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フィンランドの大学 学びの進め方

前回の記事で、フィンランドの大学院の最初のセメスターでとった授業について書きましたが どんな風に学んでいたのか?思い出しながら、共有したいと思います。

まず、授業のスタイルは様々。大きく分けて3パターンあります

①1セメスターに数回(単位数によって回数が違います)の実際の授業(日時と場所が指定されているもの)を受けながら 途中でレポート・グループワーク・およびに最終プレゼンorレポートを含むもの。いわゆる”普通の授業”です。

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②オンライン主体の授業

一度も”リアル”の場がなく、オンラインで進めて行く講座。大学の専用システムにログインすると、教授が録画した動画を観ることができました。動画を見て、複数回に1回レポート課題があったり、なかったり。(その場合は最終課題があります)特に、”量的調査法”など ソフトを使う学びの場合は自分の作業のペースに合わせて聞き逃したところをもう一度試聴することができたのはオンライン授業のメリットでした。一方で、オンライン主体の授業でグループワークを実施することがあり、相手の顔を見ずにグループを組むので あまりコミットしないメンバーがいたりすると負担が大きくなります(笑)それも・・・まあ、”いろんな人がいるんだな〜”という学びになりました。

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③テストのみの授業

これには、ちょっと驚きました😵 ある授業を履修登録すると、課題図書やwebサイトが通知されます。それをkindleや図書館で探し、読み・・・決まった日にテストを受けるだけ。先生の顔も、見ません。自分から教授ルームに会いに行かなければ。「テストの日」は2ヶ月に1度くらい大学全体で行われます。事前にwebでテストを予約します。当日は、大きな教室を使って様々な授業のテストを受ける学生が一斉に集まります。大学側は「どの学生がどの授業を受けるのか」を管理し、答案用紙を間違いないように配布し テストが終わったらそれぞれ教室を出ていくというシステム。私が受講していたのが人文科学系の授業だったこともあり、テストは基本的に論述式でした。とても静かな教室の中で、それぞれの学生が別のテストを受けながら シーン としており、読んで学んだ本やサイトのことを思い出しながら論述するのは・・・結構楽しい時間でした。

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フィンランドの大学で②オンライン や ③テストのみ の授業が増えてきた背景の一つとして国の教育予算の削減があります。フィンランドの大学は、全て国立。国の予算で賄っています。しかし数年前から国の経済状況は良いとは言えず、大学だけでなくその他の教育機関(小・中・高校・専門学校)もある程度 予算が削減されていました。(教授や講師の解雇が、私の在学中にもありました)

当初は、留学までしてフィンランドに来た立場からすると少し物足りないスタイルに思えましたが、オンラインにはオンラインの良さがあり 「テストのみの授業」で読んだ本がとても良く 今でも仕事で使っている・・・ということもあります。何より、冬の寒い日(2015年のヨーロッパはとてもさむく、私がいたエリアでは-35度が数日間続いていました❄️)に家から出ることなく学ぶことができた事は助かりました。学びは、学ぶ意欲や動機があれば どんな形でもできる。最終的には、フィンランドの教育が大切にしていることを損わずに予算削減に適応している大学のスタイルに 私も、適応することができたようです。

トップの写真は、授業のグループワークで仲良くなったメンバーのおうちに行った際に見つけた”犬”のカップ。どんな意味なのか分からずに使っていたのだった。

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