いいな いいな チーム六甲山(改め摩耶山)っていいな


まだご覧になっていない方はぜひこちらから!


美味しいパスタにうにゃうにゃ山道〜♪
お揃いウォッチで締めるんだろな〜〜♪

つい歌いたくなるくらい、いい。
チーム六甲山、タイトルにもあるようにかなりエモいです。



「エモい」が生まれるのは「もう戻れないとわかっている記憶もしくはその周辺に立ち寄る」瞬間、と私は常々思っています。ここではどちらかというと、懐かしいに近い意味。

こんなにキラキラ光る風景があるのに、それは確かにかつて自分のものだったはずなのに、同じ鮮度で楽しむことはもうできない。かといってあの頃、リアルタイムでこの光景の大切さをわかっていたわけでもなく、そんな自分が歯痒くて。
その歯痒さを真正面から受け取ることは人間にとってあまりにも耐え難いから、人はあえて「エモい!」とはしゃいでみせるのではないだろうか。だから私は日頃から、特に若者が簡単にエモいという言葉を使うことを控えるよう心の中で提唱している(誰やねん)。


ただの仲良し3人組の珍道中に見せかけた今回の動画、ところどころ「もう、簡単には戻れない」要素が散らばっていて、それが動画全体を通してのエモさの本質であるように見えた。
関西との行き来が少ないと語る丈くん。今東京やから行かれへん、と語る暇電相手の先輩・室くんと同期・今江くん。神戸のCDショップでの取りおきを悩む(だからお母様に来てもらうことにした)末澤くん。

ある地点まで日常だった場所が気がつけば遠くなっていて、この旅が終わればまたそれぞれの日々に忙しくも戻っていく。リチャ末も友達というより仕事仲間になるのかな。
これらは決して悲しいことではなく、彼らが自分達の人生を前に進めている証拠でもある。




そういえば少し前、末澤くんが佐野くんに「28歳くらいから昔の友達と会う頻度が減る」と語っていた。そう、今の佐野くんくらい、20代半ばまでは「学生時代との距離が近い自分、エモい」みたいに思って、自分の人生に思いを馳せられる余白があるのよね。
でも本当に末澤くんの言う通りで、27-8歳くらいからびっくりするほど友達と予定を合わせられなくなる。(32歳なおちょりん談、そして仕事やら家庭やら断る理由にに選び取った人生が透けて見えるのだよ……)



なんとなくリチャ末はそんな現実を淡々と受け入れて目の前の仕事や人間関係に力を注ぐタイプ。一方で強引な旅のしおりまで作って移動も含め7-8万自腹切ったと笑う丈くん。
確かに大人になると時間はなくなるんだけど、大人だからこそ、お金さえ惜しまなけばばどこへでも行けるし、ちゃんと企画すれば時間を調整することもできる。大人が幸せになるために必要なものって現状を打破するためのワクワクする理由や建前なんだよな…と思わされた。

かつ、ただ思い出の地を巡る自己満コンテンツになっていない点が、丈くんの「大人の行動力」だと思う。オタクのモノマネがとても上手い丈くんは、いつも自分たちが求められていることに全力で答えながら、それを心から楽しむことができるし、細部を作り込みすぎず相手につっこませる余地を作る感じも心地よい。
今回のYouTubeでもそれがよく現れていて、視聴者・丈くん・リチャ末…と全方位特大の幸せしかなく。嬉しくなった末澤くんが「年2でやろな!旅とか行こや!」と語ってもバツを作って拒否するくだりまで完璧であった。



旅のメインである、かつて語り合った神戸の六甲山を再び訪れるシーン。山頂付近で道が懐かしい!とか言っていたくせに実は思い出の場所は六甲山ではなく摩耶山でした……という特大オチにも笑わされましたが。このひとくだりが何を示すかなと考えると切なさで胸がキュンとなる。

結局、当時の彼らにとってその山がどこだったかということ自体、あまり重要ではなかったということですよね。その記憶にピンを挿すためのラベルがLINEグループの名前でもある思い出の場所「チーム六甲山」で。道中、フライングで全然関係ない場所を懐かしい懐かしい!と騒ぐのも、結局彼らにとってはやはりそこがどこだ、ということより車でワイワイ騒いで登ることが本質だったことを意味していて。

総じて、記憶というのは本当に不確かなもので。どれだけ楽しい時間を過ごしても、頭の中に残して持っていけるのは六甲山、みたいな便利なラベル。それって切ないよなと思いつつ、そのラベルを頼りにあの頃の記憶を取り戻せることは素敵なことにも感じられた。それを思ってか思わずか、「最高六甲山」という文字を彫ったウォッチをプレゼントする丈くんこそが最高で。


まとめると。
こうやって過去を振り返ってエモさを感じるというのは、彼ら3人のようにそれぞれの日常があるからこそなんですよね。かつ、30手前からはなかなかそういう、日常と切り離された時間を持つどころじゃなくなる。
そんな中、持ち前の明るさとアクティブさと賢さを以て、デビュー直後の彼らと友達に戻る時間を企画してくれた丈くん。青春時代の記憶をそのまま持ち運んで暮らすことは難しいけれど、「六甲山」という象徴的なラベルを頼りに思い出を辿り騒ぎながらも一つずつ確かな記憶に立ち寄れた、そんな姿を見せてもらえたのがとても良かったです。
(うまくまとまったのでこの段落だけ読めばいいやん、って感じだな)


しかし記憶に一時的に立ち寄ってエモさを抱いても、過去は過去だし、今は今。この3人旅もまた一つの思い出になるのだと思います。
幸せにセーブポイントはない、んだけど、お揃いウォッチも別に普段からつけるわけではないのだろうけど、こうやって得ることができたエモい気持ち自体にまたピンを打って、それ自体がまたどこかで立ち寄ることのできるポイントになっていくのでしょう。
チーム六甲山の名前はそのままでもいいし、摩耶山に変わるとしたらこの日の思い出がまた更新されてピンを立てられたということになるのかな。

そんな人生の機微に触れつつ、とにかく笑えてところどころの言動がいつものなにわTubeやAぇちゅと違って新鮮だった(わかっとお?の末澤さん神戸弁よかったなあ)、チーム六甲山の3人旅でした。

ロケ向きと言われたベンチ。
このすぐ近くに正門くん永瀬くんが行ったとされる
ラウンドワンがあります!

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