マガジンのカバー画像

エッセイ

33
運営しているクリエイター

#セルフラブ

元気で長生きの秘訣をどうしても聞いてしまう

ある会で、お隣に座った女性と帰り際に話した。 チャーミングな笑顔、好奇心たっぷりな、くりっとした瞳。 白髪に、ベレー帽を被り、素顔にオレンジのふちの眼鏡が似合っていた。 彼女は、書くことが大好きで、本も何冊か出しているということから私たちは話が弾んでいた。 「50代から60代にかけてはね、自分のこれまでの人生について一度は書いてみるべきよ」 そう、私に伝えてくれた。 そう言う彼女は、70代前半くらい?と思ったら、なんと92歳。 もう、びっくりして、きっとその瞬間、彼女

自由に書く~6日間のライティング・リトリート②

アンディのリトリートは、オフグリッドの山の中で行われた。 キャンピングカーで来る人もいたけれど、私はテントを、松の香りが漂う樹々の下に張った。 食事はブランチとディナーが用意されるので、私は実際、このリトリートでは、書くこと以外何もしなくいていい。 そう、6日間、朝から晩まで、書いてばかりいていいのだ! 朝、目覚めると まだ、霧の残る山の頂から朝日が昇る。気の向くままにジャーナルを書く。 少し陽が上ったころに、アンディのキャンピング・カーのそばに各自、椅子を持って集

自由に書く~6日間のライティング・リトリート①

「自由に書く」とは、どういうことだろう? 何の制限も自分に与えずに、私たちは「書く」ことが本当にできるのだろうか? 何年にも渡って、私たちは、学校で「文章の書き方」を学んできた。 「こうあるべき」的な文章教育。 例えば、辻褄のあった文章、はっきりした目的のある文章、起承転結・・・そして先生からのダメだしの赤ペンつきのノートがかえってくる。 まわりとの比較や、競争、他人の目に、自分の文章がどう評価されるのか、どのような題材が書くに値するか、「正しい」書き方への執着。

バナナが連れてきてくれたもの

私はバナナが大好きだ。 飲み物以外で、一日の始めに口にするものが、バナナ。 たいていは、そのままで食べているけど、 夏は凍らして、スムージーに入れ、 時にはブランチのワッフルに輪切りにしたものを、たっぷりのせて。 いつからバナナをこんなに食べるようになったんだっけ? 庭に出て、太陽の光を浴びながら、もくもくとバナナを食べながら、ふと思った。 小さい頃は、たまに母が他の果物とのローテーションで、買ってくるだけで、バナナが家にあるのを見ても、さしてわくわくしなかった。