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私の仕事

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北カリフォルニアの田舎で日本食レストランをしています。そんなあれこれ。
運営しているクリエイター

#はたらいて笑顔になれた瞬間

レストランという場所

テイクアウトのみの営業を続けて1年以上も経ってしまいました。カリフォルニアは6月15日以降、コロナ防止のための規制を全面解除して、現在多くのレストランは食事を楽しむ人々でいっぱいです。 うちもぼちぼちと、店内を開放していますがテイクアウトのみの営業にすっかり慣れてしまって、始めはちょっとあたふたしていました。 ああ、テイクアウトだけのなんて楽ちんな日々だったことでしょう! 店内サービスがないというのは、本当にシンプルな営業形態で、キッチンはまず皿洗いが大幅に時間短縮され

単純作業に祈りを込める

15年も前に、店のダイニングで働いていた人が、戻ってきた。 彼女は私が店を始めた、初期のころのスタッフだ。 5年ほどうちにいた後で、他の町に引っ越し、10年ぶりに家族の暮らす地元に帰ってきた。 今回、店で再び働き始めて、すぐに彼女が言ったこと。 「ねえ、キャンドルはどうしたの?」 それで思い出した。 そうだった、以前はパティオ席にある、小さなエンジェルのそばにキャンドルホルダーを置いていて、開店前にお祈りをしてからキャンドルに火を灯すのが恒例だった。 それは、基本

たったひとつの関係性を現す言葉は。

彼の大好きなキャロット・ケーキにたくさんのキャンドルが灯された。 その日、シフトに入っていた店のスタッフ、全員からのHappy Birthday の歌に包まれて、いつもは座ることのない客席で、彼が家族と一緒に食事をした後の、バースディ・サプライズ。 彼は23歳のときに、うちに来て、その日40歳の誕生日を迎えた。 彼の奥さんが撮った、そのときのビデオがSNSに上げられていて、私はそれを仕事から戻った夜に、何度も見返して、胸が熱くなる。 ずっと一緒に、仕事をしてきた私の相