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のべ100名が参加するDIYワークショップで学んだこと

私にとって、もっとも大切な経験をさせていただいたワークショップの一つに、南房総での断熱ワークショップ(エコリノベ)がある。NPO南房総リパブリックさん、みかんぐみ竹内昌義さんのお声がけで2016年から始まり、2019年で4回目となる。一言でいうと、「寒い家を、自分たちの手で暖かくする」ワークショップだ。

計4日間、各日25人で述べ100人の参加を想定した大規模なワークショップ。本来プロが専門的に行ってきた断熱という工程を「DIYで行える作業」に落とし込むのも、ほぼ初めての試みだったと思う。開催の3ヶ月ほど前に、舞台となる古民家に足を運び、講師陣で話し合い4種類の断熱DIY作業を想定した。

 - 全ての参加者が全てのワークを体験できること
- 4日目の最後に、作業が完了し、暖かいことが体感できること

を条件に据えて、プログラムと工法を練った。まだ見ぬ参加者の表情を思い浮かべながら、最適と思える4日間のプログラムを出すのには、ずいぶん時間を使った。

2016年新春、4日間のワークショッププログラムを実際に終えた後、興奮とともに、facebookにその時の所感を投稿している。

*** 以下、2016年2月9日河野直の投稿より***
すごく手応えと反響のあるワークショップだった。主催者と参加者の両方が、本気だった。明確な目的がありながら、「実験」的でもあったことが学びをより面白くした。綿密な準備をしたが、たくさんのことを現場で決めたし、本当に効果があるのかやってみないと分からないこともあった。

「あたたかい!」
最後、みんなで体感したことが、4日間の実験と学びの成果だった。床・壁・天井をDIY断熱した古民家は、小さなストーブ一台で驚くほど暖かくなっていた。実験は大成功だった。

大人が本気で学ぶ場というのは、本当に面白いと思った。親しみのない「現場」という場所を「学びの場」に変えることは、わたしたちの仕事だ。6年間やってきたが、これを極めたいと思った。この辺りのノウハウを今、つみき本出版に向けて、執筆していたりする。

南房総エコリノベDIYワークショップ。このプロジェクトに関われたことを、本当に嬉しく思います。断熱改修に関するあらゆる知見は、一緒に講師をさせて頂いた竹内さんによるものです。竹内さん、南房総リパブリックの馬場さん、内山さん、木戸さんをはじめとする皆様、森のようちえんはっぴーの皆様、100名を越える参加者の皆様、ご一緒できて幸せでした。本当にありがとうございました 。
そう、最後に、合宿ってのが、とってもよかった。たのしかったし、あいかわらず酒が旨かった。

改めて内容を見返すと、DIYワークショップを構成する上で、今も大切にしているエッセンスが、いくつか書かれていた。

1. ワークショップの目的
2. 主催者と参加者の本気度
3. ワークショップの実験性
4.酒が旨い


これらは、ワークショップを作る上で欠かせないエッセンスだ。「目的」はワークショップの土台。「本気度」は場の質。「実験性」は主催者と参加者双方にとっての、学びの種だ。

ワークショップ後の酒のうまさは半分冗談だが、一つのものを作り上げた後に飲むビールが格別なのは事実。それが、普段はあんなに不味いと思うノンアルコールビールでも構わない。

以降の記事では、4つのエッセンスについて、詳しく書いて行きたいと思う。

[追記]
1. ワークショップの実験性について https://note.mu/naokono/n/n1f53007050eb


(終わり)

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