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プロジェクト風、空想版

2018年の夏から3年。

YouTube の視聴回数が増えて、音楽関係者から声がかかるようになった
2018年の夏。

河津氏が“ししゃも”の宮崎朝子さんに紹介されてコンタクトを取ったが
一度断られたという2018年の夏。

宮崎さんに励まされて再度アプローチしたのは、もう秋になっていただろうか。

そして2018年の末、風プロジェクト、始動。(2021年3月30日、公式アプリ、スタッフダイアリーより)
2019年早春には東京に居を移し、
ニューヨークに旅し、
サウンドプロデューサーの Yaffle さんと共に
レコーディングを開始し、
11月には渋谷公会堂での初ワンマンライブ、
何なんwのMV撮影で再びニューヨークへ。
2020年1月24日の何なんw EPリリースは
既に HEHN Records という個人レーベルからになっている。

デビュー前の無名の若者にニューヨークを経験させ、
個人レーベルを設立して
収容人数2000人あまりのホールをいっぱいにしてライブ。
どんだけ「期待の大型新人」なんだ。


藤井風というアーティストは、いわゆる普通の芸能人のような売り方をしていない。
既存の芸能事務所に所属しておらず、
テレビの歌番組には出ていない。
YouTube で自分の音楽に込めた思いを直接語り、
無料のライブストリーミング配信を行い、
ツイッターやインスタグラムでアーティスト本人が直接発信している。
メディアへの露出は極めて少なく、
有料のCSコンテンツのみ。

こんなプロモーションの方向性を、河津氏はどの段階で決めたのだろうか。
ここからは、全く私の想像に過ぎないので、
各方面にはあらかじめお詫びとお断りをするしかないのだが、
どうか、ある種のファンタジー(妄想?)としてお進みいただきたい。

諸々の YouTube 投稿を見た上で、
風さんへの接近に際して、河津氏は当然ある種の方向性を考えていたはずだ。
それまでの投稿を無にすることなく、むしろ活かして
アーティスト「藤井風」をプロモ―ションしようという、それまでにない方向性を。

そして、最初に会って話した瞬間、その方向性に確信を持ったのではないだろうか。
「線の細い、声の小さい青年」(2020年10月4日、J-Wave Selection より)が、ふわふわ・もちもち喋る姿を前にした瞬間、
その青年を従来型の普通の芸能人にはしてはならないという未来が見えたのではないか。

河津氏は岡山駅の喫茶店で初めて風さんと話したその足で
里庄のご両親のもとに赴いたという(2020年12月31日、公式アプリ、スタッフダイアリーより)。
明確な方向性をご両親にも提示できたからこそ、
風さん本人のみならず、「東京やこ、行かんでええ」とおっしゃっていたご両親の信頼をも得ることができ、
今の活動に至るのだろう。

その方向性とは、何よりもまず、風さんの意思を尊重することだろう。
その証が、河津氏による藤井風公式アプリのスタッフダイアリーに書かれている。
引用させていただこう。
★ 2018年の年末に動き出した風プロジェクトでは、「いつ、デビューしようか」ということではなく、「風のオリジナル曲を一番よい形で世に出すにはどうしたら良いか?」ということが、とても重要でした。なので、デビュー日からの逆算では無く、納得できる良い音楽(曲)が完成した時が、風が世の中に出る時。」(2021年3月30日)
★風と風通しの良い意思疎通の取れたチームでいたい。(2021年8月7日)
他にも、ツアーの内容から武道館のピアノの椅子に至るまで、河津氏と風さんが様々なことを話し合っている様子が随所で述べられている。
他のアーティストや芸能人とマネージャーや事務所の関係については全く知らないので、これが普通のことか分からないが、風さんとはこんなに話し合っているんだということに驚いた。


そして、3年、
この夏、すさまじい勢いでものごとが動いている!
8月9日、かのキャロル・キングが自身のインスタグラムストーリーズに
2017年に風さんが投稿したYou’ve Got a Friendの動画を引用して、
It’s a You’ve Got a Friend kinda day.(君の友達日和)と載せた。
風さんも愛と尊敬の溢れるメッセージをインスタストーリーズで返信。
8月10日、世界的な男性誌「GQ」が21か国の未来の音を生み出すミュージシャンを選定し、日本からは風さん。
それだけでなく、世界共通特集に風さんが取り上げられるというニュース!
世界が、とうとう風さんを見出そうとしている。

GQは数か月前からオファーがあって、取捨選択の上に準備してきたことで、
キャロル・キングの件は、心温まるエピソードではあるが、単なる偶然、
そういう違いがあるかもしれない。
けれど、「世界」という共通のキーワードを持つ出来事が日を置かずして起こった。
こんなタイミングで追い風となるような出来事が起こるなんて、
風さんは、やっぱり神さまに愛されている。


「誰かがちょっといい気分で人生を送れたりするために音楽をやっとる」(2020年9月23日、報道ステーションより)という風さんの信条、
そして「昔から当然のように国内外を問わず活動していけるミュージシャンになりたいという思い」(YouTube、Artist on the Rise より)の実現、
それがプロジェクト風。
総合プロデューサーは河津氏。

河津氏の計画には世界進出も組み込まれているはず。
色々制限があり活動が停滞せざるを得ないコロナ禍の今、
プロジェクト風はそんな不自由ささえ好機と捉えて活動しているに違いない。

藤井風という紛れもない天才と、その意思を尊重するプロデューサー/マネージャー、
それに加えて風さんへの愛ゆえに、「200%、300%の力で」(2020年11月2日、公式アプリ、スタッフダイアリーより)仕事をするチーム。
彼等が集結したこと自体が神さまからの贈り物に違いないと思えた今年の夏。

さらに、私たちをどこまで連れて行ってくれるのか。
プロジェクト風、
楽しみでしかない。

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