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東京国際フォーラムとDisney Sea

東京国際フォーラムは、1989年に行われた国際公開設計コンペで最優秀作品となったもので、その設計は在米建築家ラファエル・ヴィニオリ氏でした。

建築全体のフォルムもそうですが、なんと言ってもこの吹き抜けですね。ダイナミックな空間です。


吹き抜け部分

海外のアーキテクトやデザイナーと国内でお仕事をともにすると彼らの妥協なきゴリゴリの押し付けが強烈なボディブローとなって、日本側のプロジェクトチームに襲いかかってきます。
建築基準法や各自治体が制定する施行令などが、彼らの要求を阻む要素となるからです。
手を変え品を変えて法律等を説明し、納得いくまで議論を重ね、設計コンセプトを損なわない妥協点を見つけなければなりません。
果たしてこのプロジェクトでそのような議論があったか否かは知りませんが、容易に想像できます。
とやかく言っても、素晴らしい建築であることは確かだと思います。

因みにDisneyでは、ファシリティにしろフロートにしろ、デザイン画の次に検討するのはモックアップです。
Disney本社内でそのモックアップが制作され、ディテールの検討がされていきます。


モックアップは、最初1/100からスタートして、ファシリティでは1/30〜1/10スケール程度までのモックアップでデザインやカラーリング、マテリアル等々の検討が加えられます。
フロートの場合は、最終的には1/1スケールのモックアップまで制作検討が行われるそうです。
実際、筆者はDisney Sea Projectで、第2工区メディテリアンハーバーの1/30モックアップをみたことがあります。
以下、模型写真。

実は東京国際フォーラムも模型が制作されていて、一般には公開されませんでしたが、スケールは別にしてバカでかい模型がありました。
しばらくの間、現場で展示してあったので、建設関係者で権限を有するスタッフなら見たことがあると思います。
製作費は・・・。言えません。
噂話の聞き齧りなので。

というわけで、大型プロジェクトならずも建設プロジェクトでは、そういった副産物のストーリーが山のように生まれていくんです。
何かのCMではありませんが、多くの小さなスーパーヒーロー達が活躍したことを知って頂きたいと思います。