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今年のIVSに参加して思ったこと
はじめに
昨年に引き続き、今年もIVSに参加しました。非営利型一般社団法人の代表である私がなぜスタートアップカンファレンスに参加するのか、疑問に思われる方もいるでしょう。
その理由は主に以下の2点です:
スタートアップ界隈の友人と久しぶりに交流すること
社会を良くする活動=社会運動に取り組む人々や企業とつながりを作ること
今回のIVSで感じたことや、これからのスタートアップについて話したことを書き残しておこうと思います。
1. VCを使わない起業の台頭
最近の傾向として、ベンチャーキャピタル(VC)を使わずに起業する人が増えているそうです。その背景には:
株主への詳細な説明や承認取得のプロセスを避けたい
急成長よりもM&Aを前提とした起業が増加
結果として、ニッチだが拡張性のあるプロダクトやサービスが多く登場しています。この傾向は機動性や自由度の面でメリットがありますが、社会を大きく変えるようなイノベーションが生まれにくくなる可能性も懸念されるのでは?と思いました。
2. イノベーションの停滞
イノベーションを「1+1が10や100になる現象」と定義すると、その「1」となる要素が社会に多く存在する必要があります。しかし、近年はイノベーションの種が減少傾向にあるように感じます。
この状況を打開する一つの方法として、「休眠特許×CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)」が注目されているそうです。大企業の未使用特許と、それを活用したいと考える起業家をマッチングさせる試みです。自社内で新規事業を立ち上げるよりも、外部の人でも意欲のあるひとに開発を任せる方がクオリティも高くコストは低く抑えられる傾向にあるので、よく理にかなっていると言えます。しかし、これも対処療法的で根本的な解決策とは言えません。
3. 社会科学の重要性
私見ではありますが、社会課題解決型ビジネスにおいて、社会学者の参画が重要だと考えています。彼らの専門性は以下の点で有用です:
課題の当事者の声や、利害関係者の声を適切にデータ化
実施したアクションの影響を専門的に分析・解析
今後の方向性を科学的に検討
現状のスタートアップエコシステムは、いわば「コンパスのない船」のようなものです。社会科学系の専門家がそのコンパスとなり得るのではないでしょうか。
結論
大学発ベンチャーの多くが医療やディープテック分野に偏っている現状を考えると、社会科学系の学問をスタートアップエコシステムに取り入れることで、新たな可能性が開けると確信しています。このようなアプローチに興味のある方、ぜひ一緒に取り組んでみませんか?
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