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わーさんが記事にするMastodon、Misskey、そのフォークたち

 急遽、幾つかの記事を上げることにしました。あまりに急なことすぎて、ちょっとヘッダー画像とかも後から考えますが、ひとまず。
 これは、わーさんが初心者なのにFediverse自鯖ハウツー本を書こうとして下書きしていた原稿からの転載になります。
 目次記事はこちら。

※2024年3月10日時点での個人的な感想です。


Mastodon系

Mastodonについて

 主にはドイツのEugen Rochko(オイゲン・ロホコ)さんを中心に開発されてきた、質実剛健な印象の分散型ソーシャルメディアプラットフォームです。保守的な開発は、しばらく前の記事の内容でも役に立てることができたり、アプリが開発しやすいという意味では長所に他ならないでしょう。

 ユーザーとして見ると、テキストベースのタイムラインを追うこと、「興味のある事柄を情報収集するための内向的な本音・作業アカウント」の運用に向いています。機能についてはかなり取捨選択されており、例えば後述のサービスでは利用可能(場合によっては有名)な絵文字リアクションすら、Mastodonでは全て⭐️(いいね)に変換されてしまうほど。アプリを利用しない限り、ブラウザでは複数アカウントの切り替えが面倒だったりもします。

 サーバー管理者として見ると、Hostdonのようなホスティングサービスが利用できたり、先人の残したお役立ち記事が多く見つかるので、保守管理の資料は見つけやすいでしょう。一方で、公式ドキュメントが英語メインのため、日本語以外の言語が苦手な方が無改造に近いMastodonを望むなら、コスパ的にもHostdonを利用するのが良いでしょう。

kmyblueについて

 日本の雪あすかさんが開発しているMastodonのフォークです。フォークとは、独自機能の追加などで本家から枝分かれしていったものを指します。

 中小規模のテーマサーバー(外に出したくないような身内話をするコミュニティ)向けに開発されているとのことで、Mastodonと比べると公開範囲やフィルタリングなどに注力していたり、絵文字リアクションが(しかも他サーバーのリアクションへの相乗りも)実装されていたります。

 サーバー管理者の立場から見ると、開発者である雪あすかさん自身が言及している通り、個人のフォークであるが故の開発タイミングのムラや開発停止のリスクはありますが、一応本家へ戻すコードも用意されていたり、丁寧な説明の日本語ページが準備されていたりすることから、Mastodon本家を自力で建てるよりはハードルが低い印象です。

Misskey系

Misskeyについて

 日本のsyuiloさんを中心に開発されている、華やかな印象の分散型ソーシャルメディアプラットフォームです。新技術の取り込みに貪欲で、様々な新機能を次々と実装する一方、試行錯誤の過程で仕様がガラリと変わることも多々あり、サーバーの保守管理やアプリ開発にはめげない根性が必要かもしれません。

 ユーザーとして見ると、絵文字リアクションやアイコンデコレーション、猫モードなどの華やかで遊び心あふれる機能や、チャンネル、Playなどサーバー内を中心に楽しむ機能、ページ、ギャラリーなど作品展示に向きそうな機能など、とにかく全て使いこなすには一朝一夕では難しいほどの多機能ぶりが特徴でしょうか。「対人関係を育みたい外交的な広報・交友アカウント」の運用に良さそうです。アプリはなかなかないですが、PWA(プログレッシブウェブアプリ)としてホームに貼り付けてアプリ風に使うことについて、Mastodonよりも便利に作られています。複数アカウントの切り替えも楽ちんです。

 サーバー管理者として見ると、きめ細やかなロールをうまく運用できれば、独自のコミュニティを単独で組み上げることすらできそうです。一方で前述の通り、保守管理についてはたまに落とし穴が発生します。

Firefishについて

 かつてはアメリカのKainoa KanterさんがMisskeyからフォークしましたが、今は日本のnaskyaさんにぶん投げられています。kmyblueがMisskeyの機能も少し取り入れつつ独自路線を走るMastodonだとしたら、FirefishはMastodonの機能も少し取り入れつつ独自路線を走るMisskeyだったものです。

 ユーザーからすれば、MastodonよりはMisskeyに似た、けれどMisskeyほどはごちゃっとしていない印象を受けると思われます。

 サーバー管理者からすると、今まで言及している中では珍しくローリングリリースを採用しており、セキュリティアップデート以外は都合のいいタイミングで更新作業を行うことができるので、気が楽かもしれません。(もちろん、人によっては都度の確認が大変で、一斉にアップデートする方が性に合っている場合もあります)

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