I Wish感想〜潔いまでの王道アイドルソングが織りなすキラキラとした切なさと、私のセカンド・アオハル〜

さまざまな変化に対する自身の胸のざわめきがまるで嘘かのように、秋の空のごとく晴れやかで素敵なMVが届きました。

いやもう…この爽やかさは嘘だろ。嘘だと言ってくれ。こんなビジュ大優勝メンバーが揃ってるキャンプ場がどこにあるっていうの?

しかし…

この耳馴染みの良さと、
その奥にある切なさはなんなんだろう?
懐かしさはなんなんだろう?

懐かしさの正体:"嵐っぽいエモさ"

雰囲気全体が勢いの出始めた2010年以前の嵐のようで、これが、時代的にちょうど私の青春(高校→大学)のど真ん中すぎて。私限定な感情で申し訳ないが、まさにマイ・セカンド・アオハルで懐かしい、とにかく懐かしい。

いや分からんし!って感じですよね。
なんでそう思うのかという話をしていきたいと思います。
※長文回

潔いまでの、"J-POPの王道"曲

サビのBaby Oh my darling…のくだり、きたきたきたぁ!これこれぇ!って安心感ありませんか?それはそれはめちゃくちゃに王道なメロディ、コード進行だからです。

これはカノンのコード進行と呼ばれ、滑らかに流れていく、耳馴染みがよいメロディラインと呼ばれています。ヒット曲に多くて、有名なのはHOWEVER、チェリー、先輩曲だとLOVE YOU ONLY、勇気100%。まさにゴリゴリ王道曲!

J-POP、とわざわざお国柄を出したいわけではないんだけど、令和のこのご時世にここまでシンプルな王道曲で勝負するのがすごくて、懐かしいんだと思う。私みたいなアラサーにリアル・セカンド・アオハルを想起させる作戦なのかとすら思える。

※ちなみにI wishの制作はYouth Caseさんで、Love so sweetをはじめとした嵐の代表的な楽曲をたくさん作られている方でした。
さすがや…!


王道アイドル的 "爽やか疾走感"

王道感に加えて、"爽やか疾走感"もありますよね。サラッと流れるような曲ゆえに、青春を第三者目線で映画のように見ているような感覚になる。イントロのキラキラしたサウンドから始まり、BメロとCメロ以外、トントントントンのリズムが一貫して続いている。耳馴染みがいいコード進行のメロディが同じリズムで繰り返さことで、サラッと聴ける、という印象につながるのではないかと思う。

かつ、曲が進んでいると言うことを歌割りで演出している。Aメロの1回し目みっちー&大吾くん→2回し目りゅちぇ&丈くんと声質が違う2人を置くことで、良いメリハリが出てます。アイドルグループだからこそなせる技ですよね。

王道エモメロディ×爽やか疾走感、これがまさに嵐っぽい…んだと思う。似たような嵐の曲に途中下車というのがあるのでサブスク入ってる方はぜひ聞いてみてください。

淡々と歌うから、 "明るくも切ない"


彼ら自身のパフォーマンスを見ると、"いつもありがちなものがない"ことに気づく。

まず大橋和也のフェイク。全体的に個が出ないし、歌い上げることもない。
"この先ずっとありますように"とか"Forever"とか結構切実な願いが歌詞に含まれているにもかかわらず、サラッと歌っちゃってる。そしてよくよく考えて。君は太陽とか言ってた少年が、Baby oh my darlingとか言っちゃってる。Babyて…あんたらいつからサラッとBabyなんていうようになったんや…

これも嵐っぽいっちゃぽい。
嵐ってもともとダークなコンセプトから始まったからか、ポップな曲も淡々と歌いがちで。だから"あれ?結構切ない歌詞じゃね?"とある日気づくこともあったりして。コンサートの終盤にそういう曲を歌ったりするから、なおのこと"明るさの裏にある切なさ"みたいな、普遍的な青春の本質に気付かされたりします。いつか終わりは来るんだな…、みたいな。

I wish、きっとこれもコンサートの最後に歌われると思う、トロッコとか乗って。Baby oh my darlingって。そしてみんな切なくなるんだよ、多分その前に当たらない切なさが待ってるんだろうけどなっ!

踊らないMVに見る新境地

次にないものは、MVでのダンス。
(Missingもなかったですが)

彼らが2年前ひっさげてやってきた"キラキラ×コテコテ"。そんなコテコテのイメージを乗り越えるギャップとしての対抗馬が、安定したパフォーマンスと爆イケビジュアルが作る"バチバチ"のカッコよさ、だったように思う。

I wishの新しさは、"コテコテ"を"バチバチ"で塗り替えるのではなく、"キラキラ"だけでいきました、いけちゃいました、だったのではないかと。もう、存在感だけでコンテンツが成立するレベルに達してしまったんだ…なにわ男子は。
ちなみに1番好きなシーンが肩組んで下から煽る角度で歌ってるやつで、もうそれはそれはHappinessを思い出した。存在が尊くて泣けるとはこういうこと。


"たったひとつ願っている"

とまあここまで、いかにシンプルで王道で、引き算の素晴らしさであるかを語ってきました。

YouTubeのコメントでは"こんな時だからこそ歌詞が響く"というのが散見されたんだけど、どちらかというと私は、こんな時だからこそ、サラッと展開されるこの青春感に身を預けたいなぁと思ったのが感想。

伝えるでも、魅せる、でもひけらかすでもない。アーティストもファンも、お互いどんな状況であれ、コンテンツが作る"幸せの風景"で待ち合わせしていようよ、ここでは明るさと切なさを一緒に抱きしめていようよ、という関係性でありたいなぁと思う。昔、私と嵐がそうだったんだ。アオハル回帰なのか、そもそも普遍的な価値観なのかわからないけど、なにわ男子ともそうでありたいよ。

これから何があるか本当にわからないけど、
それが私の "たったひとつ、願っている"
かもしれない。

※P.S.
革のソファに座ってクッションどっちがいい?の丈一郎大優勝すぎんか。

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