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民間の力による公園の刷新!浮間公園のコメダ珈琲最高説

こんにちは!東京都北区在住の齋藤尚哉(さいとうなおや)です。いつも記事を読んでいただきありがとうございます。TwitterやInstagramでも情報発信しているので気軽にフォローしてください!

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さて、今日の記事では民間企業の力で公園を一層快適にできたら最高だよねという話をしたいとおもいます。

浮間公園にコメダ珈琲が降臨

東京砂漠で消耗した都民を癒してくれる都立公園。Wikipediaで確認すると、東京都建設局が所管しているものだけでなく、東京都港湾局や東京都環境局が所管しているものあるとのことです(厳密には東京都港湾局所管のものは海上公園、東京都環境局所管のものは自然公園と分類されています)。

有名どころでは台東区の上野公園や千代田区の日比谷公園等が都立公園に該当します。風光明媚な公園ばかりで、「さすが都立公園…!」と惚れてしまいます。

東京都が所管する公園。狭義の都立公園は東京都建設局が所管する都市公園を指す。その他の東京都所管公園には、都立海上公園(東京都港湾局)、都立自然公園・都民の森(東京都環境局)などがある。設置場所・地域は主に国有地か都有地である(国有地は国が管理権を委託)。指定管理者制度の導入により、大部分が指定管理者に管理が委任されている。

https://ja.wikipedia.org/wiki/東京都立公園

そんな都立公園ですが、実は北区には1つしかありません。浮間公園という都立公園で、東京のほぼ最北端にある浮間舟渡駅から徒歩3分のところにあります。桜の名所として著名な公園ですが、普段は釣りをしているオジサマや散歩しているファミリーでにぎわう公園です。

2022年2月25日、そんな浮間公園に激震が!なんと公園の敷地内にコメダ珈琲ができたのです!浮間公園の名物である風車にマッチした建築で、縁側では愛犬と飲食できるようなスペースもあります。店内は普通のコメダ珈琲なのですが、浮間公園が借景になることで穏やかな気持ちになれます。トイレも清潔感満載で、腹痛に襲われたときなどに重宝しそうです。

公園整備に民間企業の力を活用する

設置管理許可制度とPark-PFI

浮間公園の敷地にコメダ珈琲がオープンした背景には、設置管理許可制度という都市公園法第5条にもとづいた制度があります。公園管理者以外に公園内における公園施設の設置・管理を許可できる制度で、民間事業者(この場合はコメダ珈琲の運営会社である株式会社コメダホールディングス)が売店やレストランや売店等を設置・管理できる根拠となる法律になります。

この制度があるおかげで東京都建設局という行政機関が所管する浮間公園に、コメダ珈琲という民間のレストランを導入することができました。ここで重要なのが、激しい競争にさらされている民間企業は、提供するサービスにも競争力があるということです。こうした競争力のある民間企業のノウハウをどんどん公園設備にも活用しようという意図が本制度の背景にはあります。

一方、設置管理者制度には10年の事業期間や2%の建蔽率等、多種多様な規制がありました。簡単にまとめると

「10年では初期投資が回収できない…。」
「2%の建蔽率だでは大規模店舗を設置できず収益性が確保できない…。」

という民間企業が事業参画に躊躇してしまう規制があり、これを解決すべく事業期間や建蔽率の規制緩和をしたPark-PFIという制度ができました。(平成30年の資料になりますが、詳細は『都市公園の質の向上に向けた Park-PFI活用ガイドライン』を御参照ください。)Park-PFIではカフェのような収益施設の利益を活用して広場等の公園設備を整備することが定められており、「公園整備に民間企業の力を活用する」という政策意図が一層推進されています(詳細は公募設置管理制度(Park-PFI)についてを御参照ください。)

Park-PFIで大変化!新宿中央公園

公園整備に民間企業の力を活用するための設置管理許可制度・Park-PFIですが、昨年話題のPark-PFIといえば新宿中央公園でしょう。一流の建築雑誌である『商店建築』でも特集されている公園で、Park-PFIによりカフェやロッククライミングのジム、芝生広場やダンスを練習できるような施設が整備されました。

10年前の新宿中央公園は「都心にあるのに薄暗くてにぎわいのない公園」というイメージでしたが、Park-PFIで施設が刷新されたことで散歩するファミリーや若者、運動する高齢者等でにぎわう環境になりました

北区は飛鳥山公園はどうなる?

北区では、飛鳥山公園がPark-PFIを活用することで整備される予定です。北区民でにぎわう飛鳥山公園が整備されるなんて最高…

ってなんか微妙じゃない???

飛鳥山公園の面積は73,000㎡なので、Park-PFIを使用すると延床面積8,760㎡まで施設を整備できます。この延床面積8,760㎡の計算には建築済の建物も含まれるので「延床面積8,760㎡まで新規施設を整備できる!」というわけではないのすが、北区議会建設委員会の議事録を参照していると、用地地域の制限が背景にあるようです。「民間企業の力を活用しよう!」と言うならば、民間企業が投資しやすい環境整備をするのが行政の仕事ではないでしょうか?用地地域の指定には複雑なプロセスがあるのですが(詳細は東京都都市整備局の都市計画の決定手続を御参照ください)、北区の超超超重要資産である飛鳥山公園の未来を決定するような超超超重要計画なのに…という区民としての率直な感想もあります。

このPark-PFIの制度として、いわゆる民間事業者のメリットとなるように、先ほどの設置許可の特例ということで、20年間にしたり、また、建ぺい率の特例といたしまして、従来2%だったものを10%の上乗せをして12%にするといったものがございまして、今回さきに条例改正をさせていただきまして、特例の12%まで活用できるものになってございます。今回このエリアを定める中で、用途の関係もございまして、どちらかというとその用途の制限の中でのほうが制約されるということになります。おおむねその用途地域、現在第一種の中高層住居専用地域によりまして、延べ床500平米以下、また、2階以下の店舗というのを想定しているといったところでございます。

https://ssp.kaigiroku.net/tenant/kita/SpMinuteView.html?council_id=523&schedule_id=6&minute_id=246&is_search=true

ちなみにPark-PFIの対象範囲が限定されすぎているという質問についても、北区は下記のように回答しています。Park-PFIの真髄が民間企業の力による収益施設と公園設備の一体的整備だとすれば、区民としは「もっとやれることあるのでは?」と感じてしまいます。(いろいろ事情があるようであればコメントで詳細共有してください!)

今後の指定管理の在り方にもございますが、現状民間のカフェ・レストラン等といった飲食店を必須条件としているように、ある程度部分的なところで民間の事業者の活力を発揮していただいて、やはり公園全体については造園の技術的ノウハウがある指定管理ということを念頭に置いているという、大きな区分けとして考えてございます。
 また、その中でも、もう少し飛鳥山の舞台のある辺りといったところも含めてPark-PFIの制度を検討したところでございますが、これまで飛鳥山のイベント等、舞台のところを様々な団体がご利用しているというところもございますので、そこは今回見送らさせていただいています。具体的なPark-PFIの施設のところのものをこのエリアに定めて、その後具体的なソフト施策として、今申し上げた飛鳥山の舞台等、その部分は今後の指定管理も含めて、協力しながら使っていただきたいというふうに考えてございますので、今回まずはこの3つのエリアの中でも、施設をまずどこに置くかと。その後、今後の利用については、先ほど申し上げたとおり、ほかのところもソフト的に使っていただくことは可能というふうに考えてございますので、今後はまた今後の指定管理の導入見ながら、相乗効果が図れるような取組を考えてまいります。

https://ssp.kaigiroku.net/tenant/kita/SpMinuteView.html?council_id=523&schedule_id=6&minute_id=246&is_search=true

おわりに

公園整備に民間企業の力を活用する設置管理許可制度やPark-PFIには、北区を住環境や観光魅力度を刷新するポテンシャルがあります。一方、制度を適用すれば民間企業がどしどし参画するというものではありません。重要なのは、北区が民間企業が最大限力を発揮できるよう環境整備することではないでしょうか?いろいろ事情や制約があるとおもいますが、新宿中央公園のような公園環境が実現できるのかどうか、ドキドキワクワクです。

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