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白菜を定義づけるものは−Ozekiで切ったもの#3

白菜を定義づけるものは、その名が示す通り、その葉の白さだ。つまり、白菜は、その色によって他の野菜から区別されている。

今日のバイトで、ミスをした。白菜切って、と指示されたから、冷蔵庫から「白菜」の文字が書かれた段ボール箱を取り出した。

切る。切る。根本の硬いところに包丁を通し、そこを支点に葉の部分に一気に刃を入れる。段ボール箱に入っている白菜は4玉。全てに3回刃を入れて、四分の一にする。店頭に並ぶ形になった白菜が16個。

社員のおっちゃんKさんが近づいてきた。

「それオレンジ白菜!白菜じゃないよ!」

嘘やん!

でも確かに。中心に近づくにつれて葉はオレンジ色になっている。ふつう黄色やもんね。

「オレンジ白菜は別の野菜で、ちょっと高値で売るんだよ。」

段ボール箱の「オレンジ」の文字には気づいていた。でも産地がいつもの白菜と同じ茨城県だから、だいじょうぶ、と思った。

そこで気づくべきだった。

白菜の分類において色は絶対的な力を持つ。

白菜は色によって定義された、野菜の部分集合なんだから。

今日切ったもの、包んだもの
・長野産シャインマスカット
・岐阜産ミニトマト
・茨城産白菜
・茨城産オレンジ白菜
・茨城産ピーマン
・茨城産オクラ
・茨城産えんどう豆


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