柿詰めで見えてきたもの-Ozekiで切ったもの#4
今日は、二時間半、計17個の柿をパックに詰めた。
福岡県産の「秋王」。
一応はっておくで。
柿は腐りやすい。段ボールから甘い匂いがしたら要注意だ。手にゴム手袋をはめて段ボール箱をあける。この時腐った液体が飛び散ることに注意。
箱の中には、液体まみれになった柿が転がっている。取り出す。洗う。
何事もなかったようにパック詰めする。二つで一パック。
月曜日って、何もやることがない。うちの店舗は土曜日日曜日が忙しくて、月曜日はそこまで。だから、今日は、白菜を二箱、だいこん1ケースでやることが終わった。あとレンコン。
柿は最後の二時間(勤務時間は五時間)で終わるまでやっといて、って言われた。めっちゃ長い。
4L、3Lという区分がある。実のサイズによる分け方だ。同じ段ボール箱の中に、4Lだと9個、3Lだと10個入っている。当然、値段も変わる。
問題なのは、二つの段ボール箱を見分ける特徴が、何もないこと。箱の側面に書いて入るが、4L、3L の表記はあまりにも小さい。
もう一つ問題だったのは、僕が、3L4Lの区別が(概念として)わかっていなかったのに、言われたのは「4Lの柿全部詰めといて」だったこと。4Lの部分がよく聞こえなかった。
案の定、途中で、4Lと3Lの区別に気づいて、絶望した。値段が違う二サイズを、ごちゃまぜにしてパックしていた。スーパーにおいて値段の違いは絶対だ。怒られる!!
くずな僕とまともな僕が現れた。いつも通り。
くずな僕は言った。退勤まで残り30分ばれずに全部やったら、気づかなかったふりして帰って、怒られないぞ。だって、概念として理解させなかった社員側の責任だぞ。いづれごちゃまぜは社員にばれて、それなりのことを注意されるだろう。だとしても、それは次の出勤日。もう終わったこと。ここは言わずに切り抜けろ。今言ったら、先輩のJKに馬鹿にされる。
まともな僕。社員さんに報告しろ。それが仕事するものとして当然だ。
理由は、でも、くずだった。
・ここで言った方が信頼を失わずに済む
・2時間やって気づかなかったバカだと思われたくない
正義感。あった、最終的に後押ししてくれたのは、そっちの、積極的な理由。よかった。報告して。自分を偽らなくて。
社員さんは、許してくれた。「今度から気を付けてね」
柿のパック詰めで見えてきたものは、腐った自分の甘さと、それでもいい人間でいられたことへの安心感だった。
残ったのは、立ち仕事の筋肉痛だけ。―——— いい職場だ。
今日切ったもの
・福岡産柿
・神奈川産だいこん
・千葉産れんこん
・茨城産はくさい
2022.12.01 0:35
「秋王」は絶対おいしい。
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