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4年ごとに2,300万円の退職金?高額すぎる北区区長の報酬問題

こんにちは!東京都北区在住の齋藤尚哉(さいとうなおや)です。いつも記事を読んでいただきありがとうございます。TwitterやInstagramでも情報発信しているので気軽にフォローしてください!

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さて、今日の記事では北区区長の高額すぎる報酬問題について議論したいとおもいます。

高額すぎる北区区長の報酬

同じ行政機関のトップでも、東京都知事と比較して23区の区長はさほど注目されません。なので23区の区長が「民間企業でいえば大企業の事業部長クラス」の年収を獲得していることを御存知ない人がたくさんいるとおもいます。

北区区長の月給および賞与

日本における給与所得者の平均年収が461万円と言われているなか(※1)、北区の区長は年間で約1,800万円の給料を支給されています民間水準の約3.9倍もの年収を獲得していることになります。

北区区長の月給:1,147,100円 × 12カ月 = 13,765,200円
北区区長の賞与:1,147,100円 × 3.7カ月 =  4,244,270円

北区区長の退職金

退職金についても民間水準とは比較にならない金額を支給されています。標準退職者(=学校卒業後直ちに入社して標準的に昇進・昇格した者)の退職金は、大卒ならば約2,243万円、高卒ならば約1,953万円が支給されています。一方、北区区長の退職金は約2,300万円です。しかも標準退職者の退職金は38年から42年勤務したときの金額ですが、北区区長の退職金は4年ごとに支給されます。1年あたりの金額に換算すると、民間水準の約9.7倍から11.2倍の退職金を獲得していることになります。

北区区長の退職金:4年ごとに22,942,000円

尚、自営業者にはもちろん退職金はありませんし、地方公務員特別職という位置づけである区議会議員にも退職金はありません。

区長の高額報酬が区政を停滞させている?

民間水準を凌駕する高額報酬を獲得している北区区長。「まあまあ区長も激務なんだから高額報酬くらい許してあげようよ」という意見もあるかもしれませんが、区長の高額報酬が区政を停滞させているという実態を無視してはならないとおもいます。

現職の区長が有利な理由

現職の区長には予算編成権があることから、選挙戦で圧倒的有利であることはかねてより指摘されています。同時に行政のイベントや資料等で登場する機会もたくさんあり、知名度でも圧倒的有利であることは否定できません。

これにくわえて、多額の費用がかかる選挙において、現職の区長は選挙があるごとに約2,300万円の退職金を選挙資金として活用できます。普通の人間であればそんな2,300万円もの金額を用意できるでしょうか?ルールメーカーである区長が、自分自身に圧倒的有利なルール(4年ごとに支給される約2,300万円の退職金)を維持することで、選挙に多選するというのが実態ではないでしょうか?

23区の平均在任期間

区長の退職金が実質的に選挙資金として使用されてきた結果、23区中15区で区長の在任期間が10年を超えています。北区区長の在任期間は19年で、23区中2番目の長期政権です。必ずしも多選は非難されるべきというわけではありません、「区民が区政に満足しているから多選している」と「区民に選択肢がないから多選している」では事情が異なります。

千代田区(樋口高顕区長):2017年当選(5年)
中央区(山本泰人区長):2019年当選(3年)
足立区(近藤弥生区長):2007年当選(15年)★
港区(武井雅昭区長):2004年当選(18年)★
新宿区(吉住健一区長):2014年当選(8年)
文京区(成澤廣修区長):2007年当選(15年)★
台東区(服部征夫区長):2015年当選(7年)
墨田区(山本亨区長):2007年当選(15年)★
江東区(山崎孝明区長):2007年当選(15年)★
品川区(濱野健区長):2006年当選(16年)★
目黒区(青木英二区長):2004年当選(18年)★
大田区(松原忠義区長):2007年(15年)★
世田谷区(保坂展人区長):2011年(11年)★
渋谷区(長谷部健区長):2015年(7年)
中野区(酒井直人区長):2018年(4年)
杉並区(岸本聡子区長):2022年(0年)
豊島区(高野之夫区長):1999年(23年)★
北区(花川與惣太区長):2003年(19年)★
荒川区(西川太一郎区長):2004年(18年)★
板橋区(坂本健区長):2007年(15年)★
練馬区(前川燿男区長):2014年(8年)
足立区(近藤弥生区長):2007年(15年)★
葛飾区(青木克徳区長):2009年(13年)★
江戸川区(斉藤猛区長):2019年(3年)

★ 在任期間が10年以上の区長

おわりに

民間水準を凌駕する月給・賞与・退職金を獲得している北区区長。年換算で約1,950万円もの給料を獲得できる仕事がどこにあるのでしょうか。40年にわたり長時間の残業や社内政治等にも耐えてようやくもらえる退職金が、北区区長なら4年でもらえるという実態。北区区長の報酬について再検討する時期ではないでしょうか?

※1. 北区の給与・定数管理等について(令和3年度)
※2. 1年を通じて勤務した給与所得者
※3. 2021年9月度 退職金・年金に関する実態調査結果


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