Processing Community Day Tokyo
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2月2日に Yahoo! LODGE にて Processing のキーノートやワークショップなどを一日に凝縮した Processing Community Day を開催し大盛況のうちに終わりました。PCD の趣旨については https://pcd-tokyo.github.io/ に記載したものをこちらに転載します。
Processing のユーザーの交流イベントで、アートとプログラミングのコミュニティの多様性を祝って世界各地で2019年1月15日から2月15日の間に開催されます。東京では2019年2月2日に Yahoo! LODGE にて開催されます。Processing のパイオニアや若手アーティストらによる講演やワークショップを通じて、クリエイティブなハックやアートに直に触れることができます。
Processing を作品制作に活用しているアーティストや研究者の基調講演やライトニングトーク(一人5分程度のプレゼンテーション)、ワールドカフェ(オープンディスカッション)を企画しています。 また、初学者向けのワークショップや、インタラクティブ、グラフィック、デザイン、機械学習といった様々なテーマに特化したワークショップも行います。少人数に分かれての集中型のものを複数企画しているので、講師と対話しながら学ぶことができますので、初学者や独学者たちも奮ってご参加ください!
午前中はキーノートとして久保田先生と巴山先生にお願いしたところ、お忙しい中快諾いただきました。久保田先生は配色などについて理論を基にしながら、HSB やブレンディングについて実際に p5.js を用いて解説いただきました。
巴山先生は数学の視点から、黄金比などを例に数式と幾何学をリンクさせたお話をしていただきました。このトピックの詳しい内容については書籍を出版されるそうなので必見です。
午後はワークショップとライトニングトークを並行して行いました。今回、Yahoo! 様のご厚意で LODGE のスペースのほかに会議室を利用させていただくことができたので、ワークショップは個別の会議室で、ライトニングトークはキーノートと同じく LODGE のスペースを利用しました。
ワークショップはレオナさん、FMS_Cat さん、田所淳さん、ritoco さん、Scott Allen さん、なめらかサンショウウオさん、FAL さんの7人に講師を依頼しました。描画の基本からゲーム開発や GPU を考慮した応用の他、機械学習や grbl を用いたドローイングロボットなど Processing に関連した様々なトピックをカバーしました。ワークショップの詳しい内容については私は同時進行していたライトニングトークに出ていたため追えていませんが、各講師のご厚意でスライドやコードの資料をアップロードしているのでそちらを参照してください。
ライトニングトークは私が進行を行い、公募した中から14名がトークをしました。水落さんや nakamura さんら美術館などで展示をしている方々の作品紹介や、佐藤さん(のりさん)の小学生向けの Processing の教え方、高尾さんのデイリーコーディングや浅野さんの美大での Processing 講義についてのコメントなど、様々な分野のプロフェッショナルや若手のアーティストらに発表いただきました。また、作品の媒体も小説のカバーや LINE スタンプ、工作機械などディスプレイを超えたメディアが用いられていたのも興味深いです。ライトニングトークの資料もアップロードされているので是非チェックしてください。
ここからは運営について、ひえだの個人的な雑感です。今まで何度かワークショップやイベントの企画をしたことはありましたがせいぜい10~20人程度で、100人規模でのイベントは初めての経験でした。開催にあたっては第一回のボストンでの PCD に参加した経験を参考にし、私と永松さんと中西さんという違ったスキルを持っている三人が運営をしていたことが成功につながったのではないかと思っています。今回目指したイベントは技術的なことに終始するのではなくコミュニティを大切にしながらも、オフ会のように内輪で楽しむイベントにはならないようにバランスをとりました。そのような意図が参加者に伝わったのは本望です。
また、ワークショップをすることで参加者だけでなく教える側にも学んでほしいという思いがあり、Twitter などで精力的に活動している若手のアーティストを中心に講師をお願いしました。参加者からのフィードバックなどあったと思いますが、今後の活動につなげてもらえたら幸いです。ワークショップのベテランである田所さんには機械学習のライブラリである ml5.js という新しいトピックをお願いしました。まだ日本ではメジャーではないライブラリですので、これを機に p5.js と機械学習の分野も盛り上がっていったらと期待しています。
これまでワークショップやフェスティバルに参加して感じていたことは主催者のホスピタリティの大切さで、イベントの成功には不可欠だと思っています。今回のイベントはスポンサーなどを探す時間がなくチケットの売り上げはほとんど講師の謝礼に充てたためその他の費用は運営の持ち寄りという形になりましたが、最低限としてボランティアの弁当を手配した他、ボランティアや講師用にお菓子を控室に用意したところ好評でした。昼休みがあるので当日なんとかしようという案もあったのですが、昼休みはワークショップの準備に時間がとられてしまったので事前に準備して正解だったと思います。それだけでなく、FAL さんや ritoco さんなどお菓子を持ってきてくださりありがとうございました。
当日の会場の様子はキーノートとライトニングトークのライブストリーミングを行いました。ストリーミングをすることは開催の直前に決定したのですが、山口さんに手伝っていただき無事にできました。動画のアーカイブは以下のリンクからご覧いただけます。当日は真鍋大度さんにも見ていただけたようです。
また、会場にお越しいただけなかったものの deconbatch さんには Twitter 上でイベントを盛り上げてくださいました。コミュニティ・デイという名の通り、イベントの会場外やイベント終了後も Twitter で交流が活発になったようでイベントの趣旨が達成できたのかなと思っています。
今回は初めての PCD Tokyo でしたが、Processing Foundation の運営用の資料に多様性についてのガイドラインや、計画をするにあたってザック・リーバーマンから誰もが参加しやすいイベントのつくりかたをアドバイスいただくなどサポートいただいたこと他、講師の方々やボランティア、Yahoo! 様のご協力ですばらしいイベントをつくることができました。今後のことは未定ですが小さい規模でもこのような活動を続けていけたらと思っています。今回心残りだったのは運営でいっぱいいっぱいだったため自分自身はあまり参加者と交流できなかったので、次に機会があればもう少し参加者に話しかけられれば(そして参加者にも話しかけてもらえれば)と思います。
最後になりますが、トップの写真はシオンさんに撮影いただきました。イベント中に撮影していただいた写真についても順次アップロードする予定です。
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