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ぶっちゃけメンタリティ!


はじめに

この記事はドクターメイト株式会社のメンバーが毎年行っているアドベントカレンダーの2023年版です。
12月に入ってから多くのメンバーが記事を出してくれているので、こちらからぜひ読んでみてくださいね!


今年のテーマ「ぶっちゃけメンタリティ」

起業してから学んだこと、身につけたことは非常に多くあります。
その中で「一番鍛えられたものはなにか?」と問われたら、自分は「メンタル」と回答するでしょう!
自分もバックグラウンドが医師ですのでメンタルは強いほうかなと思っていましたが、会社を経営する中で様々な思いをすることで、以前よりも圧倒的にメンタルも強くなりました。

ちなみに、赤裸々に起業してから悩んだことを振り返っていこうと思いますが、結論は「色々あるけど、やっていて最高に楽しいし、今の事業が大好き!」です。
強がっているとか、綺麗事を言っているわけではなく、本気でそう思っているんだよということをはじめに述べておきます。

(去年は起業してからイベントを振り返ったので、こちらも読み返すとどういうときにどういうメンタリティであったのか、より伝わると思います。)

起業1年目:平日昼に外を歩くって刺激的

大学病院をやめて、晴れて会社を立ち上げて気分上々↑↑かと思いきや、襲ってくるのは不安です。
特に平日昼に青空の下を歩いていると思うんですよね。
「あれ?自分は今病院で診察もせずに何をしているのか?本当にこれでいいのか?」
病院に勤務していた時代には朝から晩まで病院にいるし、平日の昼に外を歩くなんて特別な休暇のときぐらいしかありません。
意外と平日も外を歩いている人っているんだなぁ、この人たち何しているんだろう、あれ自分も何しているんだろう。と思って不安になっていました。

さらにビジネスと医療は言葉からして全然違います。
医療現場では専門用語で会話していたので、ビジネスだと全く別の用語を理解しないといけないので、日々ついていこうと必死でした。
「P/L、B/Sってなに?BSってBlood Sugerで血糖値じゃないの?」
徐々に言葉がわかってくると会話についていけている自分がいて、楽しさも感じるようになってきました。

▶起業1年目の気持ちを思い出すままに書き連ねると以下のような感じ

  • 会社の全部履歴証明書ってなに?名前エグいんだけど。全部履歴証明ってこわくない。なんでこんなに役所いかないといけないの?

  • マネーフォワード、どういじっていいかわからないんだけど。

  • パワーポイントとか学会の発表でしか使ったことないよ。結構、普通の世界ではつかうんだね。

  • 青山ってカフェにいる女の人、きれいな人おおいね

  • なんか出張ばっかり行っているんだけど、どんどんお金なくなっていくんだけど、いいの?

  • ああ、なんかみんな良いものだって言ってくれるけど、全然導入してくれないぁ

  • でも大丈夫。とにかく起業の最初は殴られるべきだって、起業の科学にも書いてあったし、自分の給与はバイトで稼いでいるから、なんとかなるはず

  • 千葉と同じ家賃で東京に引っ越したら、1Rしか借りられなかったし、なんか半地下みたいで寒いんですけど。

  • 前にすすんでいるよね。きっと。

  • 投資をしたいと言ってくれた方もついてくれたし、自分のやっていることは間違っていない、、はず、、

起業2年目:ピボット8回。◯ぬ、ああ、◯ぬ、あ、、

起業2年目に経験したといえば、8回のピボット。これはもはや社内では鉄板ネタとして歴史に残っています。
8回の方向転換の末に、9回目で事業がうまくいき始めたという話ですが、まあこのときのメンタリティはきつかったですね。
(詳しく当時の様子を知りたい方はこちらの動画で赤裸々に話しをしているので見てみてください)

事業としては良いと言われているのに全然契約が取れない。
そのうちにどんどんお金はなくなっていくし、焦りは強くなっていく。
月に1回投資してくれた方に向けてプレゼンをしていましたが、そのときは毎回すごく緊張したし、終わったあとに変な汗をかきながら、どっと疲れたのを覚えています。

思い返せば、このときはすごく風邪を引いたり、体調を崩したりしてましたし、休日は言葉通りベッドから一歩も出ずにずっと寝ていたこともありました。
思いっきり噛み締めすぎたのか、前歯が縦に割れて、痛すぎて口が閉じられなくなりました。

会社のお金がなくなっていくと、精神的にもキツくなっていきます。
別に増えるわけでもないのに、何度も通帳を見てみたり。
食事のほとんどがカップラーメンになったり。(セブンの蒙古タンメンのカップラーメンにハマって、一日3食食べたなぁ)

刻々とリミットが近づいてきていると余裕がないんですよね。

▶起業2年目の気持ちを思い出すままに書き連ねると以下のような感じ

  • 仮説はあっていると思うけど、全然契約取れない〜

  • とにかく支出を減らさないと。給料なんて取れないからバイトしなきゃ。

  • 営業ってどうやればいいのか、わからない。でも創業者が売れないサービスは誰がやっても売れないから頑張らないと。

  • 正直、今やっていることの連続にうまくいく道が見えなくなってきた。

  • 自分でサービスを疑ってはいけない。けど。。

  • めっちゃ悩むけど、でもメンバーのみんなにそういう姿は見せられない。

  • 背水の陣で大学病院やめたけど、本当に良かったのかなぁ。今から戻りたいっていっても戻れるのかなぁ

  • なんか周りの人が全員うまくいっているように見える。

  • シリーズBにいっている人とか、もう余裕そうじゃん。いいなぁ。

  • もうなりふりかまってられない。リスクはあるけど、このまま活路が見いだせないぐらいなら、新しい事業に挑戦してみよう。

起業3年目:安定的成長でよくない?

起業3年目で夜間オンコール代行が事業として立ち上がり、軌道に乗ってきました。
めちゃくちゃ嬉しかったけど、新しい悩みが出てきました。
「あれ?このままで良くない?」

なぜかというと、ドクターメイトはついに単月黒字を出せるようになっていました。
つい数ヶ月前までキャッシュアウトしそうで焦りの極みを経験していたので、ここでリスクをとって、大幅な成長を目指さずに、堅調に成長し利益を出すという道もありました。
出資をとって成長するとなったら、投資先行で、また赤字を掘らないといけない。冷静に考えて、どの選択が良いのだろうと悩みました。

コロナが広がったタイミングだったので、在宅で自分一人でいる時間も長かったので、なんとなくモヤモヤ悩んでいました。

結局、創りたい世界の実現のためには成長速度が必要であると判断し、出資を受けて事業を加速させることにしました。

▶起業3年目の気持ちを思い出すままに書き連ねると以下のような感じ

  • おおー、事業が伸びている、毎月数字が伸びているって素敵!

  • コロナって大したことないと思っていたけど、ロックダウンとかで出社できない。

  • 在宅ワークが増えると気持ちが上がらない

  • 自前で行くにしても、出資を取るにしても単月黒字が大事だと思って、黒字が出た。

  • でも投資してくれた人は、イグジットを求めているわけだし。このまま自前の成長を追っていてもダメなのかなぁ。。

  • またお金がなくなっていく恐怖を味わいたくないなぁ。。

  • 自前でできるところまで拡大して、それから出資が必要かを判断してもいいんじゃないかな?

  • うーん、でも創りたい世界を実現するためには、成長速度を出さないといけないから、リスクを取ってでもいくか!

起業4年目:組織って大変じゃん。みんな仲良くしてよ。

出資を受けて、組織拡大フェーズ。
毎月新しい人が増えていく。会社のお金は減っていく。
メンバーが増えていくのは嬉しいが、経営的には正直ちょっと不安。
人が増えていくとそれだけ責任も増えるしね。

自分が営業もなんでもやっていてたところから、徐々に任せることが増えていく。自分がやることが変わっていく中で、増えたのは人の話。
「あの人、実は裏で大変そう。」「あの人とあの人は合わないかもしれない」「あの人がこう言っていたからフォローしよう」

いつしか、事業自体の話よりも、人の話のほうが気づけば多くなっていたし、意識も人の課題にフォーカスするように。

「会社が成長するってこういうものなのか?」
「自分が担当している領域で、メンバーが悩んでいると言われた。自分にはそんなこと言ってなかったけどなぁ。信頼関係って難しいなぁ」
「なんか、事業のことを集中してやっていたときのほうが、楽しかった気がするなぁ」

人の悩みはありつつ、それでも事業が成長していたので、悩んでいる気持ちに目を向けないようにしていた。というのが正直なところだったと思います。

▶起業4年目の気持ちを思い出すままに書き連ねると以下のような感じ

  • 面接とかやったことなかったけど、なんとなくできている感じ。でもこれでいいのかな?確証はないなぁ。

  • 組織は大きくなっているけど、正直ちょっと不安。投資フェーズで赤字を出しているわけだし、みんなの給与も払わないといけない。

  • 今までは有志のメンバーが集まったプロジェクトのようなものだったけど、会社にならないといけないのか。

  • 社内の情報共有の量も多くなってきた。自分としてはただ集中して考えているだけだけど、怖いと言われるし、各論を気にし過ぎと言われるし、自分の立ち位置がわからない。。

  • 経営陣で集まれば、人の話ばかりをしている気がする。

  • そんなに人のことばっかりでいいのかな?

  • 事業は確かに伸びているけど、ここから更に組織が大きくなるうえでの不安が大きいな。

起業5年目:自分が描く成長戦略に自信なくなってきた。。

ステージBの調達をするために、様々なベンチャーキャピタルや投資家の人とのコミュニケーションが増えてきたフェーズ。
当然だが、投資を受けるには成長戦略が必要。成長戦略に対して、ポジティブに捉えてくれる人もいれば、そうでなく手痛い指摘を受けることあった。
常に頭の中は会社の成長戦略でいっぱい。
ぐるぐるぐるぐる考えている状態だったので、ずっと気持ちが休まらない感じでした。

そこに、ありがたいことに数社からM&Aの打診がありました。
M&Aの話が来るというのは事業を認めてもらえたということで嬉しかったですね。
ただ、自前でリスクをとって調達を行うのか、それとも大きな資本のもとでシナジーを出しながらやるのか、すごくすごく悩みました。
なんだかんだ3〜4ヶ月は悩んでいた気がします。
なんども投資家とコミュニケーションを取っている中で、自前の成長戦略に対して自信がなくなってきたこともあり、正直気持ちとしては8割ぐらいM&Aに傾いていたタイミングもありました。
「IPOを目指すといって集まってきた仲間には申し訳ないなぁ」とか「でもなんか早く開放されたいなぁ」とか考えていました。

最終的には成長戦略もかたまってきて、調達もできることになったので、自前で調達をして進む道を選びましたが、あのときのメンタリティはなかなかキツかったなと振り返っても思います。

▶起業5年目の気持ちを思い出すままに書き連ねると以下のような感じ

  • 投資をもらうためにプレゼンの毎日。いい反応を貰えることもあるが、慎重な意見や、指摘もたくさんもらう

  • 事業も忙しい中プレゼンは前向きに元気に行わないといけないなかで、回数を重ねてくると疲れが見えるようになってきた。

  • 特に出張の翌日のプレゼンは「なんか疲れてません?」とメンバーから言われる始末だし、顔が疲れていますよとか言われる

  • 投資家から指摘される事項に対しての打ち返しや、ストーリーを磨くために色々と考えているけど、どんどん考えが煮詰まってしまう

  • 投資のお断りを受ける。本当に調達ができるのかな?成長戦略はこれでいいのかな?

  • M&Aとは考えていなかったけど、調達の不安なく事業に集中できるのは魅力的だな〜。事業的にもシナジーがあるのであれば、それはいいかもなぁ

  • でも、IPO目指すって言っているしなぁ。。自分の気持をどこまで正直に話して良いんだろうか

  • でも、創りたい世界をつくるためには自前でやっていったほうが良いとも思う。でも、資金が集まらないとなぁ。。

  • おおう、いけると思っていたところからもお断りの話が。。うーん、これ調達厳しくなってきたかも。。

  • どうしようかな、ここで判断をミスるとM&Aも自前調達もできなくなって詰むな。

  • 結局自分は何がしたいんだっけ?イグジットできれば良いんだっけ?なんのために起業したんだっけ?

  • 創りたい世界の実現性が上がる方を常に選択しよう。その上で選んだほうを正解にすればいいや!

起業6年目:今の連続でない非連続を生み出さなきゃ!でも自分が入れないジレンマ。。

自前で10億調達ができ、事業戦略もできたうえで実行に移す6期目。
当然組織も一緒に大きくなっていく。
その中で、青柳自身が事業に入っていくことに限界を感じるようになってくる。
株主とのコミュニケーションや経営判断、人の話など、事業づくり以外のやることも増えてきて、自分で持ったタスクが停滞するようになってきました。

ここは権限委譲を思いって進めないといけないと思い、人にどんどん任せていくけど、これがまあ不安。
自分だったらこうする、みたいなものも全面に出さないでいるなかで、あらためて自分の役割を考え始めます。
メンターからは、「代表に最終的に残るのは評価責任、報酬責任、指名責任」と言われて、なにそれ楽しくなさそうって正直思ったり。

事業づくりの各論から離れることで、あらためて自分は事業づくりが好きなんだよなぁと思いながら、自分がそこに入りすぎてはいけないジレンマ。
実際に自分が入らなくても事業はすすんでいるし、メンバーのみんなは頑張ってくれているし、感謝、感謝。
自分はみんなに背中を預けて、次の非連続性をつくりにいかないといけないと思いつつ、細かいところが気になってみたり。。
周りからは「青柳さんはもっと任せた方が良い」と言われたり、逆に「もっと青柳さんの意見を言ったほうが良い」と言われたり。

でも確かに、自分しかできないことをしていかないと会社の成長を止めてしまうし、創りたい世界の実現性も下がってしまう。
創りたい世界の実現性を高める選択をすると決めたのだから、そこは自分の役割として頑張ろう!と思いながら日々を過ごしています。

▶起業6年目の気持ちを思い出すままに書き連ねると以下のような感じ

  • どんどん組織も大きくなってきて、いろんな場所で多発的に物事がすすんでいるなぁ

  • でも全然各論がわからなくなってきた。どうやって商談しているのかもわからないし、施設へのフォローの各論もわからなくなってきた。これで良いのか不安。

  • 自分の現場感がどんどん薄くなっていくのが怖い。それで正しい経営判断ができるのだろうか

  • みんなそれぞれに一生懸命がんばっているけど、微妙にゴールがずれている気がする。フォーカスを統一しないとバラけてしまうリスクもあるよなぁ

  • 色々と抽象的なことを考えることも増えたなぁ。その中でバランス取りながらやっていくって難しい。

  • 気づけば1ヶ月が終わっていて、取締役会かぁ。取締役会で社内で起きていることを自分ひとりで説明しきるのはなかなか骨が折れるなぁ。

  • 事業は進捗しているけど、実現したい世界を実現するためには非連続性を自分は創りにいかないといけない。

  • 非連続性を求めるということは、当然蓋然性の低いことにチャレンジするということでもあるけど、その分今までの連続性にない楽しさも感じることができるかもしれない。

起業7年目:変化への不安はゼロではないけど、なんか楽しいことになりそう。

ということで、今7年目に入ったところです。
この1年は色々な変化が起きるし、起こす必要があると思っています。
当然、変化することに対する不安がゼロなわけはないですが、今までの連続性では見えなかった景色も見えてきそうで楽しみでもあります。

全く悩みのない1年になることなんてないでしょう。
逆に悩みのない1年というのは不健全ですよね。
悩むということはそれだけ挑戦しているということでもありますので。

この一年も自分の基準は変わらず「創りたい世界を実現性を上げる選択をしつづける」です。
より抽象的で、正解のない選択をし続ける必要がありますが、この基準を変えずに、選択した方を正解にするように全力を尽くすのみです。

まとめ

色々と当時の想いを振り返りながら書いていると、書ききれないので、今回はこのぐらいにしておきたいと思います。

繰り返しになりますが、結論は「色々あるけど、やっていて最高に楽しいし、今の事業が大好き!」です。

今回は悩んでいたことを赤裸々に書くというテーマなのでしたので、悩みを中心に書きましたが、それを上回る楽しいことも経験しているので、やってて良かったと思います。

そもそもドクターメイトが創ろうとしている世界は、今の連続にない世界です。
ドクターメイトという会社の存在自体が挑戦なわけです。
ノーリスクな挑戦なんてありません。
悩みも学びですし、次の成長への糧です。

これからも色々と悩みながら、楽しんでいきたいと思います!

ということで挑戦したい仲間も大募集中です〜!


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