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ドンキー日記 2020年3月

3月31日
 母は「スカーレット」にどハマり。
 弾き語りの録音と 草月ホールのマスタリングのテスト・ファイルをチェックして、ふとネットみたらクドカンさん感染のニュース。 芝居を詰めてもうすぐ上演のところで悔しいだろう。 どうか軽症でありますように。
 とにかくおれは籠もって歌うしかない。 とはいえ、親のかわりに買い物にも行く。高齢者を守らねば。 都市封鎖になったらその時は落ち着いて行動せねば。とにかく衛生。栄養と免疫力。腸内細菌の強化。
 結局、朝までに2曲を録音。「遠い空、響く声」など。


3月30日
 志村けんが亡くなった。
 寝起きのまだ片目しか開かない状態でiPhoneをチェックして見えたのがその文字。戻ってくると信じてたが。
 そろそろ首都閉鎖だという噂が伝わってきた。眠いままに買い物。
 トイレットペーパーはスーパーでは山のように売ってた。簡単なコーヒー屋に入ったら65歳くらいのオヤジが躊躇なくとなりの席に座り、マスクをはずしてテーブルに投げるように置いた。気持ち悪いのですぐに席を立った。
小池都知事の適当な会見にもあきれるし、何もやりたくなくなった。
 原真人くんのマスタリングのたたきが届いたのでチェック。彼のように誠実で真面目な人と連絡をとりあうことは楽しい。今回の草月ホールのライヴ盤は、やはり誠実でほがらかな馬場友美さんの素晴らしい録音とミックスが聴ける。心のきれいさが仕事に出る。その音をハラくんがマスタリングする。悪いものになるわけがない。
 簡単なパスタを作って食べて、夜中にいくつかデモ。ひとつだけいいものになりそう。そして今度の弾き語り配信のアイデアを考える。

 昨日、アラン・メリルも新型コロナウィルスで亡くなったという。

3月29日
 夕方にみた夢。
 名古屋の大学のイヴェントでエルヴィス・コステロと同じ楽屋。気が合って仲良くしてたのに写真を撮るのを忘れてあたふた。イヴェンターとクルマに乗って一旦、街へ出ることに。途中でおれは、自分のスバルに乗り換える(ライヴのあとにはそれに乗って帰るため)。一旦、パーキングへ車を入れようとして、発券のために手を伸ばそうと安全ベルトを外してから満車に気づき、慌ててそのままバックで道に出て、すぐ隣のパーキングへ向かった瞬間、パトカーが後ろから来て切符切られた。イベンターさんが大金を立て替えてくれた。

夜、ディヴァイン・コメディの2015年のパリの秀逸なライヴ配信を2時間観てからパスタを作った。

3月28日
『キレイ~神様と待ち合わせした女~』をWOWOWで。伊藤ヨタロウさんの芝居を初めて観た。音楽もとても良かった。

3月27日
 またライヴが延期に。日々、感染者が増えている。昨日は昼下がりから5時間近くレストランにいたが、咳する客がいると気になった。明日は会報の対談だが引きこもるのがベストのような気がしてきた。母親のために野菜と肉を買いに行かねば。
 実家で母と「スカーレット」を観る。川崎大師のラーショでネギチャーシュー。

3月26日
 松本隆さんが中心になって鈴木博文さんらを誘って結成したオリジナル・ムーンライダースの「月夜のドライブ」が、ふいにiPhoneから流れてきた。山本浩美さんが歌ってる。とても懐かしい。
 いつだったか、品川の家に来ておれなんかを相手にウイスキー呑んで熱く音楽を語っていた。正直に意見を言うと噛み付いてくるし、やけに理屈っぽいところもあり、目がすわってくるわで、あまり生意気なことを言わないように気をつけた。
 初期カーネーションの頃だ。そのあと五反田にあった、おじいさんとおばあさんが店主の家族的な雰囲気のスタジオでバンドと練習して一度、一緒にライヴをやった。たまに湾岸スタジオに遊びに来てたけど、そのうちだんだんと会わなくなって、彼と最後に会ったのは草野球の時だった。助っ人なのに一番声を出してくれた。20年、いや25年前くらいだっただろうか。その後に亡くなるまでのことはよく知らない。壮絶な時期があったのかもしれない。
 この「月夜のドライブ」はとてもいいテイクだ。張り切りすぎて声が出てないところも彼らしい。賢明に格好つけていていい。なんかいい。
 13時から取材。
 終えて村尾泰郎くんも交えてランチョンへ。17時を回った頃に藤本国彦さんが合流。楽しい。珍しく途中で寝落ち。
 帰りの駅近くのコンビニで大根を1本と卵とざる蕎麦を買う。昨日あたりから買い占めが始まっているという。

3月24日
 イープラスのエレベーターにのろうとおもったら、出てきたのが萩原健太さんと近田春夫さん、あとビクターの川口さん。うへぇ。白盤いただいちゃいました。

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  Soggy Cheerios生配信ライヴ。

3月22日

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3月21日
 いい天気。
 朝8時に起きて、母親の病院をふたつハシゴ。薬をもらうだけなのだが、結構混んでたようだ。整形外科の前で待ってたら、隣のドラッグ・ストアに箱なしのティッシュ5束のセットが300円で出てたので買う。棚はほぼガラガラ。伊勢屋にはおはぎを購める人が絶えず行列。お彼岸である。
 その足で父親の墓参りをして、帰りに母がフィレオフィッシュを食べたいというのでドライブスルー。
 少し寝る。
 きいちゃん(叔母)が牛肉を買って来訪。おれは美容院へ。カラー。殆ど寝てた。帰りの大井町線は空いてる。

3月20日
 父親の原戸籍を出生地の役場にお願いして送ってもらうことに。 書類の取り寄せにかかるのは750円。 あと切手2枚と返信用封筒が必要。 ダイソーでよさげな封筒を買う。 判子は持ってきた。
 たくさんのメニューがある中華レストランへ行き、 カツカレーを頼み、 書類を書き込む。カレーが到着。 「汚れない様にね」とおばちゃんが皿を書類から離して置いてくれる。
 薄い銀皿にキャベツがのっかった昔ながらの懐かしい一品。 よくデパートの大食堂にあったようなそれ。辛くなく、カツは昔の匂いがした。優しいものを食べた。 軽めでも丁度いい量で750円。 原戸籍と同じ値段だ。 食べ終えてまたチェック。
「すみません、ちょっと作業させてもらいます」と言うと
「どうぞどうぞ」と水もついでくれる。 

 店に誰かが入って来た。
 おばちゃんが「コロナでね…市が説明会するっていうからさぁ、ほんとにねぇ」 なんて話をしはじめた。 そういえば店内はがらんとしてやけに静かだ。 他に客はいない。 おそらく家族が4人でやってる店だ。 太った息子がたまにテーブルに退屈そうに座って話をする。
 だれも観ないワイドショーが虚しく流れている。 キッチンからふらっと出て来たのは父、そして息子2人。 おばちゃん以外の全員が白いコックの服を着ている。

 昭和をそのままに残したような風情の小さな商店街。 何十年もこの郵便局裏の路地の奥には入らなかった。 この辺りの店はほとんどが閉じているとも思っていた。 ふと思い出したのは映画『ビッグ・フィッシュ』に出て来る村だった。 
「おいしかったです」とお金を払って再び郵便局へ戻る。 職員に小切手の空欄の謎について聞いたりして、糊で貼ってようやく投函。 簡単なことなのにわからないこと、やったことのないこと、 行ったことのないところがある。
 スーパーの屋上の駐車場から空を見ると龍がいた。

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3月18日
 宮原とデザインのやりとりを何度か。
 Bandcamp用の新しい配信準備でマスター作りで、『HOPKINS CREEK』の変換。3時間ですむかと思いきや、チェックまで含めて5時間かかった。
これから歌う。5曲も録音できるのかな。昨日は6時間くらい寝たから大丈夫かな。

3月17日
 西荻窪の盛林堂書房で小松崎茂『地球SOS』(桃源社)を購入。 スーパーモールなるものが! ジェットモグラは小松崎氏の発明かもだ。 たまらんな。

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 夕方はSoggy Cheerios、久しぶりのミーティングでサイン入れ。事務所でいくつか懸念の作業をささっと。解散してタイカレーを食べてから実家へ。母親はここんとこ朝ドラを連続で制覇してきて「あまちゃん」へ移行。これは安心して観ていられるという。


3月15日
 夜中に弾き語り「あの日どこかで」を録音。腹減ってチーズグラタン食べて、映画『アリー/スター誕生』を。
 配信の方の反応もありがたいことに好調。
 夕方、デニーズでおろしバーグと牡蠣フライ膳。眠気が最大限にきて、ちょっと眠てから草月ホール30日分のチェック。いい。見えてきた。

3月14日
 Bandcampで弾き語りの配信を開始。
 馬場さんから届いた草月ホールのライヴ音源の29日分をまずはチェック。いい音だ!

3月13日
 配信のための作業。

3月12日
 夢の中にGREENSの今は亡き横井さんが出てきた。「ライヴ来てね」と言ったら複雑な顔をして笑ってた。
 今月24日のライヴは延期ということになった。

 テレビ東京でやってた『激突!』は調べたら75年の吹替え版。 あらためて観てヒッチコック的な映画だなと思ったが、 なるほど、電話ボックスにスピルバーグが映り込んでいる。

3月11日
トイ・ストーリー』の1から3まで観て、完全に子供に還った。
 ある日、新潮社の編集の方に 「直枝さんは一番売れてるものを観たり聴いたりすべき。トイ・ストーリーは必ず!」 と言われてから1年以上経ってWOWOWで録画して観る事ができてようやくここに来た。 気がついたら、こんな恐ろしい世の中になってしまったが、 たった数時間でも楽しい夢を見ることができた。 おもちゃは生きている。 湯浅学さんにも「トイ・ストーリー 3は直枝さん身につまされると思うよ」とも言われた。
 電車に乗る寸前でくしゃみが出そうに。花粉きつい。千代田線新御茶ノ水のエスカレーターの途中で黙祷。色んなこと起こるけどなんとか粘ろう。
中央線から空を見ると黒い雲が。あの日もお台場や工業地帯で煙が上がって空が暗くなった。にわか雨が来そうだ。

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 西荻窪でブラウンノーズ2号と宮原清と飲む。まずは日本酒にこだわっている居酒屋で「お蝶夫人」「一白水成 美郷錦」「金鼓」「小右衛門」などなど、うまかった。そのあと小さなバーへ移動してウィスキー。


3月10日
 歴史的緊急事態とのこと。さすがに胸騒ぎがする。すぐに電話でみんなと話し合い、これまで様子を見ながら粘ってきた週末の北海道公演の中止、延期を決めた。カーネーションのトリオ・ツアーのデザインの原案を考える。今回はメキシコの覆面レスラーでいこうかと。

3月9日

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 母を乗せて弁天様へ。昔、自治会でここに来たことを懐かしがっていた。おれがお参りに行っている間、車の中から花を見ながら待っていた。8トラを聴く。別に音がいいとか言う訳じゃなく、ムード。ムードが大事。

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3月8日

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 オザーク・マウンテン・デア・デヴィルス『カー・オーヴァー・ザ・レイク・アルバム』をかなり久しぶりに。名盤よのう。

3月7日
 ライブ自粛の連鎖が止まらない。
 ぼくらも先々週の公演は国の自粛要請を受けて、 何がなにやらわからず、 不安もあったし、それはお客さんも同じはずと思って中止した
(メンバーの体調もいまいちだったのもある)が、 来週の北海道は、そこに灯があるなら、 待っている人がいるならとあらためて考え直し、行くことに。 北海道は緊急非常事態とはいえ、街は止まっていない。 酷いならいっそ止めてくれと思うが、 そうなると経済が廻らなくなる。 無理なのはわかる。
 サラリーマンの知人は会社から「ライヴハウスへは行くな」と言われているらしい。 これも仕方が無いことだ。さっきキャンセルも若干出た。


3月6日
 目標。力を抜きながら入れ過ぎること。

3月4日
 ビリー・ワイルダー『情婦』DVDを途中まで。週間ベースボール「追悼・野村克也」をKindleで買う。「神田伯山ティービィー」は#10迄観た。どの日も最高だけど、 音声がなくなって坂本頼光がアフレコした#9が絶品。

3月3日
 突然、サンディ・デニーが降りて来た。 Fotheringayのこんな映像があることを知らずに、 https://youtu.be/00hpupoh4eU
しかも5年前にこの映像が付いたBOXが出てた事も知らなかった。 在庫あとわずかの『Nothing More』をしばらく悩みつつクリック。ジェフ・トゥイーディの自伝も買った。

 FRANK ZAPPA『THE HOT RATS SESSIONS』を聴く。

3月2日
 本当はなにも起こっていないのか?国会のぐだぐだなやりとりを観るとそう思う。 ワイドショーは買い占めばかりを取り上げ、追う。 この中味のなさは異様だ。 台湾には救世主がいるという。

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