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妊娠出産のリアル

昨日、3人目のこどもが無事に生まれました。これまで妊娠出産周りについて個人的な経験にはほとんど触れることなどなかったので、なんとなく、バリバリ働いて、サクっと産んで、パパっと復帰して、めっちゃスゴいみたいなイメージを持たれてるのではと思い、少しだけ現実をお伝えできればいいなあと思いで書いています。


まず、3回の妊娠出産を経験する中で思ったのは、毎回違う壁にぶちあたるぞということでした。妊娠期の症状も違えば、こども自体も正直生まれつきみたいな個体差が大きい。とにかく全ては1つ1つの個別事象として捉えるしかなく、決めつけない、あるがままを受け止める、しかないよなという。

1人目を経験したときの壁は、体調管理でした。初めてのつわり、変化するホルモンバランス。私自身はある程度メンタル強い自覚はありますが、それでもやっぱり普段とは全然違います。しかも、1人目というのは何もかもが未知で、何が正しくて何が間違ってるのかも分からない。かつ、当時は会社自体もアーリーステージで余裕などなく、しいていうなら、幸いにも調達後でキャッシュは潤沢だったのが救い。それ以外の余裕など皆無という状況でした。


その頃の働き方といえば、体力が尽きたらその日は終わりといった感じで時間管理などなかったですし、夜に用事があっても22時までに終わればオフィスに戻って、再び働くみたいな。そのため、働きすぎで妊娠高血圧の疑いとなり、途中管理入院させられるも、病院でビデオ会議しすぎて、早めに退院させられたりもしましたし、結果何事もなかったからいいものの、そろそろお休みに入ろうかなという時期に1日13面談いれて負荷をかけたせいか、翌早朝に破水してしまい、緊急帝王切開で出産となりました。つまり、どこまでギアをあげるとどうなるか、全然わかっていませんでした。ただただ妊娠とかに甘えずやるしかない、みたいな。


で、産後は少し休もうと予定していたものの、不在となったことであっという間に組織が崩壊。準備していたつもりが何一つできてなかったという状態になり、予定よりかなり前倒して復帰することに。が、同時期に母乳とミルクの混合でいけてたこどもが哺乳瓶すら受け付けなくなり、直接母乳一択に。自転車で10分くらいの距離の家と会社を1日最低3往復し、それでも胸が張るので、ミーティングの合間をぬって会社で搾乳。今振り返ってもこの時期が一番辛かったです。長らく会社経営する中で、ただ一度だけ、このときばかりは、自分が経営するなんて無理なのでは、辞めた方がいいのではと思って、人に相談したりもしました。「そんなことないから出直してこい」みたいに言われたけど。愛ある言葉に救われたからいまがある。


また、ホルモンバランスが崩れている自覚もなく、メンタルもネガティブに倒れがち。かつ、無理のしすぎで異常に体調も崩し。いまでこそ、ああこれはそういうことだなとか分かるんですが、当時はそこまで解像度高く把握していなかったので、思考のコントロールがうまくできない。なので、ここからの学びで、そのような状態のときには、一時的にでも極端な意思決定はとらないというのは今でも続けています。とにかく自分をあまり信用しすぎない。あと、論文も出ていたと思いますが、産前産後って記憶力が落ちるので、それはもう生命体として仕方のない事象として、対応できることはしつつも、できないことはしないと。そして、それらを認識したうえで、もっと人に任せたり、任せられるチームをつくったり、自分以外に委ねる。あるいは、委ねないなら、特に不可逆なものは、意識的に決断を遅くする、というのもありだと思っていたりします。


2人目の壁は、最初から最後までつわりでした。毎回総じて吐きづわりだったものの、2人目のときはもう寝ても冷めてもずっと吐いてるような状態で、ポカリすら口に含めず、点滴を打って、みたいな。病院に点滴打ちにいく体力すらなかった時期もあったけど。しかも同時に直腸炎にもなって体はボロボロ。その後少しずつ復活はしていったものの、最後までつわりは続き、なんなら産んでもしばらく続いてたくらいで、ひどい二日酔い数ヶ月単位でやってる感じ。こうなると、もうまともな思考力なんてものは普段とは程遠くなります。ただ、このときの救いは、経営チームが頼りになる、ということ。1人目ときとは違って圧倒的に強化されていたので、そこは安心感がある一方、自分は役割を全うできているのか、という自問はいつどんな場合においても続きました。


また、早い段階の検診で、胎児の首の浮腫について指摘が入るという経験をしたのもこのときでした。浮腫があるということは、つまりは障害の可能性がある、という意味です。ただ、その指摘をうけた日は、週に1日しかいない遺伝子専門の先生がたまたま隣の部屋にいて、そして、たまたまその瞬間空いている状態という奇跡。なので、すぐに夫婦でカウンセリングを受け、検査を進め、数週間後の結果を待つということをしました。本来は、そこで出てくる結果に対してどういう風に捉えてどう対応をするか、というのをきちんと事前に夫婦で話し合ってから受ける方が良いわけですが、少なくとも私の場合、まず何かしらのファクトを最短で把握するという状態にしたのは、メンタルを長期でもっていかれないという意味で良い選択でした。とはいえ、障害という点についてリアリティをもって考えるというのは、昼間は普通に良い意味で忙殺されて仕事するからいいものの、夜寝る前の頭の中は仕事どころじゃない、みたいになりましが。


結果的に、その検査によって特定の障害の可能性は払拭されたわけですが、とにかく悩んでも仕方ないものに無駄な思考力を割かないようにコントロールできる選択肢は早めにとる、コントロールできないことに対しては、あるがままを受け止めしかない、ということを特に考えたのが2人目でした。あと、このときは、出産2週間前に社長交代するという大きなイベントもあって、とにかくいつもながらギリギリまでバタバタしていたというのもありました。


そして、今回の3人目ですが、過去と比較するとつわりも軽く、高血圧にも、胎児に浮腫もなく。かつ、コロナ禍でのリモートワークということで、地味に体調管理上、助かりました。自宅と会社が近い私ですらそう思ったので、普段それなりの時間かけて満員電車で通勤してくれていた人たちにとっては相当負担が軽減されたのではと思いますし、そもそもお腹が張ったらいつでもベッドに倒れられる、吐き気や頻尿でもいつでもトイレにかけこめる、というのは、妊婦にとってかなり優しい環境でした。


と書くと、順風満帆だったのねってなりそうですが、まあならなかったですね。中期にさしかかったころ、突如子宮破裂の可能性が浮上しました。子宮破裂、怖い言葉ですよね…。起こると子供だけでなく、母体もそこそこやばくて、普通に死ぬ可能性あるやつ。これは1人目のときの帝王切開が影響してることがのちにわかりますが、ただ、担当医に言われたのは「できることはない」でした。重いものはもたないとか、お腹が張ったら休むとか当たり前のことはあるものの、普通に生活する中で何か軽減できることはなく、あとはどうしようもない、運しかないと。もちろん、これは傷の場所やサイズなどの状況にもよるので、私の場合は、ですが。


なので、まだ死にたくはないなあという思いつつも、「できることはない」という言葉は個人的に良い意味での諦めとなり、ないならないで仕方ない、みたいに考えを移せたのはとても良かったです。繰り返しになりますが、コントロールできないことはあれこれ考えても仕方ないので。


でも、そんな状況下でギリギリまで働いてましたよねってなりそうですが、後半は薬を飲みながら、適度に休みながら、適切にモニタリングしてもらって、というのが現状。リモートで座って会議する分には問題なくても、Macbookの入った鞄をもつレベルでちょっと重さ感じて危ないなと感じたりすることもありました。が、3回目となると、手の抜き方がそれなりに分かるし、担当医とも連携してるし、1人目の無茶な状態とは全く異なります。まあ、毎回病院で子宮破裂の可能性を確認していく経験は新しく、どうにもできないことはどうにもできない、ただ天明を受け入れるのみ、みたいな境地にいきつきましたが。


で、結果的に、今回も運良く無事に出産に至りましたが、こどもが生まれるって全然当たり前じゃなくて、妊娠の確率、流産の確率、障害の確率、母体の安全確率、死産の確率、いろんな可能性の中で、ただ、たまたま奇跡的に生まれるという事実がそこにあるだけ。そして、生まれたら終わりではなく、そこからがスタートなわけで。


特にいまはコロナ禍で、検診の夫婦同席や、両親学級もなくなったり。立ち会い出産や面会の禁止も増え、里帰りや親を呼ぶことも減り。そして、産んだあとも特に1人目は外出もなく引きこもる確率もあがり。もともと10%前後で発症する産後うつが交流減と精神衛生負荷によって発生確率が2倍になり、もはや4-5人に一人は産後うつになるのではと言われている状況。仮に自分は大丈夫でも、社内の人たちは、周りの人たちは大丈夫か、みたいなところは、いつも以上に気になっていたりします。


ということで、毎回いろんなことが起こるものの、事業で結果を出すのがすべてみたいな身で別にあえて伝えることもないしなという思いもこれまであったんですが、最近、起業家で妊娠出産する人(女性)、子育て中の起業家(男性)からちょくちょく相談もらうことも増え、いやいや外から見てるほどそんな順調なことなどないよと話すことも増えたので、とりあえず生まれるまでを中心にこれまでを晒してみました。


何事もなく、当たり前のようにいつも仕事して、すぐに復帰して、バリバリに働いてるみたいな感じに捉えられると、それはそれで実態と異なるし、これから経験していく人にとっても歪むだろうし。いろんなケースあるし、みんな大変だよね!私は、家族も仕事も両取りしたいため、とにかく正しい意思決定を長期で繰り返すために、自分自身のメンタルをいかに安定させるかに常に重きをおいて生活してるので、その辺は回数経てうまくなってきた気はします。


あと、ギリギリまで働いて、とかすぐにインターネットに戻ってくるっていわれるけど、それも、ただ趣味がなく、休み方が分かってないだけという。毎回帝王切開なんで、陣痛もなくで直前まで自由。体質的に麻酔も効きやすく、かつ、幸いにも復活しやすいタイプということもあり、時間を持て余してしまう結果、いま帝王切開翌日にこの文章書いてるわけで、休むってほんと難しい。一応ゴロゴロしながらは書いてるよ。 


と、いろんなことがありながらも、どうにかなっているのは家族、会社のみんな、日頃からサポートしてくれてる方々、そして現代医療のおかげ。あとはほんと運でしかないので、それらすべてに感謝です。

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コメント (1)
大変なご経験をご共有いただきありがとうございます。ちょうど今漫画の『コウノドリ』を読んでいたので、併せて出産というものがどれだけ奇跡に溢れたものか、強く感じています。三人のお子さんたちがスクスク育ってくれることお祈りしています!
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