ジャンダルムのGI制覇

少し時間が経ってしまいましたが、10月2日に中山競馬場で行われた第56回スプリンターズステークスは、7歳になったジャンダルムが初のGⅠ制覇を達成しました。2002年にこのレースの優勝馬ビリーヴとの母子制覇です。
騎乗した荻野 極 騎手にとってもGⅠ初制覇。おめでとうございます。

この馬は、父がキトゥンズジョイ、母ビリーヴ
武豊騎手、池江泰寿厩舎。そしてこの血統からもデビューの頃から期待、注目していました。
2歳の頃はデイリー杯2歳ステークスを制したり、GⅠホープフルステークスで2着に食い込んだり、期待に応えるような走りを見せてくれました。

しかし、結果的に振り返ると、このホープフルステークス2着が頑張り過ぎたのかも知れません。

母がスプリンターズステークスを制したビリーヴですから、短い所が合うのかな?とすぐイメージが湧きますが、父のキトゥンズジョイは、アメリカの馬で芝の2400㍍のGIを制しています。血統だけで距離適性を判断する事は難しく、走ってみないとわからない事は言うまでもありません。
さらに牧場の期待も大きい事もあり、3歳春の目標は、クラシック戦線になっていたようです。
2歳暮れのホープフルステークスで距離の限界を感じる内容であれば、春の目標はNHKマイルカップだったかもしれません。
期待馬がクラシック戦線を諦める時は、ケガや体調不良以外には距離の不安、問題がほとんどのはずです。
そこに問題がなければ、クラシックを目指す。基本的にはそうなると思います。

そして、3歳になりクラシック戦線へ進むと、弥生賞3着、皐月賞9着、日本ダービー17着

皐月賞では、今も悩みの1つのスタートが上手くいかず。
そして日本ダービーではついに距離の限界が見えました。

結果的には、ジャンダルムにとってクラシック戦線の距離は過酷だったようです。

その後、秋からは距離を短縮し、マイル路線へ。
しかし、気性的な物もあるのか、どうもスタートが上手くいかないレースもチラホラ。
今後短距離路線で戦うにはスタートは決めないと難しいなと思いながらこの馬の追い続けていました。

昨年のスプリンターズステークスは、春に春雷ステークスを勝った事もあり、自信の本命だったのですが、11着。やはりGⅠでは厳しいか。そう思いました。しかし今年に入り、オーシャンステークスを快勝!これは嬉しくなりました。そして次への期待が膨らみました。しかし、次走GI高松宮記念は11着。そしてその後の北九州記念での17着。このレースを見て、さすがに気持ち的に、スプリンターズステークスは難しいだろうと諦めた気持ちになりました。

そんな気持ちで見ていたスプリンターズステークスですが、ご存知の通り、課題のスタートが抜群でした。それに2番枠という絶好枠を生かしたポジション取り、コーナーの立ち回り、すべてが上手く行きました。4コーナーから直線を向いた時のジャンダルムを見た時に、「これはやられた。」と思いました。
もちろんこれは、追い続けたにも関わらず、先に諦め手を離した自分が悪いのです。
それでも最後は、しっかりジャンダルムを応援していましたし、嬉しかったです。よかったと思いました。

イメージ、先入観にとらわれない事。時には原点に立ち返る事。上手くいかない事があっても先に諦めない事。信じる事。
信じ続ける、追い続ける。[続ける]この[継続]という作業は、人間にとって難しい作業の1つだと思います。しかし、それが出来てこそ、手にする事が出来る成果があるのはもちろんです。私は忘れてしまっていたようです。

ジャンダルムにも、忘れていたたいせつな事を教えられました。

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