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ウクライナとは?

もう半世紀近い昔のこと、小学5年生の夏休み自由研究で、『国際連合の仕組みと役割』を発表したことがあった。安全保障理事会、経済社会理事会などの機関や、5大国の拒否権などの現在でも継続されている特徴に、『日本は弱いんだなあ』という素朴な印象を持った記憶が懐かしい。

当時の加盟国数は150数か国で、ドイツも朝鮮半島2カ国も未加盟だったはずだ。さて、ここからが本題だが、参考にした実家の百科事典に『ソビエト連邦と、白ロシア、ウクライナは別個に国連に加盟しています』と書いてあった。発表時にもそう付け加えたのだが、『何でなんだろう、不思議だなぁ』と感じたことを覚えている。

ソビエト連邦の後継国家ロシアが、ウクライナに侵攻してしばらく経つ。YouTubeの様々な解説やBBCのページなどを見ても、アグレッシング=侵略というかなり踏み込んだ表現が使われている。実感としても、まぁそうだろうなあと思う。

ただ、なぜロシアがここまでなりふり構わず力の行使をするのかと考えてみたときに、前述した半世紀前の国連議席の状況が思い浮かんだ。ソビエト連邦という主権国家の中での特別な地位を持っていたウクライナは、ロシアの時代になっても、水戸黄門で言えば助さん格さんみたいな存在なのだろうか。ドラマの中で仮に格さんが印籠を持って悪代官サイドに加担する事態になれば、ご老侯も放置しておくわけにゆかないのは理解出来る。(是非ではなく、論理として)

それに加えて、第二次大戦後、スターリンによってクリミア半島のコサックが中央アジアに強制移住させられロシア人の入植が推進されたことも、民族間対立を先鋭化複雑化させているらしい。このようなウクライナでは、領域・政府・国民という主権国家の構成要素の定義が、一様に示しにくい。

だから、この問題は容易には解決しないのではないかと、悲観せざるを得ない。問われているのは『ウクライナとは何か』という根本的な命題だと思われるからだ。

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