冷たい手の人が倒れたのを見た
こういう時、何をするのが「よかった」んだろうなと思う話
昨日夜、23:30ごろ電車で酔って寝ている若者がいた。財布とスマホを床に落として電車の座席で寝ている、車内には隣の私と遠くの優先席に男性が一人いたのみ。
財布は誰かに取られるだろうしスマホも無くすかもしれないと思ったら、切なくなってしまった。
この人を育てた親がいて、この人と楽しむ友達がいて、この人に会いたい誰かもいるだろうに、そういうのを全然自覚しないで今を粗末にしてるように見えた。
余計なお世話であり、すべて私の想像に過ぎないけれど。
財布とスマホを拾って、寝てるその人に声をかけて渡した。
御礼を言われて両手で強めに握手をされて、その人はそのまま寝落ちした。そして、次の駅で降りて、そのままホームに倒れた。
電車は発車したし、私は他人だし、帰ったら友達とzoomの約束もあったし、きっと誰かが介抱するだろうし。ていうか私は他人だし。
握手をしてきた手がすごく冷たかった。
それだけが記憶に残ってる。
もちろん、できることを全てしたかと言われればしてないけどそういう義理も関係もないのだけど、すごく、なんだか切ない。
あの人の親しい人たちは、あの人があんなに冷たい手をして、23:40過ぎに都内のホームの端でひとり寝てることを、知ってるんだろうか。
こういうことを感じる私は、きっとおかしい。
余計なお世話だし自分と関係ないし、自分のコントローラブルなところでもないから覚えていてもむだなことなはずなのに、なんだかとても、心が寒い。
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