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フィンランド 学童保育2014

2014年5月に訪問した、ヘルシンキのプレイパークは創立から100年ほど。フィンランドは資源も少なく、日本と同じく「貧しい」時代が長かったと言われています。両親が働き、ランチを提供する人がいない家庭の子どもために地域の方がランチを配り始めたのがプレイパークの始まりでした。

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そこから、福祉として国や市からのサポートがつくようになり現在の形となっています。現在も、日本のようにプライベート(民間)の学童保育は少なく 多くの家庭が公設の学童保育を利用していますが。多くの学童保育は17:00頃までにクローズしてしまったり、配分される予算の縮小によりスタッフ教育が満足にできなかったりと「すべてが満足」という状況ではありません。ですが、2014年当時に訪問したこちらの”プレイパーク” ではその場にいた多くの子ども・スタッフ・保護者の方々の表情から ”良い場所だな” と感じ、『東京に、このような場所をつくりたい!』と思い描いた原点になっています。

●フィンランドの小学校は、早いと12:00ころ。遅くても14:00には下校。そのあとに過ごすところが学童保育です。

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おやつを配るのは、ボランティアで来られている方。多い日は1日に100人ほどの子どもが利用するので「おやつ食べたか」チェックが大切なお仕事です。

●特別なプログラムはありません。外遊び・アート・クラフトを楽しむ環境が整っており各自がルールを守って(お片づけなど)自由に過ごします。

ソファで読書をしたり、おやつのヨーグルトを食べながら漫画を読んだり、宿題をし、ポーカーやビリヤードに熱中し ある子どもは1人で過ごし、2~3人でひっそりとごっこ遊びをしている子どもも。何かを強制されたり、だれかの目を気にしている様子が見られませんでした。

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アート道具のコーナー

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ミュージックコーナー

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子どもがオーガナイズする「ダンスクラブ」。14:15-15:00で、やりませんか?

●訪問中、私の”お世話”をしてくれていたMariaは保育園の先生をしていましたが腕の怪我がきっかけで学童保育のスタッフへキャリアチェンジ。”プレイパーク” で子どもに接する上で大切にしていること…子どもにルールを守ってもらうこと。ルールを守り、周囲にpoliteにしてしている限り楽しい気持ちでいられるということを学んでもらうこと。だと話してくれました。一人一人の子どもを「個」として認めながらも "individual as a group" (あくまで、グループの中の1個人)として捉え 多い日は100人の子どもに対して5人のスタッフで対応をしている、と話してくれました。

もちろん、お友達を怖がらせたり暴れたり・ルールを何度も破ってしまう子どもいて・・・そんな時には保護者とも会話をし時にはクラブを辞めてもらうこともあるそうです。「ルールを守れる子どもで構成されているコミュニティだからこそ、平和が保たれているのです。」

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●大切なのは、スタッフ同士のチームワーク

「スタッフルーム」という少しごちゃっとした小部屋があり、コーヒー や甘いものを手に スタッフ同士が会話をしています。「金曜日の午前中」はミーティングと決まっていますが 多くの事は「ちょっと」の時間で決めているそうです。自分たちのことを「分担上手」と形容していました。

●「月曜日は、ゲームを持ってきて良い日」

すべてを禁止すると、フラストレーションが溜まったりこそこそ隠れてやってしまう。だから、公に。ここではない、別の場所(ユースセンター)には「スナック菓子を持ってきて良い日」がありました。

_________________________________________________________________________________当時は、フィンランドの文化・家庭の生活・「子どものケア」に対する考え方に触れるのが初めてで「その場を味わう」ことに精一杯でした。どうして子どもたちはこんなにリラックスをしているのだろう?どうしてスタッフたちはポジティブに見えるのだろう?という問いを持ったまま帰国をし、1年後に”留学生”としてフィンランド再訪。たくさんの学童保育のスタッフへインタビューをがっつりする機会を得ました!そのことについては、また今度。_________________________________________________________________________________

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