【語り】異世界居酒屋「のぶ」について

 自分の好きな作品について語ろうとした時に、Twitterの文字数制限には収まりきらないと感じたためこちらに記そうと思います。


 今回、語ろうと思うのはタイトルの通り、異世界居酒屋「のぶ」についてです。宝島社から発行され、作者は蝉川夏哉(Natsuya Semikawa)氏、表紙などのイラストは転(Kururi)氏が担当されています。
 私が読んでいるものは、単行本に加筆および修正、新規エピソードが加えられた文庫化されたものです。昨年末に新刊が発売され、既刊数は5となります。居酒屋のシリーズらしく、巻数ではなく杯数としてカウントするところもなかなか粋な計らいだと感じます。

 ここで少し、私がこのシリーズに出会った時のことを書こうと思います。
 私がこのシリーズ第一杯目を手に取ったのは、異世界系の物語が流行っていた時期からすると少し遅れてのタイミングでした。今思い出せば、異世界系・転生系が非常に流行り、本やアニメでも多く扱われていた時期がありましたね。
(少し脱線しました。ちなみに、異世界転生系ではリゼロが好きです。)
 読書経験のあまりない私は、読書をしたいけれども何を読んだらいいかわからない…当時はそのような状況にありました。その時に手に取った本が、この異世界居酒屋「のぶ」でした。
 私は自他共に認める食べることが大好きで、お酒を飲むことが大好きな人間ですから、見つけた時には、これぞ私が待っていた本だ!と思いました。
 ウキウキしながら読むうちに、このシリーズに出会えてよかったと素直に思いました。
 シリーズものを集めがちな私ですが、買い方には私なりのルールがあります。大げさに言ってみましたが、至極当然な集め方です。それは…まず1巻目を買い、気に入ったら既刊分全てを買うということです。気づけば、本シリーズは私の本棚の良い位置に鎮座することになったわけです。

 これだけ語っておきながら、肝心の内容について触れていませんでした。私としたことが…まあ、確信犯なんですけどね。ここまで飽きずに読んでくださるのであれば、ここから先もこの語りにお付き合いいただけるかなと思い、少々長めの前置きをしたわけです。決して、おしゃべりがすぎたわけではないのです(冷汗)。

 さて、ここからは少し、このシリーズの内容へも足を踏み入れたいと思います。
 タイトルにある通り、舞台は異世界になります。そして、異世界でのぶという名前の居酒屋を営みます。以上です!
 なんて、ここまで引張っておいて、これで終了にしたら拍子抜けもいいところですよね。はい、ちゃんと書きますので許してください。ただし、ここから先は少しだけ物語の内容にも触れますので、未読の人にとって先に物語を知る可能性があることはご容赦ください。

 先に記した通り、舞台は異世界にある「のぶ」という名前の居酒屋です。この居酒屋は少し変わっていて、お店を設けている場所は京都の寂れた通りのはずなのに、正面玄関はなぜか異世界へ通じています。
 通じている異世界は、古都(アイテーリア)と呼ばれる場所で、日本とは文化も違ければ、食材・調味料も違います。そんな中で料理はできるの?と思うかもしれませんが、ここが本シリーズの面白いところ、あくまで異世界に通じているのは正面玄関だけなのです。裏口はお店を設けている京都の通りに繋がっています。
 つまり、日本の食材・調味料はそのままに異世界に居酒屋を開店するというところが物語の出発点です。

 物語の序盤は、物珍しさから客足は安定せず、また、異世界にはない食材や手法を使うことから、言いがかり同然の嫌疑をかけられたりします。
 しかし、それらを乗り越え、徐々に古都での人気を確立してゆくのです。
 人気を確立したから、そこにあぐらをかいているわけではなく、少しでも良いものを、美味しいものを提供したい!異世界の文化にも寄り添いたい!と葛藤し、前に進むお店の大将の人柄も非常に魅力的です。
 そして何より…このお店で出される料理が美味しそうで美味しそうでたまらないのです。読んでいるだけでお腹が空くとはこのことでしょう。
 物語が進んでいくと、登場人物も増えてきますが、それぞれの人柄が素敵であり、みんなを料理でつなぐというところも居酒屋ならではでしょう。
 少し心身ともに疲れた時、あたたかい美味しい料理を楽しく食べることができれば、癒されるのではないでしょうか。そんなあたたかさと癒しが、このシリーズには詰まっていると思います。

 本当はもっと語りたいですが、これ以上語ってしまうと物語の内容をベラベラと喋り、ネタバレに次ぐネタバレをしてしまいそうなので、ここまでとしたいと思います。
 ちなみに、語っている内容だけ読むとシリーズ完結ありがとう!みたいに見えてしまいますが、絶賛シリーズは継続していますからね。むしろ、これからが本番でこの先も楽しみで、期待でたまらないくらいです。

 末文になりましたが、ここまで読んでくださりありがとうございました。少しでも気になれば、このシリーズを手に取り、眺めてみてください。このnoteが何かのきっかけになれば良いなと思います。では、また今度。

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