見出し画像

漫才王vol.17に行って来た

 九月一二日。じっとりと蒸し暑い夜に、お笑いライブに行ってきました。

野方の果物屋さん

 場所は野方区民センター。ここの座席はどこがべスポジなのか分からないので、とりあえず前方寄りの真ん中らへんの座りました。最前列は見上げる感じになりそうだし、あまりに後ろだと聞こえないかもしれないということで。いつの間にかランジャタイの出演が決まっていたようで、地下ライブとは思えないほどたくさんのお客さんが集まっていました。客層もすごく暖かくて拍手笑いもたくさんあったように思います。

特に好みのコンビ

 数年ぶりの他事務所若手漫才ライブで、初見の方ばかりだったので、好みのコンビのネタの所感を忘れないように記しておきます。私は専門家でも批評家でもなく、自分の目を通してどう見えたかという所感になりますので、あらかじめご了承ください。ネタの内容はなるべくボカして書きますが、問題があるようでしたらご一報下さると助かります。

コンピューター宇宙

コンピューター宇宙、大仰天田口

 初見でした。鰻屋さんの店員さんとお客さんというネタだったのですが、ツッコミのブティックあゆみさんの安定感が凄いです…!見た目通りどっしりと構えていて、何があっても動じずに処理してくれる人って感じ。はっしーはっぴーさんは、ひたすらに明るくて見ているだけで幸せになるボケ。途中で鰻を炭火で焼く時にうちわをふる仕草とか、手慣れている感じが出ていていー香りしそうだなあとか、さりげない演技の妙にも目がいきました。中MCもあゆみさんいじりを中心として場が盛り上がり、ハチャメチャで面白かったです。

ネギゴリラ

ネギゴリラ

 お写真が見つからないのでM-1公式から引っ張ってきました。ちょっと邪な見方になりますが、この二人のファッションが好きです。昨日は、酒井さんが細かめの白黒チェックシャツにベスト、長身の細野さんはオーバーサイズの長袖白シャツにベージュのコットンのパンツ。ザ・ナチュラルって感じです。声もなんか落ち着く。アンガールズを彷彿させるようなリラックスできるトーンで聞き心地良ッ!!となったのですが、ネタも結構のんびりとしていました。街に現れた怪獣を倒すというネタなのですが、ヒーローが車で移動してるので何時間もかかって中々到着しないというシュールなネタ。細野さんの演技がいい意味で大雑把で可愛かったです。

合わせみそ

 出典を示せるようなお写真が見つからなかったので、写真は割愛。女性コンビです。ツッコミの河田さんの声に透明感がある。私は漫才でとにかくひたすらに声を重視するので、この時点でかなり好きになってしまいました。ネタは簡単な響きを二回繰り返す言葉遊びを続けていくというものだったのですが、時折カルト映画の俳優が出てきたりとか、少しだけブラックな一面も垣間見えて、映画に造詣が深いのかなと思いました。女性芸人でブラックなノリは珍しいし、声も良いしで、The Wでは注意して見ていきたいなと思う存在。

ひつじねいり

ひつじねいり

 マセキのHPからお写真拝借します。初見でしたが、昨日のネタはものすごくツボでした…!子どもたちで構成される少年野球のチームを、極めて冷酷に管理して最強のチームに仕立て上げようとするろくでなし人間の細田さんと、愛をもって管理しようとする松村さんが対立するネタ。松村さんの少年野球への愛がネタを通しても伝わってきて…漫才ライブ中なのにうっかり泣きそうになってしまったのは秘密。それを全く興味なさそうに受け流す細田さんが、知的な印象の外見とあいまって最高のクズキャラに見えて面白かったです。

ブリキカラス

ブリキカラス

 推しです。昨日は自転車を盗まれたネタ。新規も新規なのでこんなにお客さんのいるところでブリキのネタを見るのは初めてで、皆どういう反応をするんだろうと思ってヒヤヒヤしていましたが、つかみがかなりウケていてホッとしました。メロディさんの初見のインパクトが凄いからかなあ。なんかナルゲキとかよりウケていた気がします。昨日はネタに入り込み過ぎずに少し俯瞰で見ていたのですが、ツッコまれた時のメロディさんの表情とか、細かな所にも拘っているんだなあと気づきました。相変わらず二人のビジュアルは最強レベル、舞台上を陰鬱な雰囲気に変える情景美を兼ね備えています。毎度ながら眼福です…。

リップグリップ

リップグリップ

 こちらもマセキのHPからお写真を拝借。真っ黒な二人です。二人とも京大出身です!というつかみから始まる、外見と学力に見合った知的ネタ。大雑把に言うと、自宅で火力発電や浄水場(?)を始めた岩永さん(写真左)が、倉田さん(写真右)のライフラインを掌握しようとするようなネタなのですが、火力発電の仕組みとかを専門的用語を使って事細かに説明していたので、”誰が分かるんだよ”って思うともに、”きっと事実なんだろうなあ…凄いなあ…”と感心してしまう気持ちも生まれたり。落ち着いた雰囲気なのでダウナー系かなと思いきや、コミカルな動きもあって、メリハリがありました。とにかくネタの構成とか雰囲気が好みなのでこれからも追いかけていきたいです。

フランスピアノ

フランスピアノ

 怪談ライブのグロいネタ、ラフターナイトの狂気じみたネタを見て、どんどん興味が深まりつつあるフランスピアノのお二人。私はメイプルのカズレーザーさんのファンでもあるので、お弟子さんであるなかがわさんを勝手に親近感を持って眺めていましたが、このほんわかハイパーオシャレななかがわさんの口から「あ、死んだわ!!(笑)」みたいなブラックな言葉が飛び交っていたら、そりゃあギャップにやられるというものです…。中川さんを「柔」とするならば、山本さんは「剛」って感じで、深みのある声と演技の雰囲気に圧がある。漫才だしほのぼのネタかな~と思っていたら、最後やっぱりグロくなってなかがわさんのブラック発揮されて終わり。もう、最高です…!

フランスピアノ2

 EDトークではなかがわさんの完璧なファッションを写真に撮ろうと頑張りました。一人袖にはけていく伊藤ちゃんは気にせんといてください。なかがわさんのスーツの色味も丈もすごく素敵だし、ネクタイも、靴も可愛いですよね…。チャラい見方するなと言われても、ビジュアルから受ける影響は多大だから仕方ないじゃないですか?芸人さんの舞台ファッションが好きだ…!

翳りゆく部屋

翳り

 人力舎のHPからお写真拝借。”翳り”もお目当ての芸人さんでした。ブリキを追い始めた六月くらいに知ったんですが、とにかく声を張らない漫才が好きなんですよね…。ネタで何を話していたかはよく覚えていないんですが(お金の話だったかな?)面白かったことは覚えていて、ダウナー系なのにドッカンドッカン笑いが起きていて凄ぇっ!!って思いました。ちょっと知的で、細かい、どうでもいいことにこだわる感じの雰囲気が好きです。KOCでも準々までいって、コント面白いなーと思っていたけど漫才もめっちゃ面白いです。M-1は欠席したみたいだけど、出ないのかなあ。出たら嬉しいなあ。

ランジャタイ

ランジャタイ

 すっかり大人気になった二人が凱旋です。小動物のようにちらっと袖から顔を出して様子を見た後に出てくる伊藤ちゃんが可愛らしかった。ネタはさかなクンVSかさなクン。相変わらず暴走する国ちゃん。肝心なところでいい味を出してくるクリス松村さんのモノマネがサイコーだった!いつにもまして伊藤ちゃんが動いていないようにも見えましたが、国ちゃんの支離滅裂なアドリブに相槌を打てるのは、やっぱ伊藤ちゃんだけだなあと改めて。いい具合に漫才のベースラインを作ってくれます。”鳥獣戯画”とか何気に知的なワードも出てくる二人が好き。このままスターダムをのし上がって、国民的芸人になっちゃってください!!

TCクラクション

TCクラクション

 もはやトリに相応しいお二人としか言いようがない…!発想力が半端なさすぎます。最初の会話からは信じられない、ネタが逆再生されていくような展開がとても新鮮で、笑いと共に鳥肌が立つような気分でした。M-1はこれから…?どこまで進出するかとても楽しみです。EDトークではKOC決勝進出できなかったことを国ちゃんにイジられる。そんなハイレベルなイジりができるのも圧倒的な実力があってのことだよなあ…。いや、まじで格好良かったです!グレープの重鎮!

全体を通して

 最高のライブです。ここに書かなかったコンビのネタもみーんな色とりどりの面白さがありました!え、これで1500円なんて安すぎじゃね…??って思います。あとOP、EDや中MCがひたすらに面白かった…!OP、オッパショの蒲谷さんか誰かが悪乗りしてマイクを子供の背丈くらいまで下げて、一組目のむかしテレビの方が膝立ちでマイクまで歩いてきたのに物凄くツボってしまったり。コンピューター宇宙の紙相撲云々で盛り上がりすぎて時間がだいぶ押した中MCも、大人しいメンバーでしっとりと展開されたと思ったら最後にダイナマイトキックが待ち受けていた中MCも、グレープで固まった仲良しEDトークも、全部が最高でした!

 閉幕時、国ちゃんがずっと、暗転してからも仲間をイジりつづけるしつこさを発揮していて(笑)このしつこさが最高だよなあと改めて思ったり。まだまだ語り足りないコンビもいっぱいいるので、来月もまた野方に向かいまーす。次は一眼レフ持っていこうかなあ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?