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やっぱ本物のオオカミの造形が至高なんですわ【フォルカ・デザイン編】

フォルカのオーナーの輝夜ナオです。

慣例に従ってオーナーとは言ったものの、心の底では”所有者”という分離した存在であることを認めるのに一抹の抵抗感があったりなかったりします。表面的な人格は別だけど、流れている血は同じ……みたいな。「フォルカの臓物です」とかがしっかりくるかもしれないです。

さて、本日はフォルカのデザインのお話をします。Twitter上では、お迎えするまで契約したことをおくびにも出さなかったので、本邦初公開です。最終的にオーダーしたデザインシートがこちら。

白・黒・グレーのモノトーン。琥珀色の虹彩。無地のからだ……。デザインした張本人が言うのも憚られますが、至ってシンプルです。ユニークさというか、個性という個性はありません

だけど、それでいいんです。それがいいんです。なぜなら、結局「本物のオオカミの造形が至高」というのが私の価値観だから。あれこれ考えた挙句、まっすぐストレートど真ん中の正統派純朴オオカミに行き着きました。

ここでは随所に散りばめた細かい「オオカミらしさ」を紹介したいと思います。

ヘッド

自撮ルカ

おそらく、最初にツッコまれるのは白目がないことでしょう。犬工房出身のキャラにしては、ちょっと珍しいかもしれません。その理由はこちらの記事が参考になると思います。要するに、黒の結膜で覆われた金色の虹彩に、オオカミをオオカミたらしめる意味があるならば当然ゆずれません。

そして犬工房謹製3Dアイとなっています。目にハイライトをデザインせずに、自然光を反射させることで、より生き物らしい表情を見せてくれそうという思惑です。

私が犬工房さんに依頼を決めた理由は3Dアイといっても、割と過言ではありません(先輩方がカッコいいのは前提として)。着ぐるみの工房を探していたときにこのツイートを見て、琴線に触れました。

もうひとつ言うべきことがあるとしたら、目の下の「隈取」を意識した模様でしょうか。これも本物のオオカミの尊顔を意識しています。

余談ですが、私はしょっちゅう寝不足で目にイカつい隈ができます。そこも自分の投影とオオカミらしさの融合点として気に入っています。痘痕も靨とはこのことである。

おくち

歯を上下につけてもらいました。ちなみに、嚙み合わせがうまくいくように歯の造形は1体1体異なるらしいです。

ボディ

フォルカのアイデンティティといえば「もふっきん」に言及せざるをえません。「本物のオオカミ」らしさとはなんだったのか。ええいうるさい、せっかくなら細マッチョオオカミ獣人になりたかったんや。

それはさておき、先述の通り無地かつモノトーンなデザインなので特筆すべき点はありません。いいえ、そんなことはありません。モノトーンにも意味があります。

「グロージャーの法則」をご存知でしょうか。誤解を恐れずざっくり説明すると、近縁のグループの恒温動物は高緯度になるほど体色が明るい(メラニンの量が少ない)という法則です。

当然例外もありますが、ハイイロオオカミを見ても、南のアラビアオオカミが黄褐色っぽいのに対し、北のシベリアオオカミは白灰色の傾向があるように見受けられます。

フォルカは種としてはハイイロオオカミで、亜種の同定はしていないのですが、ヨーロッパの北部を出生地としてイメージしています。したがって、そのあたりに生息するオオカミに溶け込む色合いにしました。

また、自然な見た目にこだわりたいため「模様の境界を曖昧にしたい」と歌犬さんに相談したところ、海外製の長毛のファー(オプション)にしていただきました。毛並みが美しいのはもちろん、発色がとてもブライトなホワイトで感動したので、私が汚してしまう前に会うことをオススメします。

もうひとつこだわりを補足するなら、脇から腰にかけての黒いラインでしょう。ハイイロオオカミ、脇から背中にかけて濃い色の筋が入ってること、よくありますよね。それです。ほかにもイヌ科には腹部に黒いラインがついたヨコスジジャッカルとか極端なやつもいます。

デザイン的な意味でも、黒のラインを加えたことでシャープな姿になりました。先述の通り、細マッチョオオカミ獣人でありたいので so good。

手(前肢)

実は犬工房の子の標準デザインと少し違います。そう、指球(肉球のうち、指についている方)が大きいのです。工房にご訪問した際に、とたんさん製の試作の手を見せていただき、それを参考にデザイン・依頼しました。

ついでに手根球と狼爪(親指の爪に相当)もつけてもらいました。やっぱね、オオカミだもの。

しっぽ

スミレ腺(付け根の黒の模様)をつけていただきました。群れで生活し、匂いで相手を識別するオオカミにとって、自分の匂いを発するスミレ腺は身分証明書のようなものなのでマストです。

おわりに

いろいろ言いましたが一言でフォルカを喩えると、アイスならバニラ、ポケモンのタイプならノーマル単タイプといったところでしょう。あえて余剰なフレーバーを加えない素朴さが個性へと昇華されるような、芯からオオカミらしいオオカミでありたいと思います。

そして、これだけ言わせてください。犬工房さんに依頼して本当によかった。控えめに言って、良すぎます。

それでは、またどこかでお会いしましょう。

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