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日本一営業時間が短い肉屋

お肉はどこで買いますか?

町から精肉の専門店が次々と消えていき、大型ショッピングモールや近場のスーパーなどでまとめて買うのが一般的になりつつあると思います。私が住んでいる鳥取県も同じような状況です。

特殊営業への道のり

鳥取県米子市にある「ミートランドはなふさ」このお店は開店当初は精肉と惣菜が毎日買える店でした。

29日は肉の日で精肉2割引き、月曜日は惣菜の日で1割引き、売れ残りそうな精肉は2割引き〜5割引き。それでも売れなければ廃棄。

これだけ割引がされると、もはやプロパーで買ってくれることがなくなってきました。

2年弱 試行錯誤してみたものの、当然お店に利益は残らず、惣菜を担当していた社員が退社。このタイミングしかないと一か八かの業態変更をすることにしました。

もともと食肉卸の加工場として同じ場所で稼働させていたので一旦店舗販売だけを閉めて色々と考え辿り着いた...

それは、毎週土曜日 12時から16時の4時間のみの営業です。

当初はそんな短時間営業でお客さん来ないだろうと言われてました。

この4時間に足を運ばすだけの理由(価値)のある店にしなくてはということで取りかかりました。

まずは、近隣にチラシをポスティングし、お店と営業時間を認知してもらうことから始めました。

スーパーには置けないような価格帯の和牛を割引はしない、ロス(廃棄)も出さない代わりに思い切った価格で置き、お客さんに食べてもらう。毎回食べている生産者の和牛を信じ、お客さんの舌を信じ、徐々にリピートに繋がっていきました。

転機

私の妹が焼き菓子屋(焼き菓子respirer)をしており、地元のお客さんに愛されているお店でした。妹が子を授かりなかなか毎日の営業を考えているタイミングで声を掛け、土曜日の4時間ならと快諾。 この取り組みが面白いと地元テレビ局さんが取材へ。

この放送後の土曜日にメディアの影響の大きさを改めて知ります。

12時前から並ばれる方々が。

肉も信じられないスピードでなくなっていきます。これを機にやめていた惣菜アイテムの一つコロッケを復活させました。

賀露本店の社長のお母さんが作ってる人気惣菜。兼ねてからたくさん「コロッケないの?」と言われていました。

1日限定50個からでした。(現在は100個限定)
ものの10分ほどで完売したときは本当に驚きましたし、お母さんのコロッケの力を思い知りました。

そしてここからコロッケ行列ができるようになり、人間心理から行列が気になり「あの店何売ってるの?」など少しずつお店が認知されるようになってきました。

ポイントカードを導入し、1,000円(税込 うちは全て税込単価です)で1つ捺印。25個で満タンになれば名前や住所を記入してもらい1,000円として使えるようにしました。要は25,000円使えば1,000円OFFということです。この顧客情報をもとに集客したい時期に合わせてDMを送らせてもらいます。

たとえば一番動く年末の時期にポイントカードの帰ってきた顧客へDM(期間中に1度のみ使用で1割引き)を入れて4割ほど来て頂けました。

この頃には月の売り上げは、毎日開けていた時とほぼ同じくらいまでになっていました。

その4時間にどう集客するかという問題はラッキーもありクリアし、土曜日のその時間帯なら自分が接客することができ、お客さんが求めることや反応をいち早く感じれるという強みも出来ました。

メディアなどに興味を持ってもらい、取材したいなと思ってもらえるような取り組みも大事な事だと思いました。

このカツサンドも受注発注なので、食材ロスになるリスクもありませんし、「4切6,000円?!」というインパクトの強い価格ということでおそらく興味を持ってもらい、取材を受けました。
取材後はカツサンド1日10個売れました。
現在でも毎週出ます。

実際にはかなり利益は薄く、皆さんが拡散してくれたりしてくれるかなぁと思いながらやってます。笑

あとは月に1度、農業のマルシェをされているお姉さま方とコラボしています。
最初アクションかけた時はなかなかいい返事もらえずでしたが、諦めずプッシュし実現しました。

より賑わい活気が出て、生産者の顔が見える食材を売るという点で凄くいいコラボレーションではないかと思います。

鳥取は美味しい食材がたくさんです。
これから更に精肉の専門店として生き残りをかけて色々と新しい取り組みなどもしていきながら長く愛されるお店であり続けれるように週1日店頭に立ちインプット、アウトプットをしていきます。

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