将来的に両制度を統合し、区内全域を対象にした空き店舗・空き家の活用支援事業にすることで、空き店舗・空き家活用をダイナミックに推進すべきだとかんがえていますが、見解を御教授ください。

区長:次に、補助対象経費、応募要件、対象地域について、お答えいたします。ご質問の空き店舗活用事業につきましては、地域に根差した起業家を発掘し、育成するとともに、商店街にある空き店舗を活用した、にぎわいの創出や、コミュニティビジネスによる地域課題の解決に向けた取組みを支援することを目的に、実施しております。そのため、募集にあたりましては、初めて起業する方を対象に、開業後1年未満とするなどご指摘のような要件を設けてまいりました。また支援内容では、開始した事業を継続できるよう、開業時の初期費用ではなく、店舗賃借料の一部補助や、専門家による経営支援を行っております。

このような状況の中、令和3年度には事業を休止し、空き店舗活用の推進に向けて、区内不動産業団体と連携を図るなど、事業の見直しを行ってまいりましたが、未だ応募件数が十分とはいえないため、引き続き、起業セミナーなどの機会や、区内不動産業団体の協力を得ながら、制度の周知に努めるとともに、他自治体の取組みなども参考にして、補助対象とする経費や応募要件などの見直しを検討してまいります。

まちづくりについて

エリアマネジメントについて

さいとう尚哉:第2のテーマは「まちづくりについて」です。まず、エリアマネジメントについて質問いたします。2020年、新型コロナウイルス感染症により経営危機に直面した飲食店等を支援するため、国土交通省はテラス営業の規制緩和を実施しました。これが契機となり屋外空間の価値が再評価され、現在のエリアマネジメントでは屋外空間を活用することが一般的になりつつあります。芝生広場でビアテラスを開催した品川シーズンテラスエリアマネジメントや、歩道でストリートマルシェを開催した新虎通りエリアプラットフォーム協議会等、事例をあげればきりがありません。王子駅周辺のまちづくりにおいても、エリアマネジメントで活用することを前提に屋外空間を設計すべきだとおもうのですが、見解を御教授ください。

エリアマネジメントを持続可能なものにするには財源が必要です。例えば二子玉川のエリアマネジメントを実施する二子玉川エリアマネジメンツは、二子玉川駅交通広場で広告事業を展開することで財源を確保しています。王子駅周辺のまちづくりにおいても、例えばデジタルサイネージの整備等、エリアマネジメントを実施する団体が事業展開することを前提に空間設計すべきだとおもうのですが、見解を御教授ください。

カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社が運営する蔦屋書店は、エリアマネジメントに親和性のある民間事業者のひとつです。例えば函館蔦屋書店では「コミュニティづくり」というコンセプトのもと多種多様なイベントを開催したり、中目黒蔦屋書店は中目黒駅周辺でエリアマネジメントを実施するナカメエリアマネジメントに参画したりしています。民間事業者として魅力ある事業を展開しながらもエリアマネジメントに親和性があるという意味で、蔦屋書店は大変貴重な存在です。王子駅周辺のまちづくりを念頭に、現段階からこうした民間事業者にヒアリングを実施すべきだとおもうのですが、見解を御教授ください。

都市拠点デザイン担当課:次に、まちづくりについてのご質問にお答えします。はじめに、エリアマネジメントの推進についてです。王子駅周辺のまちづくりでは、新庁舎整備や道路、広場等の設計、民間開発の協議の機会等を捉え、国の制度活用も考慮しながら、エリアマネジメントによる利用を想定し、屋外空間の整備や開発誘導を進めていきます。また、デジタルサイネージを含む広告等による財源確保については、維持管理・運営上の重要な要素であることから計画・開発の早い段階から準備・検討を進めてまいります。

エリアマネジメントに親和性の高い事業者の参画については、エリアマネジメントの内容や実施主体が明らかになった段階で、その実施主体の考えにより適切な事業者に呼びかけることになると考えています。現時点では、様々な団体や企業に向けて王子のまちづくりをPRしていきますが、必要に応じてヒアリングの実施についても検討してまいります。

先般策定された『王子駅周辺まちづくりガイドライン』に、エリアプラットフォームの役割のひとつに情報発信があることが記載されていました。前述したナカメエリアマネジメントは、SNSやウェブサイトを運用するだけでなく、デザイナーと協働してオリジナルグッズを販売する等、情報発信を強化している団体のひとつです。エリアプラットフォームの情報発信をどのように強化していくべきか、見解を御教授ください。

豊島区にある池袋エリアプラットフォームの場合、株式会社サンシャインシティや東京建物株式会社等の不動産事業者がコアメンバーとして活動していることが成功要因のひとつです。前述した『王子駅周辺まちづくりガイドライン』にもエリアプラットフォームを構築するという記載がありましたが、どのような組織がコアメンバーとして活動することを想定しているか、見解を御教授ください。

都市拠点デザイン担当課:次に、エリアプラットフォームについてお答えします。エリアプラットフォームの役割のひとつである情報発信は、地域の魅力向上のために重要であると考えています。ご紹介の事例も参考に、民間のアイディアや技術を活用しながら、公民連携により効果的かつ魅力的な発信ができるように検討していきます。

また、エリアプラットフォームの組織につきましては、まちづくりガイドラインにおいて、区内関係団体のほか、飛鳥山公園や新庁舎、民間開発等の関係者との連携を想定していますが、特にコアメンバーを担う団体や企業等の考えはありません。まずは、区が中心となりエリアプラットフォーム構築に向けて準備を進めているところです。

今後、民間開発の誘導等によりエリアプラットフォームへの参加者が増えていく中で、まちづくりに理解をいただいた団体や企業等に運営を引継ぎ、エリアマネジメントを主体的に担う組織の設立につなげてまいります。

都市再生推進法人を指定することもエリアマネジメントを推進するひとつの方法ですが、最新の検討状況を御教授ください。また、北区における都市再生推進法人の所管部署を御教授ください。

まちづくり推進課:次に、都市再生推進法人についてです。エリアマネジメントの組織を都市再生推進法人として指定することは、王子駅周辺まちづくりにおけるエリアマネジメントの推進と持続的な運営に有効な方策と考えており、現在は先行事例について調査・研究をしております。

また、北区における都市再生推進法人の指定等については、まちづくり部が所管となります。

2014年、大阪市は大阪市エリアマネジメント活動促進条例を制定しました。北区でエリアマネジメントを推進するにあたり、現段階からに条例等のルールについての検討を開始すべきだとおもいますが、見解を御教授ください。

都市拠点デザイン担当課:次に、エリアマネジメントに関する条例等についてお答えします。エリアマネジメントの推進にあたり、条例等を設置している事例があることは認識しています。今後、エリアマネジメントに対する区の関わりを明確にした上で、条例等の設置の必要性も含め、検討を進めてまいります。

まちづくりファンドの検討状況について

さいとう尚哉:次にまちづくりファンドの検討状況について質問いたします。区長の所信表明演説で「民間のまちづくりファンドの組成に協力する」という発言がありましたが、最新の検討状況を御教授ください。特に①念頭にある対象地域はどこか、②「協力する」とは具体的にどのようなアクションを想定しているのか、③北区としてまちづくりファンドの組成に協力するにあたり解決すべき課題は、という3点を念頭に御教授いただければとおもいます。

まちづくり推進課:つぎに、まちづくりファンドの検討状況について、お答えします。区では、JR駅を中心とした駅周辺のまちづくりを進めていますが、一方で、公的な制度や資金の活用が難しい、駅周辺から離れた、駅と駅をつなぐ間に位置する「まち」についても、まちづくりから外れることのないよう、民間のまちづくりファンドの組成に協力しながら、NPOや企業等のほか、多種多様な団体や地域の皆さまとともに、地域の魅力を捉えなおし、まちの価値を高める公民連携によるまちづくりを進めてまいります。

現在は、まちづくりファンドの設立側からの相談を受けているところであり、今後、どのような連携・協力をしていくのか協議を行っているところです。そのため、対象地域については、今後、連携、協力の協議が整いましたら、ご報告をさせていただきます。

課題としては、ファンドを活用しながら、まちづくりを進める事業者や担い手の育成、両者の連携支援のほか、都市再生推進法人制度の導入についても検討を深める必要があると認識しています。

引き続き、設立側との協議を進めるとともに、課題を整理しつつ、事業者や担い手の育成や支援、連携の仕組みを構築しながら、まちづくりファンドを活用した取り組みを推進してまいります。

快適な生活環境の創造について

食料品等へのアクセスについて

さいとう尚哉:第3のテーマは「快適な生活環境の創造について」です。まず、食料品等へのアクセスについて質問いたします。西が丘・赤羽西地域では、高齢者を中心に「野菜や鮮魚等の生鮮食品を買うことができるスーパーがない」という御意見をたくさんいただきます。特に西が丘については十条仲原のオーケーか赤羽西のイトーヨーカドーまで長時間かけて移動しなければなりません。これを解決するには西が丘・赤羽西地域の交通利便性を高める、西が丘・赤羽西地域でも生鮮食品を買うことができるようにする、という2つの方向性があるとかんがえています。これらを念頭に質問いたします。

西が丘・赤羽西地域について、最寄のスーパーへの交通利便性をどのように評価しているか、最寄のスーパーへの交通利便性をどのように改善していくか、見解を御教授ください。

交通事業担当課:次に、快適な生活環境の創造についてです。はじめに、食料品等へのアクセスについてのうち、西が丘・赤羽西地域における最寄のスーパーへの交通利便性の評価と改善について、お答えします。北区地域公共交通計画において、西が丘・赤羽西を含む地域につきましては、公共交通機能の向上が必要な地域で、優先度が2番目に高く、アクセスの改善が必要であると認識しております。優先度については、大規模店舗の立地密度を評価指標の一つとしており、地域の方の買い物利便性を考慮しております。

また、交通利便性の改善につきましては、北区地域公共交通計画に基づき、新たな地域公共交通の導入に向けた検討を進めてまいります。

移動販売がなかなか定着しないなか、西が丘・赤羽西地域にスーパーを誘致する等、抜本的解決が求められています。スーパーを運営する民間事業者にヒアリングを実施いただきたいのですが、見解を御教授ください。

産業振興課:次に、食料品等へのアクセスについてのご質問のうち、西が丘・赤羽西地域の抜本的解決に向けた民間事業者へのヒアリングについて、お答えします。現在、民間事業者によって、様々な業態による出店や宅配などの買い物支援サービスが提供されているなか、スーパー等の出店は、各事業者が、立地や収益性などを踏まえて、判断するものと考えます。

そのため、現時点で、民間事業者の参入に向けたヒアリングの実施は考えておりませんが、事業者から出店の相談があった際には、買い物が困難な地域を紹介するとともに、先ほどお答えした空き店舗活用事業を見直すなかで、食料品等を取り扱う商店の出店を促進する支援のあり方を検討してまいります。

赤羽駅西口・東口を起点とするバス便について

さいとう尚哉:次に赤羽駅西口・東口を起点とするバス便について質問いたします。赤羽駅西口・東口を起点とするバス便は、午前7時から午前9時までの通勤時間帯に特段混雑しています。赤羽駅西口については駅構内にあるNewDaysまで、赤羽駅東口については道路にまで行列ができています。乳母車を連れている方や視覚障碍者の方等が、道路でバスを待たなければならないという現状があります。本件についてはバス便が混雑している可能性だけでなく、ロータリーが狭小すぎる可能性も指摘されています。

いずれにせよ、問題の特定および解決にむけてバス事業者やまちづくりの所管部署と北区地域公共交通会議等で協議いただきたいのですが、見解を御教授ください。

交通事業担当課:次に、赤羽駅西口・東口を起点とするバス便についてです。赤羽駅前の混雑状況については、改善が必要であると認識しております。バス事業者からは、鉄道からバスへの乗り継ぎ需要が多く、両者の輸送量の差から通勤ラッシュ時等の混雑は避けられず、利用者の待合いとバスの乗入れのスペースがそれぞれ限られているため、現状での対応が難しい旨を伺っております。

区としましては、バス事業者と実態調査や対策について協議するとともに、駅前広場の改修等の機会を捉え、バス事業者や開発事業者、道路管理者と連携して様々な会議体の場を活用しながら、混雑緩和や交通結節機能の向上に向け、検討してまいります。

シェアサイクルの普及について

さいとう尚哉:次にシェアサイクルの普及について質問いたします。2023年6月12日、東京都の北部で積極的に事業展開しているHELLO CYCLINGのホームページを参照したところ、足立区には140のシェアサイクルステーション、板橋区には186のシェアサイクルステーションがあることが確認できました。一方、北区には27のシェアサイクルステーションしかありません。シェアサイクルの普及については北区議会でも再三質問されてきましたが、依然として足立区や板橋区と比較して普及状況が限定的です。

懸念しているのが2023年3月10日に開催された予算特別委員会における発言です。理事者から「区としましても、今後、電動キックボードやシェアサイクル、こちらの事業者から、区の公共スペースにポートを設置したいというような相談または要望があったら、個別に協議してまいりたいというふうに考えております」という発言がありましたが、要約すると民間事業者から要望がなければ北区としてはアクションをとらないということであり、これは山田区長が理想とする公民連携ではないとおもいます。

例えば足立区は、2020年にHELLO CYCLINGの事業者であるOpen Street株式会社と協定を締結して足立区シェアサイクル事業という実証実験を開始しました。実証実験という枠組ですが、実質的にはシェアサイクルの普及にむけたパートナーシップであり、シェアサイクルステーションの設置目標数等も設定されています。

また、2020年11月のデータになりますが、当時の足立区ではシェアサイクルの1日あたりの平均利用回数は310回でした。一方、直近の北区ではシェアサイクルの1日あたりの平均利用回数は450回です。北区におけるシェアサイクルの需要の大きさを示唆しています。これらを念頭に質問いたします。

北区にシェアサイクルに普及するにあたりどのような課題があるか、見解を御教授ください。

現在策定している『北区自転車活用推進計画』において、シェアサイクルを重要施策のひとつとして位置づけるべきだとかんがえていますが、見解を御教授ください。

北区自転車活用推進計画』の策定前から、HELLO CYCLING等の民間事業者シェアサイクルの普及にむけて協議を開始いただきたいのですが、見解を御教授ください。

交通事業担当課:次に、シェアサイクルの普及についてです。区内のシェアサイクルにつきましては、利用回数は多い一方で、事業者によるステーション設置場所の確保や利用場所の偏りなど、様々な課題があると認識しております。

区としましては、今年度内に策定する北区自転車活用推進計画において、利便性が高い交通手段としてシェアサイクルを位置づけ、課題解決に向け事業者と密に連携し、活用促進のための取り組みを進めてまいります。

デマンド型交通の検討状況について

さいとう尚哉:次にデマンド型交通の検討状況について質問いたします。2023年4月、豊島区は民間のサービスであるmobiを活用してデマンド型交通の実証実験を実施しています。mobiとは30日間5,000円で乗り放題できる、相乗りタクシーです。アプリや電話で呼ぶことができ、公共交通不便地域における新しい移動手段として注目されています。北区にも公共交通不便地域があるなか、デマンド型交通には大変期待をしております。私も90歳を超える祖父がおりますが、移動することが困難な状態です。だからこそ自由に移動できることの価値を、自分事として認識しています。これらを念頭に質問いたします。

デマンド型交通の導入における課題を御共有ください。

mobiを運営しているCommunity Mobility株式会社等、民間事業者と協力してデマンド型交通の実証実験を実施いただきたいとかんがえています。実証実験を通じて利用者満足度や地域ごとの需要、既存の民間事業者との競合可能性等について定量・定性データを収集し、北区地域公共交通会議等で最終評価いただきとかんがえていますが、見解を御教授ください。

重要文化財の有効活用について

さいとう尚哉:第4のテーマは「重要文化財の有効活用について」です。野川にある国指定重要文化財――旧醸造試験所第一工場は、建築的・歴史的・文化的にも価値のある観光資源です。北区観光協会と協働してイベントを開催する等、積極的に旧醸造試験所第一工場を有効活用する姿勢は評価できます。一方、旧醸造試験所第一工場を一層活用していくためには、所有者である国との連携強化や区民のニーズの理解等が必要となります。これらを念頭に質問いたします。

旧醸造試験所第一工場を観光資源として有効活用することを目標に、北区と国で定期的に協議を実施すべきとかんがえていますが、見解を御教授ください。

旧醸造試験所第一工場を観光資源として有効活用することを念頭に、区民のニーズを調査いただきたいとかんがえていますが、見解を御教授ください。

中長期的には旧醸造試験所第一工場の改修や醸造試験所跡地公園の整備等も必要だとかんがえていますが、短期的にはイベントへの活用を強化していくことが期待されます。これまでも北区紙フェスタや吟醸新酒祭等のイベントが実施されてきましたが、イベントへの活用を一層強化するにはどのようなアクションがかんがえられるか、見解を御教授ください。

地域振興部(観光振興担当):次に、重要文化財の有効活用について順次お答えいたします。はじめに、旧醸造試験所第一工場を観光資源として、有効活用することを目的とした、国との定期的な協議についてです。国指定重要文化財である旧醸造試験所第一工場は、非常に魅力ある観光資源と認識しています。そのためこれまでも、同施設の活用について国を交えた協議を行ってきましたが、この貴重な資源を、どのような形で活用していくことが可能か、また活用にあたって区に期待することなどを、引き続き国と協議してまいります。

次に、旧醸造試験所第一工場の活用に関する区民ニーズの調査の実施についてです。同施設は、国が所管する施設であることから、この意見交換の中で、国や施設管理者の意向などを伺いながら、検討していきます。

次に、旧醸造試験所第一工場におけるイベント活用を一層強化するためのアクションについてです。同施設は重要文化財として、活用とともに保存についても一定の配慮が必要な施設であると認識しており、これまでも事業実施の際には、使用時のルールなどについて、国から施設の管理や運営を委託されている公益財団法人 日本醸造協会と協議しながら進めてきました。今後も引き続き、活用と保存のバランスや、活用における留意点などを共有しながら、連携・協力して、同施設の魅力や新たな価値を引き出していきたいとと考えております。

動物愛護管理担当職員の設置について

さいとう尚哉:第5のテーマは「動物愛護管理担当職員の設置について」です。北区では約10,000頭の犬が登録されていますが、私もペキニーズと生活する愛犬家の1人として、北区の動物愛護を推進していきたいとかんがえています。

動物愛護といえば、2019年に「動物の愛護及び管理に関する法律」が改正され、区市町村において動物愛護管理担当職員を設置することが努力義務化されました。しかし、今日にいたるまで北区に動物愛護管理担当職員はおらず、生活衛生課の職員が兼務しながら動物愛護を推進しています。これらを念頭に質問いたします。

現在、北区には専任で動物愛護を推進する職員はいません。増員を視野に、将来的に動物愛護管理担当職員のような専任職員を設置すべきとかんがえているのですが、見解を御教授ください。

他自治体で動物愛護管理担当職員がどのように動物愛護に貢献しているか、実態を調査し、課題を整理すべきだとかんがえていますが、見解を御教授ください。

生活衛生課:次に、動物愛護管理担当職員の設置についてです。動物愛護管理法では、動物愛護管理担当職員は、その地方公共団体の職員であって獣医師等動物の適正な飼育及び保管に関し専門的な知識を有するものをもって充てるとされております。区といたしましては、動物愛護管理担当職員は、将来的には必要となってくるものと認識しております。

一方で、専門職の確保や人事管理上などの課題もあると認識しており、まずは、既に動物愛護管理担当職員を設置している他自治体の取り組みを参考としながら、課題の整理を進めてまいります。

広報課の機能強化について

さいとう尚哉:最後のテーマは「広報課の機能強化について」です。北区には、素晴らしい制度がたくさんあります。しかし、区民がそれらを認知しておらず、制度が活用されないということが散見されます。これらを念頭に質問いたします。

① 現在、広報課はSNSの運用や北区ニュースの制作等、区政全般についての情報発信を担当しています。各種制度についての情報発信は当該制度を所管する部署が担当していますが、情報発信のノウハウがなくて苦労している部署もあります。そこで、増員を視野に、広報課が各種制度ついての情報発信も担当するよう組織の役割を拡大すべきだとかんがえていますが、見解を御教授ください。

② 渋谷区のように民間出身のデザイナーと協業することで情報発信を強化してきた自治体は多数あります。北区も民間の広告代理店やPR会社と協業することで情報発信を強化すべきだとかんがえていますが、見解を御教授ください。

広報課:次に、広報課の機能強化についてお答えします。これからの広報は、職員一人ひとりが区の広報担当としての視座を養い、単なる情報の発信から、伝える・伝わる「広報」を実践できるよう深化していくことが重要であると考えています。

そのため、今年度は、様々な職場の職員を対象に広報力向上研修を実施し、北区ニュースやホームページ、パンフレットなど、区民に直接届けられる情報の質、伝わりやすさ、わかりやすさの向上を図ってまいります。

あわせて、広報課職員も専門的なスキルをさらに高めていくことで、効果的なSNSの活用や、プレスリリースの配信など、パブリシティを通じた、区内外への情報発信力を強化していきます。

民間事業者との連携については、今年度の新たな取組みとして、「しぶさわくん FM」の創設・運営の支援を行うなど、公民連携による地域情報の発信を進めてまいります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?